劇場公開日 2019年2月22日

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「"静"だけで魅せる、"想像力"を演出に仕立てた秀作。」THE GUILTY ギルティ(2018) アルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5"静"だけで魅せる、"想像力"を演出に仕立てた秀作。

2022年1月20日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

知的

シチュエーションはほとんど変わらない、映画としては有り得ない1時間半。にも関わらず、鑑賞者をグイグイ引き込んでいくのは、脚本と何より素晴らしい"間"の取り方。

電話の向こうの『情景』を、"間"によって当たり前のように想像してしまうのだが、鑑賞者全員が違う『情景』を頭に描いているというのが凄い。

そして、さらに想像力を掻き立てる"音"。アスガーと一緒にイヤホン越しに聞いているかと錯覚する程に、入り込んでしまった。限りなく一方通行に近い『緊急通報』という状況で、落ち着いて情報を聞き出し、そこからの判断と指示する難しさ。

しかし、本題は実はこの仕事ではなく、主演であるアスガーの明日。
ストーリーが進むに連れて少しずつ明らかになっていくが、モヤッとしつつもスッキリとしたラスト(?)。真っ直ぐ前を向いて開けた最後のドアの先が、未来を暗示するかの様に明るいのが何より。

近年のハリウッドの様に莫大なお金は掛けないで、人を惹きつける作品作りのお手本の様。オススメ。ジェイク・ギレンホール主演での本作のリメイクも気になる。

電話を直ぐに取るべき仕事なのに、携帯含めてすぐに電話を取らない事への違和感。考える時間なのも理解出来るが、他の"間"がとても良かっただけにこれが唯一、観ていてストレスに。少しだけ厳しく★-0.5。

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アル