「命の電話。私情の泥沼に落ちていくアスガー。」THE GUILTY ギルティ(2018) きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
命の電話。私情の泥沼に落ちていくアスガー。
映画なのにその作りは“ラジオドラマ”=“放送劇”なのです。
計算され尽くした演出によって一瞬たりとも気を抜けない脳内映像のるつほに僕は投げ込まれてしまったようです。
実際、見終わってはたと気づいたのは画面上の登場人物はアスガーともう一人の電話オペレーターのほぼ二人だけだというのに、僕らは電話の向こうのイーベンやミカエルの容貌と六才の娘マチルデの年格好、はたまた相棒の酔った顔やミカエルの家の間取りまで知っている!という放送劇マジックでした。
映画制作費に占めるロケ費は全くかかっていないだろうに、よくまあここまで勝手に他人の脳内スクリーンを使ってくれるものです、
お見事です。
シリアスに辛かったのは「誰も力になってはくれなかった」と世間に対する絶望を吐き出すミカエルのくだりかな・・
昨今の児童虐待に関する通報の電話や、それを受ける児相や警察のやり取りのじれったさも かくやと想像しました。
手に汗握る88分でした。
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琥珀糖さんのコメント
2023年10月12日
YouTube、見ました(聴きました)
英語が得意でないので、オペレーターの言葉はあんまり
分かりませんでしたが、動かないで目を閉じてて、
ローマン君が呼びかけても反応のないママ。
ローマン君の愛らしい声から悲痛な胸の内が伝わってきましたね。
ありがとうございます。
緊迫感凄かったです。
ママ、無事だとと、祈りますね。