「極彩色のアンダーグラウンド」Diner ダイナー aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
極彩色のアンダーグラウンド
蜷川実花色が全面に出ていながら、藤原竜也のいつものキャラで押し切る。どちらも好き嫌い別れそうで、50%x50%で興行的には25%になりそうな気もするので心配。なんて観る前には思っていたが、予想以上に楽しめました。
原作は読んでないが、元殺し屋の天才シェフ"ボンベロ"がいる殺し屋専用のレストラン、という設定は凄い。これだけでなんかワクワクする。ジョン・ウイックで殺し屋向けのホテルが出てくるが、あんな感じ。
その設定を横軸にして、縦軸として放り込まれるのが、親に捨てられ人間不信で孤独、生きる意味を持てなくなってきたヒロインの大場香奈子(大バカな子)。馬鹿なことに巻き込まれ、ギャングに囚われ、そのボスの意向でこのダイナーへ。
このヒロイン役の玉城ティナが、とてもよかった。スラッとしたモデル風美女ながら、大きな目がいろんな表情をする。最初は生き残るために哀願し、ボンベロに従いウェイトレスを勤めるが、やがてそこに居場所を求め始める。華やかさがあるので、次はコメディで見てみたい。
傷痕だらけの優しい殺し屋、スキン役の窪田正孝も好演。癖のあるキャラクターを渋く演じてみせた。新しい「東京喰種」も楽しみだ。
蜷川監督の作品らしく、常に不思議な装飾が画面に映り、そこに妖しい色の料理が存在感をもって彩を添える。さらに、終盤の怒涛のアクションシーンは、ほぼ花びらが散っていた。独特の映像美に加えて、バランスの良い展開で、エンタメとしても楽しめた。
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