「ラストのライブシーンに心揺さぶられる」ボヘミアン・ラプソディ みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストのライブシーンに心揺さぶられる
意外だった。音楽に真摯に向き合った本格派人間ドラマの傑作だった。本作は、伝説のロックバンド・クイーンの音楽に依存したノリのいい作品ではなく、音楽に関わる人達の想いをしっかり掘り下げて描いた見応え十分の人間ドラマである。
本作の主人公は伝説のロックバンド・クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)。彼は、憧れのバンドのボーカルが辞めたことを知り、自らを売り込み、クイーンのボーカルとして採用され、次第に頭角を現していく。しかし、脚光を浴びるとともに、他のメンバーとの確執が激しくなり、バンドの一体感は失われ、彼は孤独になり、自暴自棄になっていく・・・。
クイーンの名曲を散りばめた単純なサクセスストーリーではなく、彼らを神格化せず、その生々しい実態、負の部分も容赦なく克明に描いていくので、メンバー、周囲の人たちの人物像が浮き彫りになり、セミドキュメンタリーを観ているような迫力がある。妥協を許さない彼らの音楽づくりの厳しさには圧倒される。
主人公は、名声と引き換えに、色々なものを失っていく。主人公の天才ぶり、不器用な生き様、天才の狂気と孤独をラミ・マレックが巧みに演じている。恋人メアリー(ルーシー・ポーイントン)とのやり取りが切ない。台詞は多くはなかったが、二人の仕草に、お互いに想い合いながら、どうすることの出来ないもどかしさ、辛さが浮き彫りになっている。
ラストのコンサートシーンは、圧巻である。画面に吸い込まれてコンサートの観客になったような臨場感がある。それまでの紆余曲折を見せつけられているので、主人公に完全に感情移入できる。主人公の渾身の歌声は、それまでの彼の人生を集約した魂の雄叫びであり、心を揺さぶられて涙が溢れてくる。清々しい余韻に浸ることができる。
本作は、音楽に魅せられた主人公の生き様を通して、音楽の持つ途轍もないパワーを伝えてくれる人間ドラマである。
みかずきさん
おはようございます。
レビューも増えておりますね。
この作品も ラストのステージが
素晴らしくて(^^)/共感です。
負の部分もある作品で
主人公の苦悩がリアルに表現されていました。
ラミ・マレックさん、ナイトミュージアムに
出演されていたこと、最近知りました(≧▽≦)