「店内の装飾の趣味が悪い。」Diner ダイナー キャンティーンさんの映画レビュー(感想・評価)
店内の装飾の趣味が悪い。
映画【Diner】。
平山夢明さんの小説が原作で。漫画化もされている。原作ではまり、漫画も面白い。なのでこの映画の予告を観た時は凄く嬉しかったし震えたほどだった。ボンベロ役の藤原竜也さんの演技も光っていたし【ボンベロはもっと落ち着いているイメージだったが】、オオバ カナコ役の玉城ティナの制服も可愛かった。
他の役者さんの演技も凄く熱が入っていた。
ただ、原作を改悪しすぎではないだろうか?
例えば冒頭のカウボーイとディーディー。
カウボーイは原作通りだったが、ディーディーはむしろ常識的な思考の持ち主だったはず。
例えばハンバーガー。あれはあんなに毒々しい黒色のバンズなの?食用が沸き立たない。
まぁー、究極の六倍については、なんとも言えないが。
そして、尺の都合上仕方ないが炎眉は、もう少し掘り下げてほしかった。
あと、店内はアーリーアメリカンな感じと原作で言及されていて、確かにソファーもジュークボックスもあったわけだが、全体的に雰囲気が悪い。仮にもDiner【飯屋】なわりには食欲を減退させるような装飾、色合いをしているし、ボンベロの趣味とは思えない。
あと、出てくる料理が奇抜すぎて全体的に美味しそうに見えない。
唯一、スキンのスフレについては美味しそうに見えたが、このストーリーには料理が美味しそうに見えることは必須だと思うのだが……
が、何といっても全体的な舞台演出。不自然極まりないし、他の方のコメントにもあったが
【安っぽい】。いや、演出の【え】の字も知らない素人が言うことではないし、そりゃもちろん映画監督の個性が出るのは当たり前なのだが、映画の全てのシーンがわざと映画のセット感をだしている。
もちろん好き嫌いは千差万別なのだが、冒頭の
通行人の流れからの学校の合唱シーン。中盤のカナコの回想シーン。東西南北の幹部の召集シーン。バトルアクション。たぶんわざとなんだろうが、舞台感がしつこすぎると思う。
まさに現実離れした映画だ。
あと、細かな変更点を挙げるときりがない。
カナコの年齢とか【まぁー、これは仕方ないが】
もちろん良いと思ったこともある。
キッドの狂喜は良く表現されているし
原作での疑問点やぼかされていた部分が、はっきりした部分もあった。
観るなら原作を読んでからが良いと思います。
原作が、こんなかんじだと思われたくない。
小説が無理なら漫画の方を読んでみてください。