「あと何度か観て、改めてレビューします。」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン よしさんの映画レビュー(感想・評価)
あと何度か観て、改めてレビューします。
手紙の代筆を営む少女が、戦場で生き別れた上官を探し求める物語。
「ヴァイオレット・エヴァガーデンシリーズ」の最終章です。
まず、映像の美しさに圧倒されます。「美術背景」、「キャラの表情」、そして「動き」。京アニでは余り目立たないCGも、ラストの波の映像等は、嘆息しか出てこないクオリティです。
効果音も良いですね。義手の「カタカタ」と言う音が、余りにリアルで驚きました。
そして声の演技も素晴らしかった。
無表情、無機質なヴァイオレットが、この映画では徐々に感情の起伏が激しくなっていきます。その感情を、石川由依さんがしっかりと表現していました。クライマックスは勿論ですが、中盤で感情が高ぶり「少佐」の言葉が上手く言えないシーン等は、胸に熱いものが込み上げる名シーンでした。
ストーリーは賛否が分かれそうなところです。
少佐とのストーリーに、重病の少年との物語、そして何十年後かの未来のお話。三つのストーリーが、映画を紡ぎます。
ラスト迄観ると、「移り行く時代の虚しさ」「それでも変わらぬ人と人との繋がりの温かさ」そして「ヴァイオレットの後日談」が無理なく描かれていて、心地よい余韻を残してくれた絶妙のストーリーに感じます。
でも、鑑賞途中では、少し冗長と感じられるシーンが多く感じられたのも事実です。TV版のエピソードが幾つか差し込まれていたのも、少し煩わしく感じました。
決して悪くはありませんでしたが、最後の映画なら、少佐を探し求めるストーリー一本で行っても良かったように思えます。
正直、評点は迷いました。TV版や外伝の完成度から来る期待値を考えると、5は付けにくいと感じました。
でも、自身が5を付けている他の作品と比較すると、5が相応しいように思います。
ただ、『本当に素晴らしい映画と感じた「外伝」』も、1回目の鑑賞ではそれ程高い評価はしていませんでした。
この映画も2回、3回と鑑賞したら、評価は変わるのかもしれませんね。