「『ロッキー4』の邦題にある“友情”って誰のことだと疑問に思っていたが、この映画によって判明したかも・・・」クリード 炎の宿敵 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
『ロッキー4』の邦題にある“友情”って誰のことだと疑問に思っていたが、この映画によって判明したかも・・・
普通に考えれば、ロッキーとアポロなんだろうけど、もしやロッキーとポーリー?とも思えるし、どうも腑に落ちなかった。ところが30年ぶりに出演するドラゴがそのまま『エクスペンダブルズ』繋がりでスタローンと仲が良いことがわかった。そう、あの“炎の友情”ってのはロッキーとドラゴのことだったに違いない!と妙に納得してしまいました。
エクスペンタブルズと言えば、日本では未公開だった『エクスペンダブル・レディズ』という作品の悪役にスタローンの元妻ブリジット・ニールセンが出演していた。かなり憎たらしい悪役の印象が残ってるのですが、今作にもドラゴの元妻役として登場しています。夫と息子を捨てたという設定なので、明らかに悪人!(笑)。息子ヴィクターが世界タイトルに挑戦するとわかってからノコノコと姿を現すという性悪女。これがまた、クリード側の家族とは正反対に描かれているので、もしかしたらクリードとヴィクターとの再戦の結果は“母親”によって決まったんじゃないかと思えるほどでした。ダウンしても「立て、立て」と声援を送る母親(実際は嫁)と、負けそうになるとトットと退場してしまう母親として・・・。こんなに嫌なキャラをよく引き受けたもんだと、逆にエールを送りたくなります。
前作『クリード チャンプを継ぐ男』が限りなく初代『ロッキー』にセルフオマージュを捧げていたのですが、今作では『ロッキー2』から『ロッキー4』までを一気に片づけてしまった感がありました。ドラゴも結構な年齢を重ねているので、ロッキーに対しては友情しか感じていないような雰囲気でした。だから、店にも写真が貼ってなくて悲しそうだったし、最後にタオルを投げ込むところにはそれこそロッキーへの友情を感じて胸熱になってしまいました。
ロッキーは癌に冒されているし、よぼよぼとも思えるほど動きが鈍い。弟子が危険な状態になっていても、テレビを観ながら「そこ、カウンターだ」などと声に出す程度。死んだアポロにタオルを投げられなかったことを悔やんでもいるし、最初の戦いにセコンドとして出ていたらどうなっていたのか・・・ストーリー的に難しいので拒否したとしか思えませんでした。
またしてもクライマックス10Rにはロッキーのテーマ曲も流れるのですが、なぜだか印象に残るのはテッサ・トンプソンの曲。進行性難聴でも曲が作れるじゃん!と、『アリー スター誕生』のブラッドリー・クーパーが人間的に弱いんじゃないかと思い出してしまった。