アメリカン・アニマルズのレビュー・感想・評価
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アメリカ新人類の真実なんて言うそんな哲学なんて無い。 と言うよりも...
アメリカ新人類の真実なんて言うそんな哲学なんて無い。
と言うよりも、
『理由なき反抗』の頃と全く同じじゃないか。
2001年、9/11事件後のアメリカンドリームのサブカルチャー。つまり、
ベトナム戦争が負けた後のサブカルチャーと同じで言い訳映画。
こう言った奴らには民事でがっぽり取られば駄目である。実刑7年は当たり前。
意味不明
2004年に起きたトランシルバニア大学の希少図書強盗事件の再現ドラマ。
監督・脚本のバート・レイトンさんはドキュメンタリー作りが本業だからか、ドラマの中に本人を登場させ当時の回想を語らせるという実にユニークな犯罪ドラマ。
盗られたのがダーウィーンの「種の起源」の初版本(1859年1250部)だからか、冒頭に「アメリカの動物は地上からケンタッキーの洞窟の奥深くへ何世代もかけゆっくり移住した」との種の起源からの引用がクレジットされる、タイトルはこの一節からとったのだろうが全くもって意味不明、なんで洞窟?
ルパンが狙うような厳重警備の美術館でもなく司書がいるだけの大学図書館、希少本が欲しい訳でもなく金銭価値に魅かれてだから動機も単純、主人公の二人は幼馴染で芸術系の奨学生と運動系の奨学生で大学生活に魅力を失い刺激を求めているようだ。
アメリカ人には関心を集めた事件なのだろうが、犯罪物としてはサスペンス感も薄くチープで歪んだ青春ドラマのようで酔えませんでした、むしろ、種の起源(On the Origin of Species)の初版本にスペルミスがあったとか、アメリカの動物分布についてのダーウィンの説の方が気になりました。
失敗
実話ってところが、注目ポイントですね。
これをやろうって計画に至り実行する
若さゆえの甘さの実行。
大失敗します。そんな話。
見た直後にしっかりレビュー書くの忘れてしまい、少し内容があいまいです。
実話だからおもしろく見える作品かなって思いました。
見ても見なくてもくらいでした。
怖いもの知らず
アメリカンですね。
日本で犯罪者が自分たちのドキュメント映画に出るって考えられないもんね💧
レザボア・ドッグスを観た後だったのでピンクにウケました👍
若さは罪だけど、みんなそれぞれ新しい道に進んでいて良かった。
おじいさんの変装凄いね。
バカだなぁと思いつつ
何だかこの4人の組み合わせ…何かできるかもしれないって期待させるものがありますよね。私はついついそう感じちゃった。インタビューに出てくる本人達を見てもそう感じさせる何かがある。
一度大失敗して反省したんだから出直し今度は周りに素直に認めてもらえる方法で一花咲かせてほしいと思ってしまった。何だかここで終わってほしくないなと
この映画撮り方に独特のカッコ良さがあって良い感じなんですけど、ドキュメンタリーと再現Vの組み合わせみたいな手法と合わさって不謹慎な高揚感と不謹慎でいられない焦燥感や後悔がどれも絶妙に出ている気がする。
それにしてもやった事はほんとしょうもない若気の至り。おばあちゃんが酷い怪我を負わなくて良かったね、考えればわかるだろうな一歩先をそう頭で思っても芯から実感出来ない年頃ってこういう事だなぁ…
一線を越えるパフォーマンスがイイねを集める時代にとても合ってる。1本の映画としても楽しめました。
やらかしちゃっても次を用意出来る世の中に、失敗にも償ったのなら優しさを。
最後にティラノサウルスの刺青。なんて愛嬌のある顔!
ぶっ飛び映画
実話をベースにした映画はよくあるが、犯罪を犯した正に張本人、その家族、被害者までもが出演している映画は珍しい。しかも、本人達が役者より役者っぽい。本人達は一般的な家庭に育ち、決して貧困から犯罪を犯したわけではなく、その平凡さに飽きが来て、自分を変えたい、平凡な未来より、もっと華やかな世界を見たくて、犯罪を犯してしまった。犯罪を犯すのは別として、誰もが思う気持ちだと思う。犯罪前後で、その気持ちが揺れるのをとても旨く描いている。犯罪前はその後の生活に憧れ、あれこれ皆で考えることは楽しいが、犯罪後は捕まったらどうしようと恐怖しか感じなくなる。一度目の失敗後が一番幸せだったのだろう。今なら止められると。ある意味、彼らの犯罪が一度目で失敗に終わって良かったし、成功していたら、味をしめて、さらなる犯罪者としての深みに嵌っていただろう。
物凄くクオリティの高い再現VTR
予告編が面白そうだったので鑑賞しました。ただ、予告編で感じた印象と実際の印象は大きく違いましたね。
個人的な評価ですが、めちゃくちゃ面白かったです。映画レビューサイトの評価がイマイチ高くないのが不思議でならないです。
本作はアメリカで実際にあった貴重な本の強奪事件を描いたノンフィクション映画。作中には当時の実行犯本人が登場して証言を行うシーンもあり、ノンフィクション映画とドキュメンタリー映画の中間のような映画で、まるで再現VTRを観ているかのような不思議な作品です。
「何か大きなことをしたい」という大学生くらいの若者が誰しも感じている漠然とした欲求を、最悪な形で実現してしまった大学生4人組。物語の前半では本の強奪計画を緻密に練り上げていきます。本がある特別展示室の構造を調べ上げ、図書館スタッフの勤務時間を調べ上げ、本の転売ルートを確保する。その様子はさながら作中にも登場した「オーシャンズ11」そのものです。強盗団の4人はこの時「俺たちなら何でもできる」という万能感を抱いていたんだろうというのが伝わってきます。
しかし実際の本強奪決行当日。いくつかの「計画外」の事案が発生して決行が危ぶまれますが、結局日を改めて計画は実行に移されます。(ここで止めておけば良かったのに…。)
改めて決行された犯罪計画も、仲間内の揉め事や急ごしらえの計画や予想外の事態などの理由によって、やはり計画通りには進みません。あれだけ綿密に練り上げられた強奪計画も、一箇所に綻びが生じるとどんどんと計画を進めることが困難になっていき、それでも無理に計画を進めてしまったがために最終的に最悪の結末を迎えます。
「オーシャンズ11」はあくまでもフィクションであり、現実ではそんな上手く事が運ぶわけありません。ノンフィクション映画でありドキュメンタリー映画でもあるこの特殊な構成の映画だからこそ、主人公たちの抱いた生々しい罪悪感や後悔が観客にまで伝わってきます。これは実行犯の本人が出演するからこそできる演出です。実行犯や被害者の現在の姿まで描かれているからこそ、この事件はフィクションではなく実際に起こったことなのだと、この事件は過去のものではなく現在進行形の事件なのだとまざまざと見せ付けられます。
「実行犯本人の出演」に感動した私としては、「実行犯本人が出演する意味が分からない」等のレビューが多いことに驚きです。自分の犯した罪を世界中の「観客」に晒されるわけですから、映画への出演は実行犯の四人にとって重大な決断だったと思います。それでも彼らはこの映画の完成のため・被害者への贖罪のため・自分たちを反面教師にするために出演を決断したのです。もちろん彼らの行った非道な犯罪は許されるべきではありません。しかし今回映画の出演を決断した彼らには感謝と賞賛を送りたいです。
バカ学生のバカ犯罪/寝ちゃった。
結構眠ってしまったので、星なんてつける権利がないと思うけど、自分の記録として。
新作公開時にシネコンでは見逃していて、京都シネマ名画リレー(会員500円)でかかったので、勇んで見に行ったものの、フ○ックとシ○トしか語彙がないんかいと言いたくなるバカっぽい大学生が、大学図書館のでっかい貴重書を盗んで一獲千金を夢見るが、バカなので失敗しましたという話でした。
ブレイクジェンナーが登場するところまで起きていられなくって、起きたら仲間4人になっていて、1回目の失敗でフ○ックとシ○トをいいまくるあたりでした。
多分役者が演じる回想部分と、服役後の当事者4名が顔出しで事件を語るシーンとが織り交ざっていて、犯罪へと走った学生の危うい心理と、現在からの俯瞰の視点の対比が面白みなんだと思うのですが。
本当に馬鹿だねとしか思わず、そうしたらうとうとしちゃって、という感じでした。
バリーコーガンは聖なる鹿殺しといい、この作品と言い、暗さのある狂気をはらんだ青年が似合いすぎます。しかして言い出しっぺなのに何回もやめるって騒ぐのに、結局やるんかい、で実際には大した役割になってなくね?見張りかよってところが笑えました。
ご本人たちは何で映画に出たんでしょうね。
何者にもなれないわたしたちに告げる
彼らに覆いかぶさる息苦しさが、学生時代に感じた閉塞感に似ていて、共感してしまった。(すごくやだけど)
両親はすごくいい人で環境にはこんなにも恵まれているのに自分はなにもなし得ていない、なのに周りは着実に進んでいるという焦り、自分がいるのはクソ田舎ででも場所のせいだけじゃなくてわたし自身がなにも価値がないからなにもできない世界も変えられない、みたいな…。
もしかして一歩踏み外したらわたしもこうなっていたの?という恐怖が1番緊張した。
この映画の中では人は死なないけど完全に犯罪と暴力の話だし、絶対に許されてはいけない。
でも、映画の中で彼らがやったはほんとうにほんとうに最悪だけど、暴力へ対する忌避感みたいのが丁寧に描かれていてよかった。この頃抵抗も呆気もなく人が殺される映画ばっかり見てたから信頼できると思った。
ほんと、計画が杜撰だし、アクシデントはばんばん起きるし、犯行もまったくスマートじゃなくて見ててほんとうに苦しかった。でも暴力を苦しいと思えて、耐えられないと思えてよかったよ、本当に。
あと素直に本人へのインタビューと虚構が入り混じる演出がめちゃくちゃおもしろかった!本人たちの記憶が曖昧で細部が変わっていく点も。
ラスト、みんな人生を歩み続けていて本当によかった。きっと一生後悔し続けると思うけど、それでも生きていっていて泣きそうになった。
こうなるよね
演出が面白い。ストーリーは事実をなぞっていて、その事実がそこまで面白くないから、そのまんま面白くないの。
映画になってるから、主人公たちはどこかで捕まるのは解ってんのね。せめて稀覯本を換金してウハウハまでいって欲しかったなあ。犯罪ものなんだけど、犯罪が成功しないからつまんないの。
準備はけっこう良くやってんの。図面書いて計画練って、タイムスケジュールも組んで、変装もして。犯罪だからリハーサルができないのが辛いなあと思って観てたんだけど、よほど冷静にやらないと本番でパニクるわ。
そしてパニクんの。まあ、そうだよね。素人が犯罪現場で冷静でいられたらおかしいもん。そこを乗り越えた凄い人達の話かなと思ったら普通の人だった。
そこから冷静になれば良かったんだよね。金持ちの人は冷静そうだったからリーダー変えれば良かったのに。それで身バレの証拠を与える大失態を演じて、終わり。警察はバカじゃない。
犯罪って普通の人にとっては非日常だけど、警察にとっては日常なんだと思った。毎日やってる人達に捕まらないように、初めての人が立ち回るって無理だから、検挙されるんだよ。
プロの犯罪者は、犯罪が日常になってるから、それで警察と五分の勝負だなあって。犯罪って、そういう人達以外は、手を出したら負けだね。
それでこの犯罪で実刑7年は「長えよ」と思ったんだけど、どうなんだろう。良い弁護士雇えなかったのか、老人に気概を加えたのは許せないということなのか。アメリカの人は教養に思い入れがあるし、歴史がないのを気にしてるからそこに触れちゃったのかな。
その後の人生は辛そうだったけど、金持ちの人は事業に戻れば良かったんじゃないの。皆が辛そうにインタビューする中で、金持ちの人のお母さんは、平静たもってたしさ。
演出の面白さで観てはいられるから、観られる作品だと思うよ。
種の起源
曲と映像がめっちゃ好きだった。特に逮捕の瞬間のシーン印象的。ライトが当たり、声などの雑音はあえて消された状態で4人の悲壮感をよく表していたと思う。何より本人が出てきて、インタビューに答えるだけでなく本編に組み込まれている演出がとても新鮮でよかった。ウォーレンとスペンサーの記憶のズレの表現も見ていて楽しかった。
緊迫感と現実味がすごかった。決行日のシーンは、彼らが想像していた映画のようにはうまくいかなくて、それとのギャップに見ていてヒリヒリするし、自分もチームに加わってるかのようにヒヤヒヤするし、とにかくドキドキした。
主役2人はもちろんのこと、あとの2人にもきちんと見せ場があって、キャラが埋もれていなくて、役者それぞれの個性が発揮されていて見応えもあった。
インタビューでウォーレンは首謀者はいなかった、と言っていて、だからと言って彼に責任感がないという問題でもないだろうし、でも結局ウォーレンが信じているほど他の3人に強奪への決心はなくて、結局流された形なんだろうなと、作品の中で思わされた。オランダのことやバイヤーのこと、ウォーレンの作り話と言われていたけれど、私はウォーレンを信じてみたた。いな、と思った。それは、結果はどうあれ、あそこまでの決断をすることはやっぱりすごいことだから。退屈な毎日に風穴を開けたい、スパイスが欲しいという気持ちは痛いほどわかる。けれど自分にあんな決断力は良くも悪くもないから、かっこいいと思った。だからこそ、あと一歩やめるという決断をしてほしかったなって切に思っ
4人の本人たちが、これからの人生をこれからも進んでいくんだな、と思わせてくれる帰り方がすごく好きだった。あんなことやらなければもっと成功できた人々ではあると思うけれど、あの経験で彼らの中の何かが変わったのも確かなのかなと思えた。
ウォーレンが、10年後あの時やっておけばって後悔したくないだろ、っと言っていたけれど、現実にやったことで後悔してないといいな。
図書館奇譚
一言で言って、あまりにずさんな犯行である。
本を盗む動機としては、その本を熱狂的に入手したいか、換金目的かの二通りある。前者ならまだ可愛げがあるが、この事件の場合明らかに後者だ。ただいくら高価とは言っても、宝飾品とかと違って、そう簡単に買い手が見つかるとも思えないが。
四人そろって老人の扮装をするに至っては、不自然すぎてまるで茶番だ(大学図書館の中で浮きまくっていた)。
そんな愚かしい青春の恥部が今さらながら再現されて、なおかつ本人が顔をさらすというのだから、ご家族ともどもよくOKしたなと思う。
スペンサーが鳥の画家になっているというのは、よくできたオチだ。結果的には、オーデュボンの本に魅入られていたということになるのかもしれない。
“写実”という幻想
結局のところ、どこまでも“真実”という客観視点は、その当事者のフィルターが掛かれば“まやかし”の域を出ない。それは幾ら沢山の鳥の自然の生態を捉えた鮮やかで活動的なポーズであっても、それは死んでる鳥を針金と糸を用いて生きているかのようなポーズに固定する方法により描いていた作者の制作した図鑑でも同様だ。
今作の冒頭で“真実の物語”というテロップが強調されるが、その通りで、構造設計をストーリー部門と本人達のインタビューというシークエンスを差し込む形で、それがクロスオーバーしていくメタ展開に演出される、このところのハリウッド作品に散見される造りになっているからである。但し、段々と信用ならざる語り手により、どんどんとストーリーがぼやけてきて霧の中に突き落とされる羽目に陥る。
粗筋は四人の大学生が、鬱屈とした閉塞感の中で、それを打破するための“イベント”としてのプレミア本強奪を計画実行し、しかし理想と現実とのギャップにたちまち理性を失い崩壊していく、ダーク青春モノ作品である。こういう役を幾つもこなしてきたであろう若手俳優陣の演技はすっかり堂に入っている。特に気の弱い主人公役の俳優の丁寧だがどこか後ろ暗さを抱える演技は或る意味ワンパターンかもしれないが、なかなかそれを表現できる役者がいないならばどうしても集中してしまうのは仕方がない。
ストーリー前半の計画中のワクワク感の演出は、それこそ多幸感に溢れる。犯罪という禁忌を、しかしパーフェクトゲームに仕上げることが可能かもしれないという過信は、若さ故の高揚感であろう。こうして仲間達と一緒に同じ目的に立ち向かうイベントは、映画だけの世界ではなく、こうして現実にもあるんだという嬉しさを爆発させている。そしていざ、その完璧という勝手に思っていた、脳内完成図がガラガラと音を立てて崩れる様は、今度は観客共々居たたまれなさが容赦なく襲いかかり、前半にちょくちょく挟まれていたギャグ要素も鳴りを潜め、一気に夢から覚める。その一番の基点は人への攻撃による負傷。前半の脳内成功シーンの鮮やかでスマートな制御停止が、実際はもっと生々しく、そして尊厳を踏みにじる残虐な行為として繰広げられそれを否応なしに見せつけられる。そんな動揺が益々計画を陳腐な犯罪にメタモルフォーズしてゆく。動機は親の離婚による家族崩壊を受け止められない逃避や、漠然と目指してる成りたい自分に足りないピース(と勝手に妄想している)を埋めるためのハードル、友人を失いたくない想いや、親を超えたい気持など、中二病爆発によるスーサイドなのである。前半のファッショナブルさが際立つほど、後半の追い詰められる緊張感や失望感が生きてくるので、どんどん心が折れ続ける。別に今作品は、道徳的なテーマを訴える訳では無い。自己責任論を押しつけるテーマでもなく、理想と現実の中で溺れる青年達をありのままに載せてる“図鑑”なのである。しかし、その図鑑は本当に真実を写しているのであろうか、当人達にも分らない・・・
痛快な犯罪映画ではない
大学の図書館に所蔵されているプレミア本を4人の大学生が盗み出すという話。
緻密な計画で華麗に盗み出す!ということはなく、計画は結構ずさんで粗く、犯行現場や売りさばこうとしたときの対応とかも行き当たりだった。これじゃ無計画な、ただの強盗だ。しかも盗んだ後どこに売るかってことを準備してたんじゃないの?そりゃ捕まるわな。
でも、本作の面白さはそこではなく、盗んだ大学生(当時)たち本人(30歳くらい?)が出演していること。しかも結構序盤から。それぞれの言い分や記憶で再編成しているからか、食い違いを見せたり、何でこんなことしたの?というバカらしい部分も見せるのが面白かった。
なんかなー、もう少し面白くなった気がするのに。もったいないな。
ハラハラのドキュメンタリー
学生4人が何か大きな事をしたい、と目論んで大学図書館に貯蔵してある12億円の絵画の窃盗計画を実行する、というストーリー。
しかし見てると実に甘い作戦で軽率過ぎてハラハラしてそこは楽しめた。
自分も若かったらちゃっかり参加したい、と思いながら見れた。しかし失敗に終わった後の後悔したメンバーの顔を見てると少し可哀想になった。
若い時ノリで軽率な行動取らなくて本当に良かった、と(笑
一夜で飛べる鳥などいない
2004年にケンタッキー州トランシルヴァニア大学で
起きた実際の事件を映画化。
大学の図書館に保管された、鑑定額1200万ドルという
オーデュポンの大書『アメリカの鳥類』を盗み出そうと
した学生たちの顛末を、事件を起こした当人達を含む
関係者へのインタビューと再現ドラマで構成……という
より、その2つが混濁したようなユニークな作りで描く。
...
まず楽しいのが、人を食ったユーモラスな語り口。
再現ドラマの途中で演じられている本人が登場して
「こんなんだったよな?」と主人公に話しかけてきたり、
「青いマフラー……いや、紫だったかも」というナレー
ションと連動して再現ドラマの映像が変化するなど、
遊び心たっぷりの演出がそこら中に仕込まれている。
主人公たちが強盗計画を練る前半はおとなしめでやや
冗長さも覚えたものの、先述の自在な語り口に加え、
夜の街灯下を行くフラミンゴ等々の奇抜なショットや、
強盗直前の変装~犯行までのピリピリと緊張感を煽る
キレの良さなどは素晴らしく、最後までダレずに観られた。
主人公たち4人はけっこう優秀な学生たちなのだが、
強盗の方法を教えてくれる人は周りにいないので
(いないね普通)、計画の参考に『現金に体を張れ』
『オーシャンズ11』『レザボア・ドッグス』といった
過去の強盗映画で勉強して真似する展開が可笑しい。
主人公たちが犯行を脳内シミュレーションする
シーンも、それこそ『オーシャンズ11』のよう
になめらかで鮮やかでクール!なのだけど――
いよいよ映画後半、実際に強盗計画がスタートすると、
予想外の事態やらイマイチ定まらない覚悟やらが原因
でアタフタドタバタの悲惨極まりない犯行模様が展開。
強盗後もやることなすこと裏目に出て目も当てられない。
ここの流れは傍から見ればほとんどコメディだけれど、
図書館員の女性を暴行し恐怖させたことは笑い事では
済まないし、主人公らの感じている緊張感や焦燥感も
イヤというほど伝わってるので、苦笑いしながらも
彼らの行く末にだんだんと気が重くなってくる。
...
僕も主人公たちのことを「バカだなあ」と笑ったり、
「考えが浅いわあ」と苛立ったりはしたけれど――
若い時分なんてのは誰だってバカで浅はかなもの
である(なんなら現在進行形でそうである)。
本作の主人公たちが抱える『今の自分を変えたい』
という鬱屈した気持ち、そして自分の浅はかさが
元で過ちを起こした後の羞恥心や絶望というものは、
誰しも大なり小なり身に覚えがあるものではと思う。
それに、多分誰だって一度は信じたいと願うものじゃないか。
自分の人生は特別なのだと。自分も何かきっかけ
さえ与えられれば、特別な何かになれるのだと。
主人公ウォーレンが、図書館に一緒に保管されている
ダーウィンの『種の起源』よりもオーデュポンの書に
惹かれたのは、幼くして母を亡くし、放浪しながら鳥類画
を描き続けたというオーデュポンの特異な生涯が、まさしく
自分の憧れる“特別な人生”として心を揺さぶったからだ。
実質的なリーダーだったオーウェンの、「こんな暗くて
じめじめした人生からは一刻も早く抜け出したい」という
想いも、若い彼にしてみれば切実なものだったと思う。
だが残念ながら“傑出”とか“不世出”とかいう言葉は
そもそも世の圧倒的大多数が凡庸であるからこそ
成り立つ訳で、特別な人間なんてそうそういない。
それに、たとえどんな大天才だろうといきなり世に
名を残すような偉業を成し遂げられる訳じゃない。
一夜で飛べる鳥は無し。事を成すのに近道は無いのである。
ウォーレンの青い瞳とフクロウの青い瞳とがダブるカット。
フクロウは300°近くも首が回るが、眼球そのものは
あまり動かず視野は狭いのだそうな。映画の所々で
挟み込まれるオーデュポンの描いた猛禽は、目先の
獲物ばかりに食らい付いて周囲を見回すことを
しなかった主人公たちを表していたんだろうか。
...
結局、彼ら4人に残されたのは、
名声でも劇的な人生でもなく、前科者の烙印と……
手前勝手な理由のために罪もない人を傷付け、
愛し信じてくれた家族を傷付け、そして
己の人生そのものを傷付けたという後悔。
animal は言わずもがな“動物”の意味だが、
他方では“人でなし” の意味でも遣われる。
動物的な本能のみに従って手前勝手に生きる
人間は、えてして周囲の人々を傷付ける。そして、
『若気の至り』だなんて優しい言葉が人生で通用
するのは、それで誰も傷付かなかった場合だけだ。
以上。
インタビューと再現ドラマを混濁させる手法に
よってしか生み出せない人を食ったユーモア、
そして舌先に確かに感じるリアルな人生の苦味。
ノイズミュージックのような硬質なスコアも
全編に不穏さと緊張感をもたらしていてグッド。
非常に楽しめました。大満足の4.0判定です。
<2019.05.18鑑賞>
段取りは大事
ポスタービジュアルの格好よさ、予告のわくわく感、前評判から期待して見たらなんだか肩透かし。
なんと主人公たちメンバー、関係者本人がインタビューで登場するアイデアは面白いと思ったが、フィクション、ドキュメンタリーどっちつかずになっちゃったような。
モト友たちの再会、食い違う証言の答え合わせ、なんてラスト(これはフィクション)があったらなあ、なんて妄想してしまいました。
影響を受けた
高校三年生で一緒に何か特別なことをしたがっていた友達と2人で鑑賞。今観たからこそ感じるものがあったと思います。
同じような人間ばっかの学校で他の人とは違うことを示すためにはなにか特別なことをしなければならないのです。
だけどその特別を履き違えてしまってはならないんだということを学びました。
罪悪感に苛まれながら警察から逃げる姿に胸が痛くなりました。
何度も辞めるタイミングがあったスペンサー。なんなら1回辞退したにも関わらずに人生の転換期を求めて結局参加してしまう。望んでいたものは手に入るはずもない。
この時代に響く作品なんじゃないかと思います。
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