また、あなたとブッククラブでのレビュー・感想・評価
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【メインテーマ】
この作品は、コミカルで切なくて、でも、世の中年に勇気も与える。
多分、特に女性の歳を重ねた人に…多分。
良い歳して、恋愛だのセックスだなんて…というセリフは、男性よりも女性に投げかけられがちなように思うからだ。
シャロンの言うように、愛を比喩で語るのはどうかと思う。
人それぞれ、違うものだからだ。
それに、愛は盲目という格言(?)も、恋愛経験の少ない若者に言われがちかもしれないが、いやいや、中高年にだって当てはまる。
さっき、NHKの「おやすみ日本」という番組を見ていたら、30歳くらいの女性からのお便りとして、
「婚活を繰り返して、理想的と思う人と結婚。約一年経ったが、相手に性的魅力を感じません。付き合っている頃から感じないのですが、夫はもっとベタベタしたいようです。尊敬はしていますが、やはり、性的魅力は感じないのです…」
というメッセージが紹介されていた。
解決策は提示されなかったけど、僕は、こういう人とは結婚しないと思う。
僕は離婚も再婚も経験しているけれど、適度にベタベタはする方が良いと思う…というか、ベタベタしたい方だ😁
性的欲求なんて、千差万別かもしれないが、肌が擦れあってゾクっとする感じは好きだ。
ブッククラブは、フィフティ・シェイズ・オブ・グレイをきっかけに、何やら、女子会のようになってしまう。
前に、部下の女性に、女子会の卑猥トークの話をされて、驚いたことがあるが、きっとこの四人も、かなり生々しい話をしていたに違いないと勝手に考えてしまう。
高齢化社会というが、ヨボヨボで長生きするというイメージが、かなり変わって、健康な期間が長くて、長生きする人が増えるような時代になりつつあるようにも思う。
だから、もっと長く働くような環境が必要になるだろうし、そうすれば年齢に関わらず、出会いもきっと増えるだろう。
そしたら、もっと恋愛の機会は増えるかもしれない。
昔、南佳孝さんが作詞作曲した曲が、若い時代の薬師丸ひろ子さんが歌うと「メインテーマ」、自分自身が歌う時は「スタンダード」というタイトルだった。
恋愛のことだ。
もしかしたら、年齢に関係なく「メインテーマ」になる日が来るのかもしれない。
年齢という枷は外して
ダイアンは長年連れ添った夫を亡くしたばかりの独り身、ホテル経営者のビビアンは過去の失恋がトラウマとなり独身に拘る。
判事のシャロンもまた過去の離婚から独身に拘り、キャロルは唯一夫は側にいるものの夫婦仲は冷めかけてる事に悩んでる。
そんな男性欲が満たさずにいる4人は長年仲が良く読書会を開き親交深めてる。
ある日ポルノ小説などを共通して読む事になりそこから彼女らの欲が刺激され求めるようになる。
ダイアンは機内でナンパにあったパイロットと、ビビアンはマッチングアプリで知り合った男性と、シャロンは過去の失恋の相手と、そしてキャロルは夫と以前のような関係を築こうと各々励む。
ただ現実はなかなかうまくいかない。そこには各々これまで長年独身を築いてきた変なプライドや今更恋愛する事への躊躇いや恥ずかしさ…各々が自分の年齢を枷としてその先に進むことをやめてしまうわけだ。
ただこの作品は男性人が素敵である。年齢なんて関係ない、今からだって新しい事にチャレンジする事は素晴らしい事なんだ…このような考えを持っているものばかりで最後は彼女らはその考えに背中を押され恋をする事で話は終わる。
昨今このタイプの作品はよく目にするがこの作品の面白いところは序盤はこれでもかというくらい高齢者とセックスを交えたコメディシーンをバンバン挟んでくる。
あまりの多さに若干胃もたれしたが、シャロンの夫のバイアグラシーンは声が漏れてしまう程笑わせてもらった。流石にあんなに即効性はない(笑)
最終的には年齢は関係なく、いくつになっても新しい事に挑戦していいんだというよく見るストーリーとはなるが序盤の「性」を絡めたコメディシーンが新鮮味があり楽しませてもらった。
もちろん本人たちが自ら課する年齢による枷もそうだが、この作品で言えばダイアンの娘たちの様に周囲が必要以上に高齢扱いをし、故に自由を奪ってしまう事への愚かさもこの作品では学べる。
高齢者を大切に扱うことはもちろん大切なことであり素晴らしい事ではあるが、必要以上に介入する事はかえって自由を奪い老いを早めてしまう事であろう。
笑いあり、そして感動あり、そして勇気をもらえるとても良い作品であった。
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