「ソリーマの遺伝子」ボーダーライン ソルジャーズ・デイ shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
ソリーマの遺伝子
出来としては一作目のドゥニ・ヴィルヌーヴの方が比べるべくもなく、遥かに素晴らしい。しかし、この作品はマカロニ・アクションのマエストロであるセルジオ・ソリーマの息子のステファノ・ソリーマが撮っていることで俄然妙な価値が出る。父親譲りのB級アクションにベニシオ・デル・トロやジョシ・ブローリンと言ったハリウッド・スターを惜しげも無く使ってしまうのが、今の時代とても稀有である。もちろん良い意味に捉えてのB級感だ。16歳のヒロインを据えてはいても、ストーリーの上では必要だけれども、実質的にはお飾りでしかない。現在では、男臭さが溢れ出すマカロニウェスタン調の作りは時代を一回りしての新しさかもしれない。ちゃっかり、次作への伏線は張り巡らせてあり、上手くいけば、シリーズ化させたい意志は露骨過ぎるほどである。個人的には大好きな作り方ではあるが、作品としては大した面白味はない。マカロニウェスタンへの憧れを全面に押し出しているような映画だった。
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