「“人の心をつかむ”という不思議現象」ボヘミアン・ラプソディ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
“人の心をつかむ”という不思議現象
これだけ人気を得ている作品なので、マイノリティの遠吠えとして聞いていただきたいのだが、伝記映画としても音楽映画としても、足りてない部分や踏み込みの甘い部分が多い映画だと思っている。それでもこれだけの支持を得て、人々を夢中にさせるものとは何なのか? ひとつには間違いなくクイーンの楽曲が持つ魅力と中毒性だろうし、それ以上に、観客に応援したいと思わせるいい意味での隙のようなものが、この映画が描いているフレディ・マーキュリーにも作品自体にもあるのだと思う。「出来がいい」と「心を掴むこと」はイコールではないとはわかっていたつもりだったが、2018年は改めて「心をつかむ映画とは何だろう?」と考えさせられる年であり、本作はそのきっかけになったひとつだった。しかもムチャクチャ現場がバタバタしていたはずなのに、だ。アラン・スミシー的な映画で最も成功した作品として映画史に刻まれるのではないかと思うと、これまた興味深い一本。
結局「映画に何を求めるか」という話だと思います。
私にとってはとてもよい映画でした。
たぶん、(映画の中での)フレディ・マーキュリーの弱さの部分がみんなの共感を得たのではないでしょうか。
時系列も含めて、創作の部分が大きかったとしても、それは映画(とは虚構ですよね)のできとは関係がないようにも思います。
どれだけ人の心に残るか。それがすべてのような気がします。(「RRR」のツッコミ所をもって「RRR」の評価を下げる人はそう多くはないと思います)
自分は あの頃 Blue Öyster cult のファンで クイーンが 来日した時に 女の子達が 熱狂した事を 思い出しました。
クイーンの音楽は 当時でも ある意味 芸術的であり 映画は 7回ほど 観ました。
やはり、ライブ エイドの シーンの21分間は 感動で 涙が 止まりませんでした。
あれこれ 理屈ぬきで 感動出来る 映画だと思います。
映画館で見ず、家で鑑賞。若い頃はQueen好きでした。あれから時が過ぎ、再びこういう形で脚光をあびるのは嬉しいですが、映画としては素晴らしい。だけど、伝記物として見てしまうと時系列が如何なものかと、、、えっここでこう?みたいなのがありました。私の記憶違いかもしれませんが。
でも、Queenの素晴らしさを若い方々に知ってもらうのにはいい映画でした。ちなみに私はRogerのファンでしたw
アナザー・フレディが作られ本物として広まるくらいなら創作映画にしなくて良かった。と僕は思います。フレディの功績を後世に伝えたいならドキュメンタリーで良い。
娯楽としても曲だよりで曲しか楽しめなかった。後味良くないし。。
僕はクイーンじゃなくて違うバンドのファンですが、彼らの死後こういう映画が作られるのを想像すると寒気がします。
クイーンをリアルタイムで知っている世代です。
特にクイーンのファンではなかったですが、ロック少女だったので常に視野の中にはありました。
確かにクイーンは、後世に残る名曲を残した偉大なバンドだったと思います。
それは、一にも二にもフレディ・マーキュリーという特異なキャラクターと音楽性を持った人の魅力に依るところ大だとも思います。
けれど、この映画は、その魅力を表現しきれていないと思いました。
主役の俳優は確かに熱演だし、俳優としての実力はあるのかもしれませんが、私にはホンモノをひと回りちっちゃくチャチにしたソックリさんにしか見えませんでした。
この映画がたくさんの観客動員数を誇っているというのは、おそらく実際のクイーンを見たことのない若い世代の普段映画を観ない人たちが映画館に行ったからでしょう。
本当にその当時クイーンのファンだった人が、あの映画を観てどう思うか聞いてみたいと思いました。おそらく失望するのでは?
映画としても、作り自体はなんのひねりもなく、単純なサクセスストーリーと、その後の理不尽な運命の反転というありふれたもの。
ただ当時は仰々しくてあまり好きになれなかったクイーンの曲の数々は、今聴くと新鮮で素晴らしくそのことを認識させてくれた点で、私には価値がありました。
そして、最後に流れた本物のクイーンの映像、特にフレディの生前の姿が一番胸に残りました。
それを見て、こんな映画を作るなら、たくさんの残された実写映像を基にしてクイーンのドキュメンタリー映画を作った方が良かったのでは?と思ったのが正直な感想です。
いろんな意見をいただいてありがたいのですが、コメントすることに慣れておらず、放置したようになっていてすません。ひとつひとつへの返信にはなりませんが、思うことを少し書きます。
「本当に支持を得ているのか?」という疑問については、「本当に支持を得ている」のだとしか考えられません。実際、友人知人でこの映画に強い思い入れを持っている人は少なからずいますし、まず、これだけの規模のヒットは、「メディアに踊らされる」というレベルでは実現できないものだと思っています。普段あまり映画館に行かない人たちが興味を持ち、劇場に足を運び、周囲の人にその興奮を伝えた。だからこそ社会的現象になったのであって、中には流行りに乗った人もいるでしょうが(それもまったく悪いことではない)、本当に愛された結果なのだと考えます。レビューからもわかっていただけるように、自分はそこまでの映画と感じませんでしたが、でも確実に、大勢の人の心を動かした作品であったことは間違いがない。おそらく配給の関係者の方々も、予想外だったのではないかと思いますし、個人的には作品よりも現象そのものに興味をかき立てられました。
音楽映画のブームの火付け役はどれなんでしょうか。昔から音楽と映画の相性はいいですよね。近年では『シングストリート』が(これも自分が感じた以上の)評判と人気を呼んだのも印象的でした。ミュージカル映画も、ひと昔前は「流行らないもの」扱いだったと記憶しています。潮目が変わったと感じたのは、随分前ですが『シカゴ』辺りでしょうか。『グレイテスト・ショーマン』については、その前に『ラ・ラ・ランド』があったことも大きな後押しになった気がしています。音楽映画としては『俺たちポップスター』が大好きでしたが、これは全くヒットしなかったので残念ですが。
今後、ミュージシャンの伝記映画が増えそうですね。『ボヘミアン』がクイーン人気に裏打ちされた特例なのか、これから続く作品群も同じように支持されていくのか、興味津々です。
確かに不思議な感覚を持っている映画と思います。考えるよりも先に身体が感じる映画は久しぶり。朝から晩まで4回続けて観た経験は生まれて初めてでした。これは若かった時に映画三昧していたころにも無かった。全編を通して待ち合わせに待たされたり遅刻したりするシーンが組み入れられているのはどのような意図があるのか。11月から他の映画を観る気にならないほど強烈な印象を残してくれている作品です。
さすがはプロ!と感嘆させられる分析ですね。
ところで、音楽映画が多いと感じる2018年でしたが、ブームの火付け役はグレイテスト ショーマンかなと思いました。バッハ。さんはどう思われますか?
それ正論
俺を含め低評価してる人種はけっこういるから、マイノリティじゃないなぁw
それに、良いレビューだから遠吠えなんかでわない
よってその点を訂正すべき
他わ完璧
バッハ。さんへ
確かに「ブーム」ですが、本当に支持を得ているのでしょうか?
憶測ですが、この作品はメディアを通じて一時的な盛り上がりを見せているだけのように感じます。
本当に支持を受けている作品というものは「脚本はイマイチだけど感動した」という風な評価を多くの人にされないと思いますよ。
また低評価の方も割と多くいらっしゃるので「マイノリティの遠吠え」と言う所は訂正すべきかと。
しかし総じて共感できるレビューでした。ありがとうございます。