ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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最高に贅沢な時間
タランティーノ監督作品に共通しているのは、作中の時間の使い方だ。
ストーリー上あまり関係のないような会話や演出が切り貼りされている。
この時間を"贅沢"ととるか、"退屈"ととるかで彼の作品の評価は大きく変わる。
例えば「ヘイトフル・エイト」では冒頭の馬車が向こうからやってく来るというシーンで5分くらい使っている。この時間は退屈であるか?いや、これから一体何が始まるんだ?あいつは一体何ものだ?様々な憶測が出てくるだろう。そしてそのシーンに流れている曲は、あのエンリオ・モリコーネが本作の為に書き下ろした曲である。
例えば本作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」ではどうだろう?
やたらと車でクリフが移動するシーンが多いではないか。リック邸とスタジオをヴィンテージカー"キャデラック・ドゥビル"、自前のポンコツカー"フォルクスワーゲン カルマンギア"で行き来している。
わざわざ見せる必要のあるシーンか?
3ブロックほどを通行止めにして60年代後半のロサンゼルスを完全再現した街並み。しかも通り過ぎる車全てビンテージカー。(トータルで2000台らしい。。。このシーンの為だけに!!!)
その中を、あのブラッド・ピットが颯爽と駆け抜けるのだ。ラジオからタランティーノセレクトの音楽をガンガン鳴らして。
このように映画の世界で時間を過ごすこと、それ自体に喜びを感じているのだ。
本作はまさにその真髄。あのハリウッドでリックやクリフと過ごすあの時間。その喜びに満ち溢れた愛くるしい作品だと私は思う。
ストーリーは極限まで排除したとタランティーノ監督はインタビューで述べている。ドラマらしいドラマはない。あの日に向けたカウントダウンという緊張感のみというシンプルな構成だからこそ、リックとクリフが過ごすハリウッドの日常、そしてシャロン・テートが過ごすハリウッドの日常が輝き出す。
本作の目玉はハリウッドが誇る二大スター レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットというキャスティングだろう。接近禁止令が出ていたこの2人だけに、このタイミング、この作品での共演というのが感慨深い。
また、脇役もアル・パチーノをはじめとする名俳優陣で、超一流の演技が堪能できる。イタリアの発音をアル・パチーノがデカプーに伝授するシーンは笑えてくるし、散々マカロ二ウエスタンはクソだ!イタリア野郎め!と吐き散らしたデカプーことリック・ダルトンが、その後の展開で完全にイタリアに染まって帰国するシーンに繋がるから笑って笑ってしょうがない。
そしてあのラスト。やってくれた。やっぱり。
こんなことが出来るのはタランティーノ監督だけだ。
そして、みんな幸せに暮らしました。めでたし。めでたし。と締めくくる。
終わってみれば、リック・ダルトンとクリフ・ブースというキャラクターが大好きになっていた。
最初から最後まで最高じゃないか。
The映画!The娯楽!強いワンコ飼い たい!
タランティーノ史上最高傑作
史実を塗りつぶせ!?
ナチス・ドイツをコテンパに、黒人奴隷が白人を撃ちマクり、チャールズ・マンソンを歴史から葬る!!
これはタランティーノ、復讐三部作の完結編!?
2大スターの初共演、互いに二度目のタランティーノ作品、そしてC・ヴァルツに全てを持って行かれる結果になってしまった!?共通点もあり。
タランティーノは単に皆が楽しめる娯楽作品を作っている訳ではないし、いつまでも「パルプ・フィクション」を期待していると大変な目に合う!?
そんな客がチラホラとTOHOシネマズ渋谷では、途中退出の多さにビックリしたり、渋谷って土地柄とシネコンって場所が悪いのか?
ディカプリオとB・ピット目的で足を運ぶ輩が多いだけなのか?
そんな2大スター初共演よりも、タランティーノ作品にA・パチーノが出ていることに歓喜!!
タランティーノ常連俳優から新たなキャスティングと豪華な出演陣だが、今までの作品に比べると脇役陣の活躍も希薄に目立った演出がされていないようにも。
映画オタク愛が炸裂するタランティーノ作品には元ネタなどコアでマニアックだったりもするが、本作は映画や音楽が好きでリアルタイムないし遡って観たり聴いたりの知識が普通にあれば。
でも、そんな普通の知識がある?ない?で楽しめる感覚がシャロン・テートの事件も含めて、違ってくるような気もする。
不謹慎な位に笑ってしまう、爽快な気分にテンションを上げてくれるクライマックスに脱帽!!
2019/9/7 TOHOシネマズ新宿にて
二度目の鑑賞。
一度目はTOHOシネマズ渋谷で観たが、スクリーンの映像の暗さに違和感が!?
初めてTOHOシネマズ渋谷で観た映画が「ラ・ラ・ランド」で、その時も映像の暗さを感じたり!?
今回は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」以来、二回目のIMAXで鑑賞。
感想は、変わらずに面白い、最高!!
不思議!
シャロン・テート殺害事件が下地
69年のハリウッドでは落ち目の俳優リックと彼のスタントマン、クリフがいた。
リックは西部劇の花形俳優だったが、ハリウッドでは仕事がなくなりつつあり
イタリア製の西部劇(マカロニウェスタン)へのオファーにかけることに。
そんな彼の邸宅の隣に有名な名監督ロマン・ポランスキーと妻で女優の
シャロン・テートが引っ越してきた…。
60年代の当時の米国の文化が息づき、街には戦争反対から
思想及び生き方に対してヒッピーなる若者たちが増殖していく。
ヒッピーたちは自らのコミュニティーをつくり
ある場所に集まって集団を形成していく。
タランティーノ節の為せる業とも言うべきか
映画を自身のおもちゃにしてしまう手腕はラスト13分に集約される。
本編自体は160分を超える長尺のため多少の中だるみは否めないし、
後半の展開へのカタルシスも少し弱かったようにも思える。
音楽やファッションなど当時の文化を描いたシーンは
懐かしくもあり、今見るとより新鮮に映える。
そして何よりレオとブラピが同じ画面内に存在するという奇跡は
映画館で見れずにいれるだろうか。
テンポが…
タランティーノの映画愛が詰まりまくった渾身の一作
うーん
ディテールはワクワクします。70%くらいはワクワクの連続でした。ブラピは良い歳の取り方していて最高です。ますますロバートレッドフォードに似てきた。
トゥルーロマンスぶりのラリ演技です。
ブルースリーはグラサンかけてる間は物凄い似てます。
喋り方、言ってる内容も本人が言いそう。不良だしイキり方や態度に関しては気にならない。
しかしグラサン外した途端、全く似てないです。
やはり黄色人種以外は黄色人種がみんな同じ顔に見えるらしい…あとタラの中ではブルースリーはジミーウォングと同じ枠なんだとわかって失望しました。いくらなんでもマヌケに描き過ぎてる。そこまでして元グリーンベレーのスタントマンの偉大さを描きたかったのか…?
いつものタラ映画って感じで大方エンディングの予想はついてましたが、これは消化不良です。アウトレイジ最終章を見終わった後の感覚に近い。決着がついてないと感じたのは自分だけでしょうか?イングロ、ジャンゴではあれだけ派手にやったのに…
シャロンテート愛だけは伝わった。つか実際にはそれだけの映画という気がする。もっとディカプリオの負け犬ワンサゲインストーリーに深みが欲しかった。イーストウッドの事でも良かったような…
全体的にギャグが利いておりバイオレンスも笑えるようになっているが、実際にあった事を知っていると素直に笑っていいものなのか考えてしまう自分がいた。
ブルースリーをボロクソに描いた理由。武術家よりグリーンベレーの方が強いに決まってるだろ?って理屈もあるが、本質的に実は差別的なものを感じてる。キルビルのアジア描写や千葉ちゃんの描き方を見ればわかる。映画人として一定のリスペクトはあるかも知れないけど、少し違う。詳しい癖にワザとああいったアジア描写をやってるのは完全にネタとしてやってるしリスペクトしてるとは思えない。タラは最近のハリウッドが中国資本に飲まれそうになってきている事への反発でリーのあの描き方をしたと思う。いつもやる映画の中で復讐。でもブルースリーって中国の象徴なんじゃなく、アメリカで差別されまくったアジア全体のヒーローであるし、そういう事も全部知っててやってるとこに悪意を感じた。
アジアを舐めてるって事。
もうタラちゃんには期待しない
古きハリウッドの描写は良いけど、無駄に長い
友情と、オマージュと
リックとクリフの固い友情は、きっとタランティーノの変わらぬハリウッドへのリスペクトと同じくらい不変なのだ。
ちょっと悲観的だか、見栄っ張りのリックと、欲はないが、冷静で腕っ節の強いクリフ。
アンバランスだが固い友情で結ばれた、この2人は、あれやこれや複雑怪奇だが、多くの人を惹きつけてやまないハリウッドそのものなのではないか。
大脱走、マックイーン、ブルースリー。
古い良きハリウッドの名作と俳優たち。
ロマンポランスキーとシャロンテートの事件はあまりにも有名で、そこは事実を描くのかとドキドキしたが、ところがどっこい、さすがタランティーノので、クリフを絡ませた別の展開を持ってきて、独特な血みどろ、丸焼けの暴力シーンで皆を惹きつける。
凄惨なはずなのに、目を背けるほとではないのはなぜだろうか。
そう言えば、観客がシャロンテート事件を想起させるように、きっちりヒッピーやカルト集団を描いて、見る側を翻弄するのもタランティーノらしい。
それに、これも古き良きハリウッドらしく、勧善懲悪で、寡黙で、どこか世の中を見通したようなクリフの正義(?)は勝つのだ!
古き良きハリウッドよ、もう一度…と言うより、きっとこうしたリスペクトがある限り、そして続く限り、映画は面白いんじゃないかと期待させてくれる。
そう、ハリウッド、まだ頑張れよ、と励ましたくなる、まだ、友達たよなと言いたくなるような、ジワっと楽しい映画だった。
肝いところを探せ!
長い!けど面白い!タランティーノの不思議
落ち目の俳優と専属スタントマン。映画の街ハリウッドでの彼らの日常を描きながら、ある事件の発生日に近づいていくという構成。
とにかく前半が長い!でも不思議と退屈ではない。リックが酒に溺れながらも俳優として生きていこうとあがく姿は淡々としてるけど面白かった。実際に当時作られた映画やドラマのような映像も流す必要ある?と思うけど、それがよかったとも言える。これが作りたかったんじゃ?と思うほど。
でも、最後のシーンに行くと、やっぱりこれだよね!という映像だった。こちらがイメージしていたものとは全く違ったけど、これこそタランティーノ!という痛快なもの。そしていろんな意味で戸惑うのではないか。
近年のタランティーノ監督作は長い!と思いながら面白く観てしまうものが多い。本作もそんなタランティーノの不思議な魅力に溢れた作品だった。満足!
【後半のハリウッド俳優に実際に起こった哀しき史実に対するタランティーノ監督の激しい怒りが炸裂するシーンを、全面的に肯定する作品。今作品で引退なんて、冗談だろう?タラちゃん。新作を待ってるぜ。】
ー 映画愛溢れる様々なオマージュが盛り込まれた、タラちゃんの作品は見終わった後、いつもお腹一杯になる。内容が特濃で、尚且つ頭フル回転で観るからである。ー
・この作品は、彼のハリウッドを愛する気持ちがきっちり表現されている。(あの展開には、見事に一本取られたよ。)
・劇中劇の挿入の仕方も見事である。
その劇中劇でセリフを忘れ才能の無さを嘆いたり、8歳の可愛い”役者”さんから演技を褒められ涙するリック・ダルトンを演じるディカプリオ、流石である。
・が、自由に生きるリックのスタントマン、クリフ・ブースを演じるブラッド・ピットの不敵な笑みと言動の格好の良さが際立つ。
腕っぷしの強さや(画面に映し出される腕の筋肉の太さにビックリ)少し、陰のある過去を匂わせる部分などを含めて、不死身の男を見事に演じている。
プランBの仕事の中身も凄いが、彼が超一流の俳優であることを、再確認したモノである。
・この二人を含め、アル・パチーノ、ダコタ・ファニング、マーゴット・ロビーといった錚々たる演者が嬉々として馳せ参じる監督はそうはいないだろう。
・そして、この作品の見応えあるレベルの高さ。
<今作品で引退なんて、冗談だろう?
クエンティン・タランティーノ監督。新作を待ってるぜ。>
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