「良作」うちの執事が言うことには milkさんの映画レビュー(感想・評価)
良作
面白かった。
前に原作1巻だけ読んでたので、どうなってるのかなと見に行ってみました。
主人公は、確か原作だと18にして既に博士課程まで修了して研究者だったはずですが、映画では学士修了のみ、また原作ではもっとクールな頭脳派に感じましたが、映画の方は少し子供っぽさが残る設定に感じました。
最後まで観て、子供な主人公が使用人を従えながら当主として責任を負っていく決意をするという成長を書いてるので、あえて初期は原作より頼りない感じにしたのだなと思いました。
その分、周りが主人公についていこう思う説得力が別の所で必要なわけですが、主人公演じる永瀬さんの愛される演技がいい説得力になってたと思いました。見た目も可愛いですけど、声がとても温かくて優しいんですね。
あんな声で主人から声をかけてもらったら、尽くそうという気になってしまうなと思いました。
最後のシーンで主人公が泣いてしまうのですが、演技なのかホントに泣いてるのかわからないんですが、ほんとに泣いてるドキュメンタリーを見ているようで、ちょっともらい泣きしかけました。まわりも鼻すすってる人がいました。
冷静に考えると、そこまで泣く場面かな、と思ったんですけど、子供が本当に泣いてるともらいなきしそうになるじゃないですか。そんな感じです。だから本当に泣くところではないのに泣いていたのかも?
執事は、原作を読んだときはもっと切れ長のシュッとした感じのイメージだったので、最初はたれ目の方であれ?って思いましたけど、現実離れしたスタイルがあってましたね。
原作だと、主人公がより大人っぽく、執事の方がちょっと子供っぽい部分があって対等なイメージでしたが、映画だと完全に執事が包む方という感じで、その感じに、演じた方の優しい顔があってましたね。
赤目君は、原作のイメージより可愛い感じに寄ってましたけど、この映画自体の優しい感じにあってたと思います。
演じてた子は目がすごく大きくて、感情を目の動きひとつで表現できてて羨ましい。
感情の高ぶる場面も迫力があって、冷静に考えると、なんだよその動機・・人怪我してんだぞと思ってしまいますが、観ている間は引き込まれて考えませんでした。
ほかに原日出子さん、奥田えいじさんも主人公を優しく見守って、ほんわかしました。
まあ、主人公に何も言わず出立するのは映画の脚色とはいえちょっとひどいと思いますけど。
偶然ながら、丁度皇位継承と重なったのも面白いです。
しかも映画の中で「調和」、「輪」、「和」
という言葉が何度も出てきて、令和を思い出しました。偶然ですけど時事的にテーマが重なって面白かった。
プロットが面白いというよりは、可愛いもの、優しいものと温かいものと美味しそうなものが沢山出てきて癒されたので、もう一回見に行こうかなと思っています。