THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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声と音のみで進む世界
今までにないタイプの音だけで物語が展開していく映画。映像がシンプルで音だけに集中して見れたので、気がつくと引き込まれていた。
アスガーが次々と電話をかけて話が展開していくが見ていておもしろかった。また、アスガーの選択が悪い方向に展開していくので、悲壮感が漂っていくが最後に絶望かと思わせての救われる展開で良かった。
展開自体はそこまでインパクトがあるものではなかったので、もう一つ二つどんでん返し的なものがあっても良かったかも。
うーん
主人公の判断ミスが顕になるシーンで思わず、よしっ!となるほど主人公にイライラしっぱなし。
ホームページでは面白そうに見えたのになぁ…。
主人公に失礼な態度を取られても付き合ってあげる相棒が不憫でした。
最後、周りは主人公の声しか聞こえていないわけで、「イーベン!」と悲痛な声で叫んだら何があったんだと疑問に持つだろうに、イーベンが助かった&過去の事件の事実を話して放心状態の主人公は、イーベンが助かったことを周りに話さず…。
途中、膝を怪我した女性に「後にしろ」と言ったり、と、本当にイライラする主人公だった
懺悔と贖罪
発想が活きるのは繊細な演出があってこそ。
音声がとりだたされているが、表情や仕草からどれだけの情報を観客に伝えられるかが肝心となる。
正当化から葛藤、そして告解へと心理が揺れ動く様が、部屋を行き来するだけで伝わるシチュエーションも秀逸。
ハリウッドリメイクした場合、アレンジをすればするほど良さが消えてしまうのではないかと心配になる。
イヤな感じの汗がかけます。
画面に登場する人物は、ほぼ主人公だけ。その主人公は問題をかかえていて、精神状態はあまり良くなさそう。イライラしてしまう自分を抑えて職務に就いているのがよく解ります。
電話の相手との会話だけで状況を説明しているので、もうスクリーンにのめり込むくらいに観入ってしまいます。
終盤、どんでん返しがあり、自分の行動に腹を立ててヘッドセットなど機材をぶち壊してしまう…始末書がたいへんそう(((^_^;)
主人公も始終こめかみ辺りに汗をかいてましたが、観てる方も汗が出てくるくらいリアルです。
“行間”ではなく“音間”を読む。
EMCにかかってきた一本の電話。『誘拐された』と助けを求める女性を救うべく主人公・アスガーは通話音声から情報を得ようとするが…。
冒頭の数分でアスガーの仕事ぶりや性格、かつての過ちなどを手際よく描き出す。サスペンスと思っていた本作は、中盤からは完全にホラーへと豹変。終盤には自分を蝕む先入観と視野の狭さをまざまざと思い知らされる。画面はアスガーの職場だけで進行するが、観客は最初から最後まで緊張の糸を切らさずのめり込んでしまう。音質・音の大小・聞こえる方角・沈黙の長さなどありとあらゆる音響演出がなされており、舌を巻いてしまった。
また、筆者愛聴のラジオ『アフター6ジャンクション』の特集によれば、本作の電話の音は通常の受話器から聞こえる音とはまた違った加工がなされているらしい。アスガーの脳内補正や主観が入り混じった演出だという。
とにかく見ている間中、『次はこうなるのでは?いやこっちか?』と考えれば考えるほど逆にミスリードされて作り手の手玉に取られ、最後は自分の中にある罪とその元凶を見つめ直していく。なるほど!タイトルの『GUILTY ギルティ』とはそういう意味か!!
『search/サーチ』に続く革新的な一本。ぜひ、あなたも濃密な音の世界に没入してほしい。
仕事終わりのボ〜ッした頭でもそこそこ楽しめる
似たような映画でハルベリーのやつがあったな〜と思いながら見ました。
あっちに比べてやっぱ北欧の冷たさとか暗さみたいなものがあるなぁ…
ドラマはずっと執務室でやってるので地味だけど展開が早いので飽きなくて良かった。
ただオリバーが死んでるのが分かって父親に電話するとこから父親が犯人じゃないんじゃないの〜?って先が読めてしまう。
あとアスガーの独断で容疑者とか被害者に電話しまくるの大丈夫なん?危なくない?備品壊しまくってんの大丈夫?って日本人は思ってしまうよね…
相棒とかに対する態度が不遜すぎるしこんな人いたら怖いよ〜一緒に仕事したくねぇ。
最後ちょっと好感度上がったけど。
父親に何で警察に通報しないんだって問い詰めるアスガーにお前らに助けを求めたところで無駄やんけみたいな遣り取りが印象的だったな。
確かに前科者の方が疑われるだろうし。
面白かったけどまぁまぁって感じでロッテントマトもあんまりアテにならないなと勉強になりました。
イーベンが美人じゃなかったらどうしよう
野暮なことを言う。
絶対に最後までイーベンが出てきて欲しくないと思った。
あまりに野暮すぎる。
電話口の会話を盗み見、盗み聞きしてる分際で、このまま殺されるかもしれない状態にある女、イーベンの容姿について考えてしまったわたしも結構な罪です。
終盤、しっかりロマンスがあったのが良かった。
ウットリしつつ、薄々気づいてた恐怖に慄きました。
ラストのバックショットに繋がる、大事なロマンスだったと思います。
愛とか、罪とか、なんなん。
イーベンは最後まで出てこないので、安心して見て良し。
一音たりとも聞き逃さず
究極のワンシチュエーション。
「誘拐だ」と判明してから一気に出てくる緊迫感がその後もダレずにどんどん高まってくる。
電話口から聞こえてくる声と周囲の音から想像をフルに膨らませ、情報が追加されるたびに想像の画をアップデートさせながら観るのが新鮮で楽しい。
アスガーと共に電話番をしているような気分になってくる。
どんな小さな音も聞き逃すまいと息を殺して集中して観ていた。
子供に話しかけるフリをする、という機転の利くイーベン。
くぐもった声から読み取れる恐怖は相当で、最初は痛々しい気持ちになる。
しかし段々見えてくる事の真実はなかなかキツい。
「悪い男だ」のくだりで、もしや赤子を殺したのはイーベンでは?と疑っていたら本当にその通りになってしまった。
マチルダの今後の人生を考えると頭が痛い。
誤解まみれとはいえ、ミケルもただの良い人ってわけではなさそうだし。
しかし、分かりやすい弱者に気をとられると真実を取りこぼしてしまうものだな…。
まああんなの見抜けるわけもないけれど。
どこかやる気の無さげなアスガーの口調から、この部署に来てからの彼の良くないであろう態度が見て取れる。
記者の電話やら翌日の裁判の話やら、何か不穏なものを抱えた彼は通常の「デキる刑事」的な安定感が無いのが面白い。
事件そのものへの心配もありつつアスガー自身への心配もかなり大きい。
指示したことが裏目裏目に出た時の自分への失望感、緊急電話の中継係という職務がゆえ捜査を指示できないジレンマが余計に彼を追いつめ、張り詰めた糸がいつ切れるかと気が気じゃなかった。
そしてずっと匂わされていた罪の大胆な独白に度肝を抜かれた。
「何か悪い物を取り除きたかった。」彼も病んでいたということか。
イーベンもアスガーも、精神を病んでいたからって人を殺していいわけではないけれど。
緊急電話の部屋にいた人たちはびっくりしただろうな。コイツ言いやがった…!!とか思っているのかな。
ラスト、光の中にアスガーの黒い影が写ってパッと消えるエンディングのタイミングで残像が見え、作品自体の余韻と重なってグッときた。
一番良い形で終結してくれて良かった。
最後の電話は誰に宛てたんだろう。
ラシッドか、パトリシアか、ボスか。
いずれにせよ明日の裁判で供述書通りの受け答えはしないんだろう。
犯した罪も大きければ破損したPCと電話の弁償額も大きい。
ほぼリアルタイムで進む事件。
とことんリアルを追求しているかと思いきや、カメラワークやライティング、個人のイメージをグッと引き付ける部分の音量調整などがすごく映画的なのが良かった。
そしてアスガーの顔が良い。Tack.
期待し過ぎず、ニュートラルに聴く
前評判に触発され、すごい期待値を上げ、色々想像しながら観てしまった結果、話が入ってこなかった(涙)むしろ、二回目のほうが音の工夫とか、演技の工夫とか、字幕の工夫とか知ることができて、楽しめました。これから、みる人は、テレビのドラマを観るぐらいの軽さでみると、楽しめる気がする。ネタバレ見てからでも、面白いと思います。
☆☆☆★★★ 手掛かりは男に掛かって来る緊急電話のみ。 その電話の...
☆☆☆★★★
手掛かりは男に掛かって来る緊急電話のみ。
その電話の中に有る情報と、やり取りだけでサスペンスな展開が拡がりをみせる。
《犯人は、音の中に、潜んでいる》
映画のチラシの惹句にはそう書かれている。
しかし…。
映画を見終わって感じるのは、映画本編が本当に描きたかったのはもっと違うところに有ったのが分かる。
これは犯人探しの映画では無く、心の奥底に潜んでいる真実を引き出すサスペンス映画でした。
多くの伏線の中でもファーストシーンは重要で、見逃し禁止ではありますが。それはあくまでも本編の中で描かれる事件に対するモノと言え、或る意味ではマクガフィンに近いのかもしれない。
寧ろそれよりも、男の指に巻かれているバンドエイドで有ったり。左手の薬指の結婚指輪で有ったり等。映画本編の中で、はっきりと描かれなかった描写にこそ、観客に向けてジワジワと《真実》を炙り出していたと言えるでしょう。
緊急時に一切の手掛かりが消えた瞬間に感じる虚無感を。汗や無音状態での背中で表現する等。確かな演出力にも注目して貰いたいところです。
2019年2月25日 ユナイテッドシネマ豊洲/スクリーン11
「そう来たかぁ…」と漏れてしまう
フライヤー(チラシ)の謳い文句を読んで、勝手に「電話口から聞こえる情報を元に推理していく映画」と思い込んで観てしまったので、イメージと違ってしまい「これはハズレ映画かぁ。。。」と正直思ってしまいました。
けれど、それは間違いでした。
演出スタッフが生み出した人間の心理を凄く凄くついた展開に「そう来たかぁ...」と声が自然と漏れてしまいました。
ラスト20分のためだけに我慢の60分って感じの映画です。
ラストに行けば行くほど乱雑なピースがハマるハマる。
うまい!ただただ、うまい!やられました。
とはいえ、主人公に感情移入が出来ない...
正義感あふれる警察官であることは間違いはないのは分かる…
けど、、、やっぱり感情移入できないんです。
感情移入出来ないからこそ、「うまい」と思うのかもしれないですが、そのジレンマが最後までモヤモヤしてしまいました。
あれやこれやと書きましたが、この映画は《新しいサスペンス映画》の扉を開けたんではないかと感じています。
音(声)メインの映画なだけに、臨場感のある映画館で観てもらいたいです!!!
感情移入ができない主人公
となりで見てたおじさんの口が臭すぎて地獄。
それはともかくとして、期待値以下でした。
主人公が情緒不安定すぎ。
こりゃ奥さんに逃げられるわ。
んでもって後先考えない脳筋すぎ。
犯人が逆上したらとか、冷静な考えを持って動けてないのがなんともお粗末。
ストーリーの流れはハッとするというか、
ちょっと面白かったのにな。
低予算ながら脚本に凝っているクライムサスペンス見たいならsearchを見たほうがいいです。
映画として面白い試みであったとは思うけど、
絵面的にコルセンは無茶があるかもね。
電話先の音だけなのに引き込まれてしまった
観客もアスガーと同じく電話先の音しか聞こえない。いつのまにか、アスガーと同じように電話先の情景を脳内で再現する作業をしてしまう。
時間軸もまっすぐであるため、どんどんとアスガーと自分がシンクロしてしまい、感情が同一化したのではないかと思うくらい。そして、残酷な事実を知ってしまった時には、とてつもない無力感に襲われてしまった。
緊急通報指令室の外の映像が全く無いにもかかわらず、ここまでひきこまれてしまうとは、すごい。
スッキリしないけど。
予告で観て気になってたので鑑賞。最初は犯人も動機も早々にわかったし、期待外れだったなーと思ってた。が、終盤で裏切られた。
え?え?良かれと思ってやったことが全部裏目に出てるってこと?何これ?これじゃ誰も救われないじゃん!
などと途中からはプチパニック。まんまと脚本にやられた。
スッキリしないけど唯一イーブンが助かったことが救い。
いや、面白かった!
ただ驚かされるだけじゃなくて、色々考えさせられる。
正直、もっと驚かせて欲しかった。
オチがなんとなく想像できちゃった私が病んでるのか?
一見フツーの人に見えて、案外病んでて、漠然と「良くないものを取り除きたい」と思っている人は多いのではないかと、社会の影の部分を見せられた気がする。
真面目で正義感が強いと、なおさら、不満やストレスが溜まるのでは?。
通報したら、すぐにその人の住所氏名、犯罪歴、車の所有の有無、おおよその居場所まで分かってしまう、便利だけど管理された世界。
泣いてる子供を泣き止ませたい母親。
悲しい話だ。
そこまで絶賛されるほどの映画では無い
映画の入りとしては緊張感があって引き込まれる。
事件解決を目指す主人公に感情移入しながら現場の状況を音だけで想像していく。
が、途中から、エッて感じになってきちゅうんだよね。
背景とてしては
この映画が一つのシチュエーションだけで進めていく必要があること。更に何らかのどんでん返しを準備しないといけないこと。
この制約のためにちょっと厳しい展開になっていく。
一つめは主人公が首を突っ込み過ぎ。現場の警察に任せればよいものを、高圧的に相手に絡んでくるのでイラッとくる。彼のせいで結果的に状況が更に悪くなっていく。
二つめは旦那の行動。自分が疑われているのに敢えて説明をしない。何らかの方法があるでしょう。
またイカレた妻を精神病院に連れて行くのも意味不明。逃避行ならわかるが既知の病院に連れていくならさっさと警察に連絡すれば良いだけの話。
観客をだますためにばかな行動をさせてがわかり、冷めちゃう。
題名の意味とは
緊急通報指令室でオペレーター勤務する現場を離れた警察官の話。
勤務時間の終了間際に誘拐された女性からの電話が入り、その対応がほぼリアルタイムで進む。
オペレーターである自分の役割以上のことをしてでも被害者を助けようとする。
会話劇で話を進め集中力を高めつつ「被害者は本当は被害者ではないのでは?」と"感付かせる"ことで観客の意識を誘拐事件に向けさせておき、記者からの電話や主人公の独善的な行動をソッと配置する。
クライマックスで題名のギルティとは、誘拐事件のことではなく、主人公のことであるとひっくり返して見せる鮮やかな手腕に恐れ入りました。
斬新な手法と、重いストーリー
この頃、映画の独特な表現方法が話題になり、ヒットしている映画がいくつかありますが、これもそんな映画の一つです。
何が独特かというと、ほぼ音や声でストーリーが動くので、観客が話の状況を想像しながら映画を楽しむという点が斬新だと思います。
またストーリーが重く気持ちがすっきりしないからか、それとも日頃使わない想像力を駆使したせいか、観た後は精神的に疲れます。
多分万人受けはしない映画だと思いますが、手法としてはとても面白いので、星4つにしました。
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