「最高にして最泣」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン ひろみちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
最高にして最泣
人から勧められてアニメを見始め、そのままの流れで映画に辿り着きました。映画に限らず、アニメの時から思ってたことがいくつかあるので最初に。まず、映像が美しい。アニメにしてこのクォリティってほど街、自然、そして人々がリアルに美しく描かれていた。
そして、設定が面白い。軍の武器として人の感情を持たない少女が戦後、手紙の代筆を行う自動手記人形として人間的な成長をしていく物語。感情を持たない武器。そして自動手記人形、手紙。戦争があり、識字率が高くないその時代の設定がとても面白く、最初から物語に引き込まれていった。
そして本題の映画についてだが、お世辞抜きに素晴らしかった!みんなが言うように確かに泣ける。泣けるほど良いシーンがたくさんあるんだけど、それ以上に映画として面白かったと個人的に思いました。はじまりは、アニメ当時ヴァイオレットが活躍してた頃から2世代ほどあと、電話も普及し、識字率もあがりドールという職業が過去のものとなった時から。おばあちゃんがそのお母さんからヴァイオレットに代筆してもらった手紙を孫が見つけるところから。つまり、何世代もの後の人が過去の他人の活躍を振り返るっていう。このやり方が結構好きなんです。
そしていっときの話題のドールとして活躍したとされるヴァイオレットを追っていくっていう話です。
この時点で凄くいいんだけど、そこからさらに病気の少年の代筆の仕事、そして死んだとされていたあの少佐の消息について話が進んでいってここらへんから、劇場涙のオンパレード。そこらじゅうから鼻のすする音が。
でも少佐に会いにいったのに頑なに会おうとしない少佐に対してホッジッジが叫んだシーン、代筆依頼人の病気の少年が最後に手紙ではないけれど電話で思いを伝えるシーン、そして最後の海での少佐との再会。心がうるってきました。
この映画を通して描かれるヴァイオレットの成長、人の気持ち感情を理解できるようになった姿に少し想い入れしてしまうくらい素敵な映画でした。直接は伝えられないけど、どーしても伝えたい想い。恥ずかしくて直接言えない言葉。手紙を通してなら伝えられること、手紙の良さを感じた作品。今度、ロンドンにいる家族に手紙でも書いてみようかな。