英国総督 最後の家のレビュー・感想・評価
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独立がゴールではない
総督の家での、インド独立前夜の人間模様を描いた一作。
よく出来すぎていると感じなくもない(総督一家のキャラクターやラストのアーリアとの再会など)。
それでも短い時間の中で多くの人々を描いて上手くまとまっていたと思う。マウントバッテン卿、チャーチル、ネルー、ガンジー、ジンナー、そして総督の家で働く人たち…
そして暴動、虐殺の数々。
総督の家の中でも資産を全てインドとパキスタンに分けているのには驚いた。
国境の発表は独立を人々が祝ったあと。
その後に移動を余儀なくされた人々。独立で全てが収まるわけではない、現実が待っている。それでもアーリアとの再会に希望を託したエンディングだったのだと思う。
百科事典も80:20
インド独立の実際にあったであろう側面を知ることができました。マウントバッテン卿は少しよく描かれすぎかもという印象です。短期間では様々な無理が生じる、かといって時間もかけられない政治的判断の駆け引きと苦悩。
とても勉強になる映画
また一つ知らなかったことを知ることができました。
そうか、国が独立するというときには こういうことが行われているのか。
新たに引かれた国境線によって、どんなことが起きるのか。
そこに住んでいる人たちの暮らしを想像することができました。
歴史の授業で学んだ知識を、実感として味わうことができました。
この映画を見終わった後、あまり馴染みがなかったパキスタンについていろいろ調べました。
この映画の影響で、パキスタンのことをもっと知ろうと思うようになりました。
観るとためになる
インド映画好きじゃなくても今後のためにためになるので観るといいと思う。
どこの国の映画でも、歴史を知っていると話もすんなり入ってくる。逆に知らないとなかなか理解出来ない作品も多いと痛感している。
ジートとアーリアの恋愛はわりとおまけ的なのかもしれないが、ジートが再会して直ぐにアーリアにつきまとう(失礼)もんだから、ちょっと引いてしまった。まぁ、長年想ってた彼女に会えたから、なんだろうけど。ちょっとしつこい。
アーリアがマイク引っ張ってジートを呼ぶシーン、すげぇと思った(笑)
それにしても総督の奥さんがすごいな。一見冷たそうだけど、慈悲深い。総督が、自分より政治に詳しくて(苦笑)みたいなシーンがあったけど、行動力もあり、政治家に向いてそう。猫背が特徴的だった。
しかし300年も支配してたんだね…。
植民地って言葉がすでに悲しい歴史の代名詞にさえ思えてくる。
見応えのある作品だった。
史実を知らなかった
恥ずかしながら、インドとパキスタンの歴史的背景を知らなかった。総督邸で使用人として働く若き男女が愛し合いながらもそれぞれ宗教が違い、インド、パキスタンで揺れ動く激動の狭間で引き裂かれることを通して、インドパキスタンの分離独立を描く社会派映画。300年にわたり支配していたイギリスがそもそも仲違いさせ、統治し、また自国の将来にも有益になるよう分離させるという、大国の戦略によって、何百万人もの命が失われ、未だに紛争の火種は残ったままだ。ジリアン・アンダーソンは久々に見た。
パキスタン、インド分離の背景と、マウントバッテン卿が果たした役割が良く分かる歴史良作
この映画は1947年、英国植民地だったインドが独立する過程をかなり忠実に描いている。(併せて、大英帝国の弱体化も仄かに臭わせている)
独立前、ヒンドゥー教徒とシク教徒で構成される国民会議派とイスラム教徒を代表するムスリム連盟の闘いが激しくなっていく中で、歴史上に名を残すガンディー・ネール(インド単独独立を目指すが想いはやや異なる)、ジンナー(インドと別れてムスリムによるパキスタンの建国)の駆け引きが描かれる。
が、この作品が優れているのは政治的駆け引きの結果、インドとパキスタンに分断されたあとのインド国民が直面した数々の悲劇に焦点を当てている点である。この辺りの詳細は余り知られていないからこそ、見所が多い映画である。
宗教の違いから、思いを寄せる男女が引き裂かれるシーンをこの歴史的悲劇の象徴として描きつつ、マウントバッテン卿の苦悩も表現している。
印象的だったのは、
・マウントバッテン卿の屋敷で働いていた使用人たちが、インドかパキスタンかを選ぶシーン
・チャーチルがインドとパキスタンの国境線を英国に有利になるように引くシーン
・その国境線の引き方の結果、長年住み慣れた土地から移住せざるを得なくなった人々(1400万人と言われている)の混乱と各地で起こった虐殺(100万人と言われている)
私たちのすぐ近くの国でも、この数年後に同じ愚行が行われた結果、現代、何が起こっているか。又、インドとパキスタンの軋轢が今でも続いている事実を考えても、この映画は観る価値が十分ある。
当時の人々の宗教、立場によって異なる衣装も美しく、当時の英国総督の家(現在は、インド大統領官邸:ここで撮影された)内の装飾も見応えがある。総合的な完成度が高い英国近代歴史映画の秀作である。
<2018年9月3日 劇場にて鑑賞>
タイトルなし
1947年
大戦で疲弊し植民地の面倒を見られなくなったイギリスはインドの独立を決定
マウント・バッテン卿は最後のインド総督として主権譲渡のために派遣されることに
この映画はマウント・バッテンが総督官邸にやってくるところから始まります
.
英国領インド最後の6ヶ月間
誠実なマウント・バッテン卿
インドへの愛を示す妻エドウィナ
ヒンドゥー教とイスラム教の対立
ガンジー・ジンナー
渦中にいる人々の苦悩
混乱・衝突・暴動・虐殺・難民・移動・流入
インド・パキスタン分離独立に至るまで
描かれています
歴史がよくわかります
.
.
監督は分離独立の映画製作中
マウントバッテン卿の甥の息子
🤴チャールズ皇太子に出会い
『本当にあったことがわかるから』と
マウント・バッテン卿の個人秘書だった
ナレーンダル・スィンフが書いた
📕「The Shadow of The Great Game」
を薦められたそう
インドと西パキスタンと東パキスタン
「ガンジー」で描かれたインド独立の話を、最後の総督マウントバッテン卿の視点で描いている。
独立運動が宗教対立から分裂、イギリスのチャーチルは自国の利益さえ確保できればあとは・・・、というスタンスに。
分離独立での死者は100万人、この映画の監督はインド人。
インドの歴史を知るにはいい映画
インドとパキスタンの関係性をよく知らなかったので、勉強になった。
歴史的史実とはいえ、宗教によって、やっと独立できる国が分断されるなんて。
その争いは、今も世界のどこかで続いている。
二本立て二本目。 ジュリアン・ムーアかと思ったらジリアン・アンダー...
二本立て二本目。
ジュリアン・ムーアかと思ったらジリアン・アンダーソン。ほんと区別出来ない。ジュリアンとジリアン、名前までややこしい(笑)
インド、パキスタン独立の話。恥ずかしながら全く知りませんでした。かなり衝撃。選択が日本史だったもんで、と言い訳。
そんなに悪い人はいなさそうなのにどうして?
宗教って人間が幸せになるためじゃないの?
とにかく人間が宗教に毒されているうちは世界に平和などやって来はしない。目を覚ませ!
勉強になるし、悲恋など映画的な要素も取り込んでもいるし、重厚な良い作品、考えさせられます。パキスタンでは上映禁止なんだとか。なんか悲しいですよね。
歴史は・・・
歴史は勝者が、強い者が造る。勝者は英国のみ。
だがこれからはアジアの時代(日本除く)!
印パのことを知らないけど、映画のより実情は厳しきかったものと思います。恋愛を交えてると何か焦点がブレてきますが外すと興行として難しいのでしょうか?
独立とは多大な犠牲がつきものなのか!
インド、東西パキスタンが分離独立した歴史とはこういうものだったのかと深く感銘を受けました。闘いの無い独立は有り得ない、多くの犠牲無くしては国家の独立、民族の自決はないのだという歴史の真実を再認識しました。
インドのムンバイやマハトマ・ガンディーの出身地グジャラート州に3回滞在し、パキスタンのカラチ、イスラマバード、ラホールにも仕事で行った経験から、ガンジーの目指した統一インドの夢やネールの現実的な選択を複雑な気持ちで見ました。
第二次世界大戦の日本とチャンドラボースやインド独立義勇軍との関係やアジアの国々の侵略と同時に欧米からの解放独立を目指し、結果的に多くの独立を得た大東亜戦争の意味をも深く考えさせられる映画でした。
日本が東京裁判で侵略、平和への罪で裁かれている時に、まさにインド、パキスタンでは多くの犠牲を払い、英国からの独立運動が行われていたのであり、同時期にインドネシアではオランダの再植民地化に対する民族独立戦争があり、ベトナムではフランスによる再植民地化・インドシナ戦争が起きていたという大英帝国、欧米列強のしたたかさと強欲さを思い起こさせるものでした。
インド凄惨な日々を知る
昔旅したインドの歴史。
インドが分かれてパキスタンになった、という事実だけは知っていたけれど、ここまでの凄惨な大騒動になっていたとは、今の今まで全く知りませんでした。
植民地支配していた国の都合で、これまでの隣人が敵と化すとか、信じられない話だけど、実際にそれを経験した人が撮ったものとなれば、疑う余地はありません。いい勉強になりました。
恋に落ちる若者たちに関しては演技が薄くて、展開もなんか陳腐だけど(お父さん!気づいた時点で娘にとどまるように言ったらよかったのに!)、数多生まれた出来事の中の一例、として受け止めます。
宗教は皆正しい
脳内花畑な宝塚歴史演劇。もう、どう言えば良いのやら。いや、予告で分かるだろう、見るなよ、俺〜〜!と、自分を呪ったのも途中まで。分離独立の委員会立ち上げあたりから、俄然面白くなり、最後には鼻啜り上げるくらいに入り込んでしまった。
インド旅行した時、タージマハルでガイドさんが説明してくれた。
「元々インドにムスリムは居なかった。ここを建設する為に奴隷、彫刻家として連れて来られたのがムスリムの起源。完成後、他所で同様な建物を建てられない様、手を切り落とされた」
事実のほどは定かでは無いが、出自が奴隷であったことは確かで、故にジンナーは「アメリカの黒人の様にはなりたく無い」と発言し分離独立を頑なに要求する。
恋話は、余計なオマケ扱いだと思うんですが、「愛より安全を取り別れを選択」と言う象徴的な行動、ラストのオチ作り、の二つが役割だった様ですが、最後は彼等に泣かして頂きました。ただ、この二人の周辺だけ、別人が脚本書いたんじゃないのかと思うくらいに浮いてるのは気になる。
「宗教は皆正しい」
やっぱガンジーの言葉には普遍性あるよなぁ、って思いました。
政治により人と人とが分断されてしまう悲劇の物語と言えるが当の政治家...
政治により人と人とが分断されてしまう悲劇の物語と言えるが当の政治家が悪であると決めつけるのではない視点が重要である。この映画は統治する側も1人の人間であると描いているため優れていると言える。
面白い
ニュースで耳にして常に不安定な情勢のイメージはあっても、実際のところ何故そうなっているのか、みたいなのは教科書的にしか知らなくて人々のことまで想像が及んでいなかった。
これは原作があるので、読んでみたい。
ただ!恋愛いる?そこに当て馬的に出す必要ってある?とちょっと白けたかなぁ。もう少し政治側のモヤモヤのところを見たかったな。
宗教が人を殺してる感が強くて、人を助けず苦しませる宗教に意味があるのかねぇ、と思ったり。出てくる人がみんな悲しんでて誰も幸せになってない。英国の一人勝ちだとしても、その「英国」っていうのが概念で、その勝ちがもたらす結果って強国の誇りみたいな割とグッとくるものではないなあと。英国が米国みたいにファナティックに誇りを見せてやれ!みたいな国民性だと思えないだけに余計に。
イギリスのしたたかさに振り回されるインド
正直、映画を見る前は、ポスターの暖色系の感じからして、もっとのほほんとした映画かと思った
観始めたら、とんでもない
しっかり社会派の映画だった
人間って、どうして仲良くできないんだろう…
と思いつつ、最後にはボロボロ泣いてしまった
1947年
インド独立の年、最後の英国総督として、マウントバッテン卿が赴任
マウントバッテン卿は、インドを平和な状態で引き渡すために、イスラム教とヒンズー教の指導者と話し合いの場を持つが、宗教間の対立は激化するばかりで…
時代的には、チャーチルが首相で、現エリザベス女王のお父さんのジョージ6世(「英国王のスピーチ」の王様)の頃なので、映画好きな人には、割と観やすい時代かと思った
それまでインドを統治していたイギリスの総督 マウントバッテン卿は、平和な状態でインドを解放しようとするが
既に、国はイスラム教、ヒンズー教、シーク教で分裂状態だった
そのため、イギリスはイスラム教の人たちが暮らす国、パキスタンを作る提案をする
パキスタンという国は、こうして作られたのか!
という、私にとっては、学びの映画だった
しかし、その裏には
イギリスが、利益を生み出すためのしたたかな試算があって
そのために、宗教間の対立を放置していたという告発をした映画でもある
その結果、多くの人々が、信仰する宗教によって住む場所を制限され、強制的に移住させられることになった
もしも、お互いの人種や宗教を尊重していれば
失わなくてもいい命がたくさんあったかと思うと、それだけで泣けてしまう
ここで描かれている1組のカップルは、その運命に巻き込まれてしまう
彼らは、その時、引き裂かれた人々の象徴である
それは、明らかにイギリスの黒歴史であって
この時のパキスタン建国の経緯を思うと、「パキスタン人はイギリスに入国禁止」なんて言えないじゃないかと思ってしまった
けれど、こういう黒歴史をそのまま映画化するところに、イギリスの懐の深さがあるのかもしれない
ちなみに、マウントバッテン卿の奥さんは、X-ファイルのスカリーなんだけど、エンドロールで名前観るまで気付かなかった!!
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