「賛否両論ありますが・・・」ボヘミアン・ラプソディ もっちゃさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否両論ありますが・・・
映画が現実を完全に再現することは不可能なので、「フレディ役のラミ・マリックが本物に似ていない」とか、「声が似ていない」などと批判するのはお門違いだと思います。「事実が捻じ曲げられている」という批判もよく見受けられますが、ストーリー構成が良くできていたので目を瞑ることができます。テーマを効果的に伝えるために事実を捻じ曲げてしまうことは必ずしも悪ではないと思います。
監督のブライアン・シンガーは『X-MEN』で有名ですが、この作品とボヘミアン・ラプソディーにはテーマとして共通しているところがあります。社会からはみ出した主人公の苦悩、そして家族から離れていった彼らを受け入れてくれる本当の「家族(仲間)」との関わり合いを描き、人々に勇気を与えるということ。インド生まれの父とゾロアスター教徒の母との間に生まれ、さらにゲイであるということは当時は社会から受け入れられてはいなかったでしょう。「ボヘミアン・ラプソディー」の歌詞にガリレオが出てくるのは、異端な考えを持っていた彼に対してフレディは何か思うとことがあったからでしょうか。この映画によってクイーンの曲の歌詞がより深いものに感じられるようになると思います。
この作品では悪役のポールがストーリー構成に非常に良い働きをしていましたね。