エリック・クラプトン 12小節の人生のレビュー・感想・評価
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辛ぇなぁ。
私個人の話ですが、今年に入って妻と別れて2人の子供の親権を取得し、...
若き頃の劣等感をギター愛で見事に実りある人生に結実させた稀有な男の人生物語
泣くな!
壮絶な人生と泣かせるギターの音色
学生時代から聴いていて何という音色のギターなんだろうと不思議だったクラプトン!心に突き刺さるようなピッキングのサウンド、その秘密が分かる気がしました。ジョージハリソンの奥さんとの関係や息子さんの死など知らなかった壮絶な人生と音楽でした。Tears in heaven は涙なくては聴けませんでした。神さまが与えたメロディーと歌詞そして心に突き刺さるようなあのギターの音です!
栄光と挫折
実話ということが。。
天国と地獄の人生。
僕がはじめてクラプトンと出会ったのは「マネー&シガレット」だった。当然、情熱的な「レイラ」は知っていて、おまけにギターテクの評判がさきに耳に届いていたので、どれほどギュインギュインいわせるメロディー(当時はそれがかっこよかったのだ)を聞かせてくれるのかと思いきや、僕の勝手な予想に反したブルースのアルバムで、正直期待外れだったのを覚えている。今ではその渋さがたまらないが若い僕にはその良さがわからなかった。その後の、大学教授然(例えばアンプラグドのときとかの)とした風貌から、酒と女で人生を持ち崩した過去を聞かされても信じることはできなかった。それが、僕のクラプトンのイメージだった。
この映画は、様々な失敗を繰り返して、今の姿にたどり着いたクラプトンのドキュメンタリー。幼いころからの映像が多く残されているのが印象的。複雑な家庭環境ゆえの価値観から、地の底まで転げ落ちた過去を持つ。だけど、それを言い訳にして悪人になり切れないところがクラプトンなのだなあ。しっかりと起承転結で結ばれていて、転の時代でのパティとのいきさつ(つまり「レイラ」)は、もう少し泥臭く、しがみついた幸福だと思っていたので、むしろ幸せをつかみ損ねてばかりのクラプトンに、同情の気分が強まった。
ラスト、ステージ上のBBキングにあのセリフを言わせるクラプトンこそが、真のクラプトンなのだろう。その言葉を聞いてはにかむ彼は、人格者にしか見えなかった。
壮絶……というかクラプトンて
壮絶というより、ほんとエリック・クラプトンて人は繊細な人なんだなという思い。
天才あるあるなのかもしれないが。
そして、そういう人にこそ色々な苦難が降りかかるもので。
そして、自ら(望んだわけではなかろうが)面倒な状況に突っ込んで行く。
それでも、やはり彼には音楽への思いがあり、何よりギターの才能があった。
だからこそ、みんな彼を見捨てなかった。
リスペクトは強し。
個人的には、ジョージ・ハリソンとの関係をもう少し掘り下げて欲しかったが……
でも、片やもう居ない人との関わりを、クラプトン側からだけあまりにも言い募るのもどうかな、という向きもあったのかしら……
かなり長いので、もう少しだけコンパクトにした方が見やすかったかなとも。
写真を使ってみせる音楽シーンなど、やや冗長(音楽は聴きたいけど)なところも。
でも、なんせクラプトンの人生(まだご存命ですが)のポイントを、これ1本で大体なぞれるし、本人自ら語っている信頼性の高さもあるし、観て損なし。
観てから、外で売ってたクラプトン全集的なの読むと分かりやすそう。
「自殺しなかったのは、死んだら酒が飲めなくなるから。それくらい酒を愛してた」
て、名言か!なんかかっこよくさえ聞こえる!
て感じですが、これが、アルコール依存の怖さなんだろな。
初めて知りました
エリックの壮絶な人生。
初めて知りました!
ビックリ‼️
最後は、意外な展開になっていて、
ハラハラドキドキは、
どうなったんだか??
生存者のインタビュー満載で
ドキュメンタリー好きなわたしには
最高の映画でした。
ロックンロールやブルースの基本は12小節♪♪
Key in AでADAADDAAEDAEの12小節、中には16小節パターンもあるが、ほとんどがコレだ。軽音楽部でギター、ベース、ドラムが揃うと、まず始めるのがクリームの「Crossroads」。クロスロードのリズムじゃなくても、ブルースコード進行でセッションを開始するのが通例だ。先輩から後輩へと最初に継承するのがこのコード進行・・・ああ懐かしい。エリック・クラプトンやジミ・ヘンドリックスを知らなくても、この曲だけは知ってるというミュージシャンも多いはず。
クラプトン自らが残そうと思ったドキュメンタリー映画。壮絶な浮き沈みの激しい半生を描いているのだが、ジョージ・ハリソンの妻パティへの横恋慕を中心に恥ずかしげもなく多くの恋愛についても語っている。面白いのはパティ本人もナレーションで参加しているので、70年前後を回顧して楽しんでる雰囲気も味わえる。
さらにはドラッグ漬けやアルコール中毒になったことも告白し、クリームの成功という過去の栄光にすがって観客と喧嘩したり、コンサートを30分で切り上げたりだとか、赤裸々に語り、相当問題児だったことも映画によってわかった。ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックとともに世界三大ギタリストの一人、また“ギターの神様”、“ミスター・スローハンド”とも呼ばれるクラプトン。遠い目で見てしまっていたので、これだけヤク中アル中の時期があったとは気づきませんでした。
序盤の生い立ちについては後々にも語られる、母親との仲が印象的、衝撃的だった以外はさほど面白くもない。徐々にギターにのめり込んでいって、ヤードバーズ、クリーム、デレク&ザ・ドミノスという最盛期を迎える。映像ではビートルズ、ミック・ジャガー、ジミヘン、アレサ・フランクリンといった大物とのツーショットが嬉しいし、音質も良いのだ。インド悲劇を自分とパティに例えた「Lyla」の完成、ジミヘン、デュアン・オールマンの死の辺りからだろうか、クラプトンの人生は堕ちていく。
映画では「I Shot The Sheliff」でナンバー1を獲得したことに触れてなかったが、やはり当時も浮き沈みが激しかったのだろうと推測できる。ようやく地獄から這い上がってきたのが、息子コナーが転落死して作られた曲「Tears In Heaven」が売れたときなのだろう。考えてみると苦難を乗り越える度に強くなっていたんだなぁ。
『ボヘミアン・ラプソディ』の序盤、BIBIの店が映し出された時にかかっていた曲がクリームの「Sunshine of Your Love」。映画って繋がってるんだな~と感じたものですが、この作品の最後には慈善事業で薬物とアルコール依存症者のためのクロスロード・センターを設立し、自分のギターをオークションに出したエピソードが紹介されていた。いま、ブライアン・メイもサンゴ礁を守るため沖縄辺野古の埋め立て工事中止を求める請願署名を呼びかけたり、アナグマ保護のチャリティのために愛用ギターをオークションに出すほど環境保護に積極的だったりする。
とにかく、“12小節”というタイトルが好きです。ブルースに生きた60年代のクラプトン。90年代以降グラミー賞などの栄光もこのブルースに生きた時代があってこそのもの。波乱万丈の12小節を繰り返してこそ、生まれたものではないでしょうか。ただし、本人参加のドキュメンタリーということもあって、編集は雑。彼の死後にマーティン・スコセッシあたりが撮ると最高傑作になりそうです。
永遠+1日
自分の伝記を監修するという、自己顕示欲の塊のようでいて、実は事実に忠実でいようとする誠実さも又、チャーミングな人柄なんだろうと思わせる作品である。
それにしても、“クイーン”といい、今作品といい、自分が好きな曲が出てこないという憂き目に遭うのは、自分は相当マイナーなのかもしれないとガッカリさせられるw 『Change The World』好きなんだけどなぁ・・・
パティ・ボイドの可愛さは群を抜いている。そりゃ、あんなしでかしもするんだろうね。
自信の生い立ち、母親の仕打ち、息子の死も含めて、この人の数奇な運命みたいなものを丁寧に鑑賞できる作品だ。いずれにせよ、神様はこの人に類い希なるギターのインスピレーションを与えたことに感謝したい。
それにしても、“While My Guitar Gently Weeps”はいい曲だね!
時代を眺める
スーパースター🎸✨
クラプトンの視点から、自身の内面から、絵描かれているサイレント映画の様な、私的で詩的なドキュメンタリー映画だった。
生みの母親の非常さの理解には苦しむが、
自身の選択した人生と、自身が得た、新たな家族を死守する事に必死だった事は想像に難くない。
当時の音楽状況を交えながら、名声を得ていく過程で、彩り成される、名だたる超ビックスター陣の映像と同時に、その方々が
目標でもあり、身近なライバルでもあったのかと思うと、その心境がいかばかりかなのか、と思った。
大枚と酒やドラッグ、車や女、繊細さと大胆さ、才能と生い立ち、大きな振り幅の中で
スーパースターが、良くも悪しくも
スーパースター然と、
煌めいていられた時代。
曲をフルサイズで聞けないジレンマがややあるのものの、それも今のクラプトン自身かその曲に対する思い入れに対しての長さ、なのかもとも後で思った。が、後半位で、生まれたての‘’レイラ‘’のイントロを聞けた時は、得した気分だった。
世代が下なので、デビュー後の狂乱が画面のこちら側に、常にあった事を、想像するしかなかったが、クラプトンが見た世界をまんま絵描かれていのだと思う。同世代〜上の世代のファンには特に、それ以外のファンにも釘付けのドキュメントだと思う。
コナーくんの可愛さ、愛くるしさ、またその存在の大きさ。おもちゃのギターをかかえる姿が印象的だった。
ドラッグで命を落とすミュージシャンがいる中、生きながらえたのは、皮肉にも丈夫な身体で母親が産んでくれた事、人が生きていく上で最低限必要な、きれい過ぎないという意味での汚さや、強さ、その時々にクラプトンを支える、女性との恵まれた出会い、もあったと思うが、それよりも、離れる事が無く、深く音楽を愛していた事と、絶望の中にも一縷の望みを、他でもない音楽に見い出せたから、ではないのだろうか。
きっと命の長さは神や音楽の神様が決めるところなのだろうと思うけれど。
よく50年代位のハリウッドのスーパースター女優を「天使でもあり、悪魔でもないとなれない。」と言うのを聞いたが、大御所のミュージシャンもまた然り、なのではと思う。
ただでは与えられないだろう大きな才能と、人生の苦悩を共に与えられて生まれた、正真正銘の世界的なスーパースターの
一人、なんだと、改めて感じた一時だった。
晩年に静かに人生を肯定する
「ボヘミアン・ラプソディー」のような「事実をもとにしたフィクション」ではなく、これはドキュメンタリー・フィルム。従って、「ボヘミアン〜」のようなドラマチックなストーリーや作られた演出はない。それでも、エリック・クラプトンの起伏に富んだ音楽人生は、ヘタなドラマよりも面白い。
前半はブルースという、メインストリームではないジャンルから出発したクラプトンが、いかにメジャーとなったか、という音楽的な変遷が中心。ヤードバーズ、クリームでの活動。ビートルズ、ストーンズ、ボブ・ディラン、ジミヘン、B・Bキング、アレサ・フランクリンらとの交流や、その蔵出しフィルム(音質も良い)が楽しい。
中盤以降、よく知られたジョージ・ハリスンの妻パティとの恋愛エピソードあたりから、生身の彼自身に関する物語が中心となる。
パティとの関係を歌ったのが名曲「レイラ」。ここからの展開は、もう波乱万丈で、まったく飽きさせない。
パティとの失恋を機会に表舞台から姿を消してドラッグ依存に陥り、シーンに復帰するも今度はアルコール依存でステージでも奇行を繰り返す始末。
すっかり“壊れてしまった”クラプトンだが、思いがけず子供を授かり、立ち直る。ところが、今度はその子供が僅か4歳で不慮の死を遂げる。
再びドラッグやアルコールに手を伸ばしかけそうになった彼を、どん底から救い出したのは音楽。彼は哀しみを名曲「ティアーズ・イン・ヘヴン」に昇華させるのだった。
複雑な家庭環境に生まれ、親の愛を知ることなく育ったクラプトンだが、最後に彼は自身の家族を得て、人生を静かに肯定するシーンで本作は幕を閉じる。
そう、これは「ヒット曲に乗せて、人生山あり谷ありをドラマチックに見せる」、応援上映するような映画ではない。
しかしここには、地味な表現ではあるが、いまも生きている1人のミュージシャンのリアルな独白があり、味わい深い。
ロックスターなんてこんなもの
昨今流行りの音楽映画やコンサートフィルムを期待していた人には長くて退屈な映画だったろうし、恋に敗れて酒とドラッグに溺れた男が不屈の精神で蘇る涙と感動の物語を期待していた人には中途半端な出来の悪い駄作と映っただろう。
リアルタイムでクラプトンを聴いてきた世代は60歳以上だろうか。私も含めたそれらオールドファンにとっては、時代を反芻できたし、往年のスターたちのフィルムを観ることが出来たし、コード進行が分かるくらいに聴き込んだ挿入歌が多く、楽しめた。
横恋慕したパティーって結構いい女だったんだなぁとか、クラプトンは面食いだったのかとか、ジャガーもヘンドリクスもメイオールもみんなラリっててたんだなぁとか、黒人ブルース・シンガーのプライドは相当高かったのだなぁとか、この頃のマーシャルのアンプ欲しいなぁとか、いろいろ考えながら観ると飽きない。
ただ、これはあくまでもクラプトンという人間の生きざまを綴ったドキュメンタリーである。音楽を楽しもうなんて期待は抱かない方が良いし、この手のドキュメンタリー・フィルムを作成するなら日本のNHKが一番上手いだろう。外国産は本当にピント外れで下手くそだ。
後半、クラプトンが薬や酒に溺れていく様が執拗に描かれており、ダメ男ぶりが描かれているが、当時のロックシーンを考えるとハード・スケジュールと毎夜の乱痴気騒ぎが続いていたわけで、ある意味クラプトンは人間らしい弱さを持っていたんだと思う。結局、彼を救ったのは何人もの女性達だった。
音響は良く、演奏シーンは迫力があって楽しめた。特にBBキングのインタビューのバックに「Cross Road」(Live)が流れるが、何度も聴いたこの演奏がとりわけ光り輝いた。日本人ギタリストでこれを完コピしたと自慢するマヌケがいるが、聴いてみると鼻くそほどにも届いていなかった(ア、チャー)。それほど凄まじいソロだった。
万人向けではないが、オールドファン、ブルース・ロック黎明期に興味のある方々にはお勧めしたい。
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