「枝も栄えて歯も茂る」ボヘミアン・ラプソディ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
枝も栄えて歯も茂る
「俺はパフォーマー。時計じゃない」
僕が10代の頃フレディ・マーキュリーが死んだ
エイズだった
それはコロナで死んだ志村けんとは比べ物ならないほど衝撃的なニュースだった
僕は当時洋楽にあまり興味がなかった
アイドル西田ひかるに夢中だったしロックバンドといえばB'zだった
そんな自分でもフレディ・マーキュリーの死はビッグニュースだったのだ
それをきっかけにクイーンにハマったかと思えばそんなことはなくキムタク主演の『プライド』を観てからクイーンのCDを買いよく聴くようになった
その歳になってやっとクイーンの素晴らしさががわかりはじめた鈍い男
映画館では2019年1月7日イオンシネマ石巻で鑑賞
数日後一関シネプラザでも鑑賞
映画館で同じ作品を短期間で2度観るなんて初めてだったが『ボヘミアン・ラプソディー』だけはそれが必要だった
それ以来3度目の鑑賞
伝説のロックバンドQueenの栄光の軌跡
Queenのボーカリスト(リードシンガー)フレディー・マーキュリーの栄光と挫折
Queenを再現した音楽劇
クイーンを演じた4人の役者がかなり本物に寄せている
たしかにブライアン・メイだしロジャー・テイラーだった
僕はクイーンそのものにはそれほど詳しくなくフレディ・マーキュリーがゲイだったのは知っていたがインド系で出っ歯だったことは『ボヘミアン・ラプソディ』で初めて知った
それを知らずフレディ・マーキュリーを演じた役者の入れ歯を入れたマヌケ顔に自分は侮辱されているような不快な気分になった
さんまの物真似タレントじゃあるまいし
でも映画を観たあとネットで確認したらたしかにフレディ・マーキュリーは出っ歯だった
なぜ気づかなかったのだろう
フレディ・マーキュリーはグラビアアイドルじゃなかったし耳からの情報だけを楽しみ映像の方はあまり観なかったからかもしれない
歌声は殆どが本人でなくだいたいが口パクだろうが違和感はあまりない
どうせなら全てフレディー・マーキュリーにしてほしかったが
記者会見でやりあうシーン好き
記者に逆質問して「多分」という答えに「絶対に違うね」と吐き捨てる場面
自分がマスコミという職業をとことん軽蔑してるからだろう
オープニングからイカしてる
メンバーと奥さんたちでステージに上がり足と手を鳴らすシーン
メンバーにエイズをカミングアウトするシーン
そしてクライマックスのライブシーン
洋画としては珍しくエンドロールで途中退席したくなることなかった
最高です
ブラボー