「過去はブラックホールに似てる」蜘蛛の巣を払う女 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
過去はブラックホールに似てる
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映画「蜘蛛の巣を払う女」(フェデ・アルバレス監督)から。
メモを振り返ったら、ある少年が何度も口にする
「お母さんのところに戻りたい」というフレーズが
何回か書かれていたので、少々気になったが、
核攻撃のシステムプログラムを開く暗号文
「馬は平原で静かに立つ」「今年は雪が早い」も気になった。
しかも主人公とは別に、この事件の鍵を握る少年の存在が、
どうしても頭から離れなかった。
例えば、プログラムの開け方を知っている、ただ1人の少年が、
目の前で母親を殺され、意気消沈していると思われたところ、
怯えることなく、冷静にこう答えた。
「お父さんは言った。過去はブラックホールに似てる。
近づきすぎると、取り込まれて消えてしまう」と。
そして、最後に「僕は消えたくない」とまで。
これには驚いたけれど、この例えが妙に引っかかった。
あまり過去ばかりにこだわっていると、自分というものを見失う。
だから、母絵が亡くなっても、悲しんでばかりではダメだ。
自分を失くしたくなければ、前を向いて歩け」
・・そんな教訓にもとれた例えであったからだ。
そのフレーズの意味は、物語全体を通して感じられたし、
16年前に別れた双子の姉妹が、過去となって存在する展開に、
過去に近づきすぎると危ないな・・と頷いた。
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