「invite you to Queen」ボヘミアン・ラプソディ ニャーロックさんの映画レビュー(感想・評価)
invite you to Queen
史実を変えてまで作りたかったのが、コレ?
答え合わせ的な楽しみ方や記憶力を試すにはいいのかも?
ある程度の脚色は致し方ないにしても、絶対変えちゃいけない(その人の性格まで影響してしまう)部分まであるのは甚だ疑問。
やたら点が高いけど、観た人が感動してるのは彼らの音楽に、であって映画にではないと思う。
フレディの出自や容姿のコンプレックス、セクシャリティ、家族や周囲との関係諸々を深く掘り下げる事もせず、あっさり流す。
クイーンではなくフレディの物語を描くなら、もっと彼の本質に迫るようなエグさも必要だったのではないか?
だとしたらライブエイドで終わるなんて中途半端な事はしないはず。
そんな気概もなく、安っぽい感動に収束させる感じが気に食わない。
その感動だってライブエイド頼み。
そしていくら小道具やセットが本物と同じ様に作ってあっても、フレディのちょっとした笑顔やブライアンとの絡みやロジャーやジョンの表情で伺える彼らの気持ちや、観衆の熱気までは再現出来ないのだから本物に敵うはずが無い。
史実をもし変えるなら、ファルークがフレディマーキュリーを完璧に演じた様に、グレートプリテンダーと嘯く様に、観客をドップリ心酔させるくらいの芸術にして欲しいものだ。
まあ監督がかわり、ブライアンとロジャーの意見も却下され、主演も変わり…と色々あったから、仕方ない部分があるにせよ、クイーンと言うビッグネームを使った安易な感動作りに思えてしまう。(金儲けとは言いたくない。企画を出した時はもっと志が高かったかもしれないし、何年かけても頓挫せず公開までこぎつけたから)
ただ、ロジャーとブライアンの新録の20世紀foxのファンファーレが流れた時にはテンションmaxになった。
あと役者は本当に素晴らしかった。
曲は聴いた事あるけど、クイーンというバンド名は知ってるけど、あまり知らない人に本物のクイーンを知ってもらう為の招待状、そんな映画だと思う。
自分も真っさらな状態で見たら感想が随分違ってたんだろうな…。
映画を見終わった後、帰宅してすぐ本物のライブエイド見て、やっぱり興奮して楽しいのに寂しさも感じて号泣してしまった。
全ての人に本物見てほしい!
なんか偉そうですみません。
見る前にハードル上げすぎたせいかも。
もう一回冷静に見て見よう。