銃のレビュー・感想・評価
全57件中、41~57件目を表示
好きになれないけど面白かった
どうも好きになれない作品だったけれど、結構面白いと思ってしまった。今どきを描いていると見て取れるのに今どきどうなのという演出が多くて何だか嫌で、シナリオとかも不自然さをすごく感じてしまったけれど、己の世界をとことん貫くと言わんばかりのナルシシズムを追求した絵づくりや音の演出が巧みで、かなり見入ってしまった。
負の願望は虚構の中で消化して、現実世界を生き抜いていこう!とは思えなかった…ラストも悲しいかな結構スッキリだったし…だから面白いと思えたのかな。実に巧妙な作品だ。
やっと世界は色付いたのに。
武曲の延長線上みたいな価値観かな?と思いました。あのとき死に魅了された少年が、現実に折り合いをつけられないまま、「銃」に出会ってしまった。そんなイメージ。
なにも起きないけど、たまに揺れるくらいの安全な綱渡りをしていたら、たまにはドキッとする目に遭いたいかもしれないし、思いきって下に堕ちてみたいかもしれないし、しがみついてみたくなるかもしれない。
きっと誰にもあること。
私は、たまたま「銃」を拾ったことはないけど、トオルは拾ってしまったからこうなった。
そのくらい、きっと、うっすい壁たった一枚向こうの話。
現実の象徴のような、平和な親友くんや、恋人候補のユウコの知らないところで、焦燥感で狂っていくトオルが美しかった!
リリーさん演じる刑事は、トオルをこっちの世界に繋ぎ止めようとしてるのに、私もトオルの気持ちが伝染してしまったのか、その言葉は、心臓を直接撫でるように、じっとりと気味悪い響きをもって聞こえる。
ラストシーン、トオルは自分の欲を果たして、モノクロの味気ない世界から解放されたはずなのに。
一気に彼の魔法は解けてしまった。
あのラストめちゃくちゃ好きでした。何回思い出しても落ち込める。
ムラジュンさんがあの役をやったことで、虹郎くんが虹郎くんになった気がします。何目線だよって話ですが。
中村文則さんは、たしか彼女の指を持ち歩く話を購入して、読みづらくて断念したくらいの知識しかないのですが、
結構中村ワールド再現されてますよね...?暗くて淡々としたかんじ。
難しくて読まず嫌いになりそうだったんですけど、小説も興味深く読めそうです~!
残念だが不完全燃焼に終わった
親に捨てられ孤児院で育った大学生(村上虹郎)が銃を拾った。同じ大学の女子(広瀬アリス)といい仲になるかと思いきや、内に巣食った狂気の暴走が止まらなかった。
まずはアリスの魅力を撮りきれずファンとしては残念。虹郎と関係をもつスレンダーの日南響子が印象に残った。そして、実にいやらしい刑事を演じたリリー・フランキーやら、虹郎とお父さん(村上淳)の共演やら見どころはあるものの、作品としては今ひとつ深みに欠けると思う。
やっぱ中途半端な狂気では満足できない。とことん壊して欲しかった。
渇いた雰囲気漂わせるB級映画だが。
魅せるエンタメ性は無く、初期の塚本晋也風で、ちょっとこんな撮り方したらどうよ感が空回り。少しひいた状態での撮りでエキストラ的な人物達の会話もわざわざ入れ、こいつらにも何かあると思わせて、結果的に大した役割で無かったという思わせぶりも多用するとちょっとシラケる。さらに、ほぼモノクロにして何の意味がある?。で最後に、あ、ここでカラーねって、いやいやそれ程効果無いって。モノクロにした事で、携帯のLINE文が見えにくく、エロいシーンも残念な事に。さらに、クレジット中の電車内音含め、思わせぶり&狙い過ぎが観ててシンドかった。
リリーフランキー使えば、そりゃ多少の良作に見えますわ。さらにカラーだったら、も少し好評価かな。
昭和のATG映画のよう
個性的な作品ではあるし、見応えもあるが、
物足りなさもかなりありました。
私の理解力の欠如かもしれませんが、
空想なのか、現実なのかラストの意味が分かりにくかったです。
好みは分かれる作品でした。
とても面白かった。
村上虹郎の演技は非常に良くて、次第に狂気に代わっていくとろこが実にうまい!
すごくリアリティがあり、私達も、もしひょんなことから銃を手にしてしまったら、こういう風になるのかもしれないと怖くなる。
モノクロの映像が作品の世界観にピッタリで、手から宝物や幸せがこぼれ落ちていく様をあのように表現して、しかもそこだけ色がつくなんて、なんて憎い演出と思ってしまった。弾丸があんなにも芸術的に描けるのかと、鳥肌が立った。ただ、朝早い回に見に行ったせいか、観客が少ないのが気になった。皆さん、面白いですよ。
☆☆☆★★ 原作読了済み。簡単に。 私は戸惑っていた。私はこの作者...
☆☆☆★★
原作読了済み。簡単に。
私は戸惑っていた。私はこの作者の小説を読んだのは初めてだったのだが、私はこれ程までに読みづらい小説を読んだ事が無かったのだ。私は一体どうしてしまったなら、こんな小説になってしまうのか?を考えていた。とにかく私は、ここまで改行も為されない小説を読む苦行を味わった事が無かったのだ。だが、同時に。私はここまでの熱量の凄い小説もまた、読んだ事が無かったのだ。
原作は絶えず「私は…」のフレーズが続いて行く一人称形式で語られて行く。
普段は無気力な若者が、或る日に本物の銃を手にした事から。自分の中に吹き溜まっていた《何か》に突き動かされて行く物語。
映像化では、その「私は…」が現代風に「俺は…」へと変化していた。
映画が始まって、画面が終始モノクロだったのは意外だったのですが。案外と悪くなく、ほとんど原作通りに進行して行く。
ただ、内容を知りながらの鑑賞の為に、まだついて行きやすかのですが。何分にも、淡々とした映像が続いて行くだけに。段々と落ち掛けてしまい…。
原作を読んでいた際に。1番面白く感じた刑事とのやり取り。
(本の帯に映画化と有り)出演者に、リリーフランキーの名前が有ったので。読んでいて、おそらくこの役はリリーだろうと思い。ここが1番の見所だな?と思っていたのに。不覚にもその場面で少しばかり落ちるΣ(-᷅_-᷄๑)
う〜ん残念無念!
そして最後の暴力場面。原作を読んでいても、熱量を感じる場面でしたが…なるほどね!その為のモノクロ。更には親子共演でニヤっとさせられた。
出演者では、主人公の村上虹郎が。これまで観て来たなかでは、1番良かったし。
広瀬アリスは。段々と、自身の中に有る資質の様なモノを確立しつつあるのが分かる。
ただ、それよりも。この作品に於いては。日南響子の裸体の眩しさに、思わずクラクラしてしまった印象が1番強く残る。
2018年11月18日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン4
over dose
幼い頃に実の親に捨てられて養父母に育てられた大学生が、ある日河原で死体と共に転がる拳銃をみつけ持ち帰り、拳銃に魅了されていく話。
銃というモノであり、力であり、スリルであり背徳感のあるものを手に入れたことにより、強くなった気になると共に自信を持った主人公がズレて行く様子はなかなか見応えある。
しかし冒頭でいきなり銃を手にしてしまっていることや、元々の個性としてのものや稚拙さから来るものとの差がわかりにくい感じもあって変化が少なくも感じた。
事前に情報持っていなかったから親子共演は高まった。
人を殺すとね、普通の理性ではいられないそうですよ。
ある時偶然に拳銃を拾うところから物語は始まる。モノクロの画面が、この話は現実離れした出来事だから心配しなくいいよ、と語りかけてくるようだ。しかし、拾った西川を演じる村上虹郎の熱量が、いやもしかして現実?の気分を起こさせる。虹郎はべつに過演出の演技をするわけでもないが、彼独特のたたずまいがなにか不穏さを醸し出してきてたまらなかった。
その彼が、徐々に大胆になっていく。まるで、柵のない崖の際で、どこまで端っこに立っていられるかの狂気を味わうように。そう、それは妖刀を手にした素浪人のようだ。そして、ようやくそのざわめきに慣れてきた頃に、今度はリリーフランキーがやってきて、無事で済みそうな空気をまたぐりぐりかき回し始める。警官、アリス演じる女学生、隣の母親、トースト女、ああ、もしかしたらこの誰かを、誰かを、誰かを、、、。息が詰まったところでのラストシーン。おいおいこの人だすかよ、とニヤけるが、それもつかの間。ああやはりそうなるか、そうなるよな、やはり。やはり。
いいように感情を振り回された映画だった。
舞台挨拶付き。山本耀司氏(かな?)の服をまとって登場した村上虹郎は、まさに何度も職質をされそうなファッション。そのいで立ちとは対象に、檀上の彼は終始ほかの共演者を気遣う好青年だった。あのタイプは、先輩から可愛がられ、女にモテる。
ただね、はじめ弾倉を確認したときに、6発全部詰まっていたよね?それはないでしょ。一発撃って死んでるんだから。
【追記】
・・・と書きました。が、コメント欄でご指摘いただいたように残るそうです。知りませんでした。厚顔にも人に言うところでした。勘違いに気をつけましょう。(なので、ネタバレ解除。☆追加)
主人公は 闇が薄い
まず 前半の山場が 無さすぎ!
前半のシーンが 終盤になって効いてくるタイプかな?と思ったが そんなに盛りあがらない。
広瀬アリスの役が セフレの対比にしたいぽっいけど 微妙!
あと、セックスしすぎ!主人公が 恵まれない環境を演出したいなら モテない設定の方が良いのでは?
主人公の闇のオーラに惹きつけてられて モテるなら 分かるけど、これじゃ顔が良いから モテてるになってる。
バイトしてないのに 昼飯 カツカレー食べてるし!しかも 白シャツで!
全体的に 主人公が 闇に堕ちてくのも かわいそうと思えなかった
目の演技がすごい!
虹郎君の演技をちゃんと見るのは初めてでしたが、目で全てを表現してる感じに、釘付けになり痺れました。
特にリリーフランキーとの掛け合いは、圧巻でした。
ストーリー自体は、多分こうなるんだろうなーと思った通りの、予定調和的な展開で、それ程新鮮味もありませんでした。あと広瀬アリスの演技だけ、ホームドラマみたいで、浮いた感じでした(´口`)↓︎↓︎
村上淳の登場の仕方が、衝撃ですね(笑)
動物虐待のシーンが出てくるので、そこがちょっと減点ポイントです。
どんどん狂っていくのに、怖くなかった
原作が好きで見たつもりだったが、原作見てなかったー笑というわけで、見た後すぐ買いました。虹郎くんがどんどん狂ってくのがすごかったなー若いのに、すごいなーと思いました。狂気の話なんだけど、そんなに怖くなくて、なんか惹かれるものがあった映画でした。みんなどっかにダークサイド。だから、そこまで理解できないってならないのかも。
曖昧な線引き
僕たちは常に曖昧な線引きのエッジの上に立っている。
こんなやつ、殺しちゃえ。
こいつとやりたい。
こいつは、大切にしてやりたい。
大なり小なり、誰もが心の中に抑え込んでいる衝動だ。だが、その線引きは実は曖昧で、ロジックなんて無い。
圧倒的な力を手にする前後の自分も同じだ。
正義と思い込んでいても、圧倒的に感情が支配する。引鉄を引くか否かも同様だ。
そして、力を隠した理性が、ふと、衝動の引鉄を引くこともある、内側に隠れていた自分が現れて…。
そう、理性も、感情も、衝動も、実は線引きは曖昧なのだ。そんなアンバランスなものの上に立った正義も同じだ。
中村文則の雰囲気だけ
中村文則のデビュー作の映画化です。川原で自殺した男の銃を拾った大学生が、銃を持つことで変わって行く姿を描いています。同じ大学の女子大生と付き合いながら、合コンで知り合った女とセックスし、衝動的に猫を撃ち、その事で刑事が訪ねて来て、やがて隣の子供を虐待する母親を殺そうとして、最終的には身を滅ぼしていきます。比較的原作に忠実に映像化されているようですが、中村文則の小説に比べると表面的で、中村文則の雰囲気だけという感じで、全編モノクロで最後だけカラーになる当たりも自己満足的に感じました。初日の2回目の上映を鑑賞しましたが、観客が自分一人というのは初めてでした。
ずっと張り詰めた空気感が漂い、目が離せない!
東京国際映画祭にて鑑賞。
ヒリヒリした雰囲気が漂う作品で、銃を持ったトオルがどうなるんだろうとドキドキしながら観た。
村上虹郎さんの演技は圧巻。本当にうまい!
すごくリアリティがあり、銃を手にしてしまったら、こういう風になるのか、、と怖くなる。
モノクロの映像が作品の世界観にピッタリ。
全57件中、41~57件目を表示