「一人芝居と電話だけで進行していく事件の後にさわやかな後味」THE GUILTY ギルティ(2018) 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
一人芝居と電話だけで進行していく事件の後にさわやかな後味
こういうアイデアの映画は初めて見た。舞台なら一人芝居に近く、一歩間違えればアイデア倒れのどうしようもない作品になったところだ。
しかし本作では、主演ヤコブ・セーダーグレンの勤勉だが職務上問題を起こした人間の弱みや暗さ、熱意や優しさという人柄の幅を見せる演技力、緊急電話センターの通報者の名前や住所、所在地がただちにわかるシステムの面白さに惹きつけられてしまった。
そうこうするうちに電話の向こうでは、誘拐事件が発生し、幼児虐待や殺人も疑われ…と電話だけで事件が進展し、その様相が変化していくので、最後まで飽きさせることがない。
最後には職務上、殺人を犯したのを嘘で誤魔化そうとしていた主人公の心変わり、自分を有罪と認めることまで暗示して、さわやかな後味を残したのもいい。
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