劇場公開日 2019年6月21日

「ストーリーが雑」ザ・ファブル Yuriさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ストーリーが雑

2021年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

原作を読んだ者としては、作りが雑だと思わざるを得ない。
アキラにしてもヨーコにしても、キャラについてはほとんど深く掘り下げれておらず、行動の必然性が映画では全く見えてこない。原作を読んでいれば分かるが、映画から見る人は面食らうのではないか。貝沼にしても、ミサキにしても、全く背景がわからず、表面だけなぞって、戦闘シーンだけを長々と見せる手腕にウンザリする。脚本の甘さが問題である。

演技の面で見ると、岡田准一にようなイケメンがアキラ?!と驚くが、岡田准一もいい感じにおじさんに成熟していて、かつ役に応じて鍛えておられるのでだんだん馴染んできた。原作ではただ笑うしかない全裸の場面も、岡田にかかればサービスショットになるのは意外だった。そこはエンタメとしてはしてやったり、なのだろう。韓流の影響かもしれない。
秀逸なのは柳楽優弥の狂気の演技と、安田顕のヤクザの親分の感情を抑えた渋い演技。説得力がある。殺し屋としての福士蒼汰の狂気もなかなか良かったが、アキラの好敵手にするには映画では説明不足。

ヨーコの描かれ方はずいぶん軽いし、ミサキも表面的すぎて、もっと肉感的で意志の強い女性として2人は描かれるべきではなかったかとおもう。監督がもつアクション映画における女性イメージの軽さが、よく分かった演出だった。とても残念に思う。チャラ男の藤森は完璧だったが、あのシーンの意味が分かるのは原作を読んだものだけじゃないだろうか。

結論は、この映画は原作が好きすぎる人によって映像化された作品で、原作を知らない観客に対しては圧倒的に説明不足な作品であった、ということである。アクション映画とはいえあんなに多くの人を殺すシーンが必要だったんだろうか?最初もそうだが、最後も不要。必然性が感じられなかった。それよりは人物描写を丁寧にしてほしかった。

Yuri