蜘蛛の巣を払う女のレビュー・感想・評価
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新しいリスベットの誕生
やはりリスベットはルーニー・マーラ!という人は多いと思います。かく言う私もその一人です。
が、クレア・フォイは本作で新しいリスベットを演じきったと思います。パンフレットに書かれていましたが、「飾ることのないリスベットだからこそ自分も飾らずに=メイクをせずに作品に挑んだ」というのは、まだ若いクレアにとっては挑戦だったろうなと思います。
ストーリー自体はそこまで目新しくないのですが、今までとは異なり「人間らしさ」を捨てきれないリスベットが描かれているところが個人的に気に入ったとことでした。最後のリスベットとカミラの会話のシーンは今まで見えなかったリスベットの「弱さ」が垣間見られ、とても印象に残っています。
一方で予告で使われていた橋向こうのカミラがアップで映るシーンがカットされていたこと、カミラの顔の傷ももっとわかりやすく「傷」としてメイクしてほしかったので★マイナス1です。
もし続編が作られるのであれば何度もリスベットのイメージが変わるの嫌なので、クレア・フォイに続投してほしいです(笑)
リスベットが意外とかわいい。
今回のリスベット役の女優さんは
パッチリした大きな目と刈り上げヘアーで色も白くて
なかなか可愛いらしかったです。
子供の前で見せる母性やミカエルの前でかいま見せる女の表情が
これまでのリスベットとには無い可愛いさで正直、惚れてまうやろ…
彼女から鬼気迫るような異常性、闇、人を寄せ付けないようなオーラ
は弱く感じられましたが、こんな親近感を漂わせるタイプのリスベットも意外と良かったです。
ところで、ランボルギーニが超かっこよかった。
あの男の子がかっこいいクルマに無意識に反応するシーンが
妙に印象に残りました。
それからのリスベットの判断がなんとも優しいやん。
今回はドラゴンのタトゥーまでもが優しく見えてしまいました。
リスベットをジェームズ・ボンドに仕立てたいのだろうが
「ドラゴン・タトゥーの女」(2011)の続編である。デビッド・フィンチャー監督は製作・総指揮に下がり、ルーニー・マーラも、ダニエル・クレイグもいない。フィンチャー版オープニングの「移民の歌」(トレント・レズナーとカレンOによるカバー)の強烈な印象を超えるのは不可能だし、続編は酷といえば酷。
監督は、フェデ・アルバレス。盲目の老人と強盗が暗闇密室で闘うスリラー映画「ドント・ブリーズ」(2016)を作った注目の人だ。さらに本作は原作小説の「ミレニアム」3部作のハリウッド版ではなく、第2部と第3部を飛ばして、いきなり4作目の「蜘蛛の巣~」の映画化である。
すでにスウェーデン版3部作があるからというより、完璧で有名すぎる3部作からの脱却を図りたいのかも。それほどまでにリスベット・サランデルというキャラクターは魅力的なのだが、すでに3部作の原作者スティーグ・ラーソンは亡くなっているので、この第4作からはデヴィッド・ラーゲルクランツが執筆している。
それにしてもミステリーとしては凡庸すぎる。キャラクターの前日譚というのも安易だし、"核兵器の脅威"を持ち出すのが才能が無さすぎる。もう飽きたよ、それは・・・。
今回は、ドラゴン・タトゥーの女こと、リスベット・サランデルが主役となり、弱者を助ける正義のオンナになった。ミステリーというより、これはコロムビア×MGM映画の意向なのか、"オンナ版ジェームズ・ボンド(007)"的なノリになっている。総じてビジネス臭が濃すぎる。
リスベットを演じるのは、クレア・フォイ。原作のリスベット="少年と見紛うような小柄な女性"のイメージをうまく引き継いでいて、ルーニー・マーラから違和感なく観られる。ここは安心。
ただ、前作でダニエル・クレイグが演じた、記者ミカエル役のスベリル・グドナソンが問題。「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」(2018)で、ビヨン・ボルグを演じていた俳優だが、本作のミカエルは、前作より存在感が弱く、むろんダニエル・クレイグには到底及ばない。
また、前作エンディングでリスベットがミカエルに恋心を抱く感じがよかったのに、そのあたりの経緯が繋がっていない。ここを描いて欲しかった。いちおう恋人(バイセクシャル)のはず。
もしシリーズが続いていくなら、観るとは思うが、いまのところ可もなく・・・。
(2018/1/12/TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:松浦美奈)
原作好きです
映画スウェーデン版「ミレニアム三部作」とフィンチャー版「ドラゴン・タトゥーの女」は鑑賞済、原作「ミレニアム1.2.3」は読了、「蜘蛛の巣を払う女」は未読です。
私は原作が一番好きですが、映画で原作に一番近いのは内容的にも雰囲気的にもやはりスウェーデン版かと思います。そもそも「ドラゴン・タトゥーの女」の原題が「女を憎む男達」であり、女性への暴力と権力構造(主に男性)の繋がりを暴いていく内容なので、原作者の意図としては少なからず社会に対する問題提議があるかと思います。原作を読んでリスベットは、DVや幼児性愛への怒り、つまり全ての女性達の怒りを体現したものと感じていました。
フィンチャー版で物足りなく感じたのは、リスベットとミカエルの関係にフォーカスし過ぎてしまって、原作の意図とずれてしまっていたところにありました。曖昧な記憶ですが、原作の持つメッセージ性が弱かった様な気がします。
今作はアクション色が強くても、女性へのDV、虐待の部分についてはしっかりと描かれていたと思いますし、リスベットとミカエルの距離感も違和感がありませんでした。彼らは恋愛で結ばれているのではなく、信頼で結ばれていますので。
リスベットもカミラもDV、虐待の被害者ですが、お互いがお互いを憎しみあっていました。母親と娘でも似た様な例があるのではないでしょうか。この部分が、女性同士が何かと対決させられて、根本が誤魔化されてしまっている社会の風潮と重なってみえました。
強さと脆さ
絶対に自分好みの作品だと思っていて、期待通りでした。
サスペンス?ミステリー?の枠組みなのかもしれませんが、アクションの要素が強いと思います。なので凄く見やすかったです。
バイクや車のアクションも印象に残りました。
アウグストが乗りたがる真っ黒の車は、なんだかバットモービルかと思いました笑
バイクアクションもカッコ良かったです。
あと橋でカミラと再会するカットや最後の過去と決別するリスベットのカットは凄くカッコ良かったです。
リスベットがアウグストに優しいのはやはり過去の自分と照らし合わせたのでしょうか。
この作品の良さはリスベットの強さと脆さにあると思います。
相手の動きを読んだり咄嗟の判断で危機を脱する凄腕を見せ見た目からもクールな人物かと思えば、アウグストに優しかったり過去のトラウマ?でうなされたり人間味のある面もある。その辺りを楽しめれば良いと思います。
ドラゴンタトゥーの女の続編ではありますが、「前作を見てないと分からない」なんてことはなく見やすい作品でした。
いっそのこと、タイトル変えた方が良かったと思う
ダイナミズムではM:Iに引けを取るものの、答えを引っ張らないスピード感がスカッとしてて、面白かった!
凍結路面を、DUCATIやマットブラックのランボルギーニでぶっ飛ばすだけでも痺れる。パスコードが因数とかハッカーなら直ぐに解けるでしょとか、一点からの電波・電磁波じゃ三次元のスキャンもモーキャプも無理だとか、見ながらツッコミまくってしまうけど、パスコードは息子だったのかと言う意外性や、狙撃で吹っ飛ばす様がカッコ良かったので許せる。
虐げられる女性の救世主と言う設定は、ラストにつなげるために必要なんでしょうが、この展開からは、むしろ萎えるかなぁ、って思いました。
因みに、原作の世界観から、ちょっとそれ過ぎって事は無いですか?
追記
舞台は凍ったストックホルムで、モノクロームの世界。暗いです。姉妹の確執も描かれています。心理劇もあります。しかし、本当に不思議なんですが、ダークさが希薄。「蜘蛛の巣感」が無い、なぜか。多分、リスベットが超人化されすぎたからだと思う。
ちなみに、「蜘蛛の巣を払う」のは、蜘蛛の巣に命を奪われることのない、蜘蛛よりも遥かに大型の生物の動作。in the spider's webは、蜘蛛の巣に捕らわれる立場の、小さな生物からの視点です。この邦題、根本的に間違ってますよ!
ハッカーが万能すぎてなぁ
色んな勢力が同時に動きながらも、こんがらがる事はなく分かりやすい演出だったのでは。
北欧(?)的な寒々しい絵作りもうまかった。
けどもさ、
敵対勢力との駆け引きで事態が動く時はだいたい逆探知かSFレベルの遠隔操作だし、例の真空パックからの脱出も力ずくってのは、ちょっと芸がなすぎるでしょ。
謎解きも裏切りもアッと驚く事がなかったし、リスベットとミカエルの連携も今ひとつだった気がする。
原作が代筆で完成しているって事だし、予想通り前作(本国版)は超えられなかったな。
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