「ナイトライダー+ガンカタ」アップグレード つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ナイトライダー+ガンカタ
妻を殺した者への復讐に燃える男のSFアクション。大作ではないけれどなかなか見所のある良作だったと思う。
まずはアクションかな。もう最近の人は知らないかもしれないけどクリスチャン・ベイル主演の「リベリオン」の中で行われたガンカタやってたね。ガンカタは敵に対して攻撃と防御で最適な位置取りをするというものだが、見える範囲では超近接のガンアクションなんだよね。銃を手で払って銃口をそらす。それをお互いにやるから格闘技のように見える。それがガンカタ。
そのガンカタにプラスして回転するカメラワークがあり、一定の見応えがある。
次に主人公に埋め込まれるチップとのバディ感。
昔のアメリカドラマで車がしゃべる「ナイトライダー」ってのがあったんだけど、完全にそんな感じなんだよね。話が噛み合ってるようで噛み合ってないところとか、マジメな受け答えが笑えるところとかね。
自分とAIが一体になってるあたりがちょっと近代的で、「ナイトライダー」のアップグレード版といった感じだ。
そして、思いの外凝られてたストーリー。
奥さんの勤める会社でのトラブルで殺されたかのように進みながら実は関係ないってのは良かったね。
結局、内蔵されたチップが黒幕というオチは観ているものを裏切る展開としては良かったんじゃないか。
「ナイトライダー」のようなバディもの感を面白く観ていた私は少々、いやかなり不満なオチではあったけどね。ほどほどにユルいノリのせいで復讐を果たしてハッピーエンディングだと思い込みすぎたのかもしれない。
そんなわけで、どこかで観たことありそうな詰め合わせではあったけれど、それらをうまく組み合わせて新しいもののようにみせた腕は良かったんじゃないか。
観る前の期待よりかなり面白かった。