「手紙と電話とホッジンズ」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン ABCDさんの映画レビュー(感想・評価)
手紙と電話とホッジンズ
アニメや外伝、スペシャルを見た視聴者へのご褒美がたくさん盛り込まれた劇場版。
なにより主人公ヴァイオレットがアニメ第1話で見た時から精神的にかなり成長しているのが手にとるようにわかるのが嬉しい。
話の本筋は少佐との再会の話。だから途中までユリスのストーリーがどう関わるのか理解できなかったが、そういう構成にしてくるとは。
少佐との再会より、あくまで客との約束を優先したヴァイオレットの気持ちが感動をもたらす。
そして電話が活躍するのもまた良い。
現代の便利すぎる道具を批判せず、それでも手紙の良さっていうのを伝えている。
手紙ならば伝えられる、と手紙を書いて終わるラストシーンは素晴らしかった。
そして手紙は電話と違って、メッセージが残る。何年も後の未来でアンの孫が手紙を見つけることで、結果的に両親に思いを伝えられることにつながった。この未来のストーリーでそれを表現していてよかった。
このシリーズはアニメ版を含む全ての話で登場人物への感情移入がすさまじい。ヴァイオレットが無感情な分、より周りの人の人間らしさが浮き彫りになり、絶対に誰か1人に感情移入してしまうのではないか。
映画だけでいったら、ホッジンズ。少佐とヴァイオレットの間で板挟みになりながらも、感情を表にだして声をあげる印象的なシーンがちらほら。
大馬鹿野郎!は鳥肌がたった。1番好きなシーンかも。
結果ハッピーエンドとなり、うまく作品全体をまとめあげた。現代で技術が発達して、ドールの仕事が無くなったという演出もあり、文字通りの完結編だったと思う。
大馬鹿野郎は、熱くなりました
少佐さんの行動言動設定には多少の違和感がある分
社長さんに感情移入 板挟みとはまさに。
花火のシーン 誰に話しかけようとしたのか 誰がいなかったのか 切ない
あの父性も、物語に深みをもたらしたでしょう