斬、のレビュー・感想・評価
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塚本晋也がかっこよすぎる
幕末の動乱の時代の農村を舞台にした時代劇というのは珍しいが、作品全体の根底にある価値観も時代劇としては相当珍しい。人を斬るのが仕事の侍が斬ることに疑問を持っている。都ではしゅうちゅう流血沙汰であったことを考えればさらに異質だ。現代的な価値観では正しい問いであると言えるが、幕末にもそういう価値観があっただろうか。農村が舞台であるという点がそこはポイントになるかもしれない。
江戸時代はなんだかんだと300年大きな戦もなく泰平の世が続いた。時代のうねりを感じにくい農村でそのような考えも生まれるのかもしれない。
侍姿の塚本晋也がとにかくカッコいい。ぎっくり腰で満足に殺陣ができなかったらしいが全くそうは思えない。スコセッシ映画などにも出演して、近年役者として凄みが増しているように思う。
今更だけど塚本晋也監督は出しゃばり過ぎ
映画館では2018年12月3日フォーラム仙台にて鑑賞
それ以来2度目の鑑賞
蒼井優池松壮亮共演というだけで迷うことなく映画館で観ることを決めた
80分
時は幕末
場所はド田舎
農村で農作業の手伝いをしている人を斬れない浪人都築杢之進役に池松壮亮
村人の娘ゆう役でお色気担当に蒼井優
仲間を求めスカウトにやってきた剣の達人・澤村役に塚本晋也
もちろん蒼井優も池松壮亮も素晴らしい
期待通り
カメラのブレは臨場感を出すためだろう
それはまあいいさ
問題はいつものように役者も兼ねている塚本晋也
たしかに悪くはない
むしろ良い方だ
悪くはないがでしゃばり過ぎだ
あんたが出る必要はない
村西とおるじゃあるまいし
澤村次郎左衛門役にはそれなりのベテラン俳優を抜擢するべきだった
北野武やクリント・イーストウッドなどとは事情が違う
塚本晋也監督の自主映画スタイルが頑固なまでにそうさせるんだろうか
ぼくは好きじゃない
好きじゃないがチャンバラ映画は大好き
しかも蒼井優と池松壮亮の芝居を堪能できる
星3つ
残念
役者人の演技は素晴らしいが、ストーリーがめちゃくちゃ。 武士の話なのに人が斬れない? るろうに剣心の方が何倍も面白い。 あと、「人を斬れるようになりたい」とか、繰り返しのセリフが多すぎてウンザリ。期待していただけに残念すぎる。
刀の音
時代劇にして塚本晋也の特色と変態性は発揮され、演じる池松壮亮や蒼井優に塚本イズムを押し付ける役者冥利と、塚本作品のもはや常連でもある中村達也の悪役全開にワンシーンで掻っ攫う存在感。
リアルに響き渡る刀の斬音?は"鉄男"から継承されたようなメタリックな鉄のゾッとする感覚、それよりも握りしめた時の軋むミシミシ、ミリミリって濁点が付く音が何よりもリアルで恐怖心を煽られる。
蒼井優を見る度に"山ちゃん"って現実を受け入れられない、信じられない!??
やっぱり、斬ってしまうのか🙇♂️
強そうだけど、
百姓の少年とチャンバラする侍
ここぞ、と言う時にでも、
棒切れで敵と闘う斬れない侍
そんな侍が戦に行くつもりだが、
刀が抜けない侍が戦で何をする。
そんな侍が、斬れない侍が逃走し、
刀を抜かすため逃げる侍に、
上司が追いかけて闘う羽目となり、
どうする。
どうなる。
そんなことに悩むより、
人斬り包丁など持たぬことだ。
そして、
どうするか、
どう生きるか、
武士道と言う人殺し作法などあってはならない。
現実逃避
志ばかり大きく
頭でっかち
目の前の喜びや美しさに気づくことなく
蜃気楼の美しさに胸焦がす
現代人にも置き換えられる
今、目の前にある喜びに
心安らぐ強さが欲しい
そう思いました
とても味わい深いお話
でも、、、
面白ければもっとよかったのに、、、
そうとも、思いました
命を奪う斬の本質
個人評価:3.6
塚本晋也の鬼気迫る演技。まさしく人の命を断てるサムライの眼光。立ち姿、所作も堂に入っている。
グロ表現も他作と違い抑え目で、刀の美しさや、人の命を奪う斬という意味の本質に迫っているとも感じる。
塚本晋也に頭が下がる、ただ作品はつまらない
前作野火は常盤貴子が自分の主演映画の舞台挨拶で野火を是非観にいってくださいと言ってしまうくらいの名作でしたが、本作は正直わるくないが人には勧められない。塚本フリークスにはある種独特の空気感が心地いいだろうが一般人に勧めにくいのが塚本作品。
低予算手弁当で映画をつくる塚本組には頭が下がります。それに賛同し素晴らしい芝居をした池松壮亮、蒼井優にも拍手。また毎回自ら出演し見事な殺陣を披露した塚本晋也監督兼俳優にも拍手。
しかし時代劇なのに現代語の台詞やら、ストーリーも決して斬新なものではない。次作に期待します。
わからんもんはわからん
色々と意味を読み取りたいし、塚本監督作品はきらじゃないんだけど、本作が面白いとは思わんかった。
セリフとかめちゃくちゃ少ないし、いきなり発狂したり。
悩みに共感できないから、重厚に演出されても、、知らねーって感じでした。
蒼井優がうるさいし池松さんはまんま池松さんだし。なんか苦悩して狂ったりされるのめっちゃ嫌いなんだな自分って初めて認識しました。
野火とか大好きな映画でしたよ。ほんとに。
監督頑張り過ぎでしょ
俳優陣の演技はいいんだけど、ストーリーが微妙。人を斬れない浪人の苦悩ってのはなんとなく感じれたけど、主人公の情報が無さすぎていまいち共感もできない。るろ剣みたいに過去の出来事から不殺の信念を貫いてるならともかく、この主人公は良く言えば平凡?山賊と酒飲めるくらいの胆力はあるけど侍としてはビビりかな。侍としての技は優れていても人としては平凡。初めから人を斬れる人はそうそういないと思うし、その平凡さが共感を呼ぶのかもしれないかな。
ラストの山中での追跡劇はもっと短くて良かったと思う。ダラダラ長過ぎ。
殺陣にしても一、二撃で決着じゃなくてもっと頑張って欲しかった。
見た感じ低予算な感じだけど、監督自ら出演して、しかも殺陣もきっちり仕上げて、頑張り過ぎだわ。
斬、新!
新しいタイプの時代劇だろうか。塚本晋也演じる浪人が一気に殺さず、地獄に行くまでの間に今までの己を思い返してください、と言い放つ。普通の時代劇だと斬られてすぐ倒れるけれど、実際は斬られても刺されてもしばらくは苦しみますよね。生々しいけど新鮮に感じた。
蒼井優はやっぱり凄い。どんな役でも出来てしまう。塚本晋也も渋くて良かった〜。個人的に昔の塚本晋也はあまり好きでなかったけど、年々渋さが増して魅力的になっていく。これからどんな映画を撮ってくれるのか楽しみ❗️
葛藤
この時代で人を斬り捨てるのは到って普通。斬れなきゃ死ぬだけ。斬って斬って斬りまくり挙げ句には誰かに斬られるでしょう。斬り合いの緊迫感は伝わったが、この作品が何を言いたいかいまいち解らない。
日本刀は武器の中で一番美しい。
人を斬ることのできない侍
幕末の農村に人を斬ることが出来ない侍(池松壮亮)がいた。
村の娘(蒼井優)とは相思相愛で、剣の腕はなかなかのものらしい。
そこへ現れたのは平気で人を斬る剣の達人(塚本晋也)、そして野盗の集団だった。
皮肉なことに斬り合いたくない主人公のせいで斬り合いが始まる。
武器は抑止力か?
『野火』が「今、脂ぎったおっさんらがやろうとしているのはこういう事...
『野火』が「今、脂ぎったおっさんらがやろうとしているのはこういう事だよ」という映画だったのに対し、その愚かな動きにストレートに抗えないこの国の苦悩を描いてるんじゃないかと思った。あと、単純に塚本版殺陣アクション映画として、非常に面白かったです。
斬というより無残、残念
何をしたいのでしょう、何を見せたいのでしょう。
殺すの怖いけど、殺されそうなら殺す、それだけ。
殺陣を見せたい割には、みんなへたくそだし、カメラを揺らしてごまかしてるし。
死人のまぶたはピクピクして、道ばたにはプラゴミ落ちてるし。
そりゃ、監督、脚本、撮影、出演で一人何役もしてるから裸の大様状態ですね。
演技指導、演出なしですから池松も蒼井優もいきいきしてました、昔の人には見れないですが。
塚本晋也監督は、何故に海外の評価が高いのか を少しだけ考えてみる
誰もが知っている事だが、塚本監督作はエンタメ色は薄い。
古い言葉で言えば、「日本アート・シアター・ギルド(ATG)」の色合が強いと私は思う。
(ATGは初期のアート系作品から後期はヒットした「家族ゲーム」を生みだしながらも、徐々に衰退した。が、その後の邦画を担う多くの映画人を育てた功績は大きい。)
だが、塚本は初期傑作「鉄男」から、アート系の色合いの強さはそのままに、その類稀な映像美で世界レベルの審美眼を持つ人々に熱狂的に受け入れられた。
私は彼が海外のアート系映画祭で受け入れられた要因はその特異な映像美であると考える。
そして、この作品である。
時代は江戸最後期、舞台はほぼ寒村。その寒村を襲う、無頼者たち。志を遂げるために腕の立つ剣士を探す塚本演じる剣客、澤村次郎左衛門。
若き剣士都築杢野進(池松壮亮)と寒村の娘ゆう(蒼井優)と侍になりたい弟、市助との関係性が淡々と描かれる。
そのトーンから一転して、澤村と都築の腕試しのシーンの迫力や澤村が無頼者たちを無表情に切り捨てるシーンの残酷ながらも魅入ってしまう妖しげな美しさ。
杢野進とゆうの壁超しの指吸いシーンのエロティックな美しさも忘れ難い。
塚本晋也の監督・脚本・撮影・編集・制作 という一人でどこまでやるの?という部分も含めて、塚本ワールド全開であるし、その特異な暴力的な映像美が海外では評価されるのであろうなあ、と思った作品である。
<2018年12月6日 出張先にある映画製作に熱心な街のミニシアターにて鑑賞>
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