「水彩アニメ」大人のためのグリム童話 手をなくした少女 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
水彩アニメ
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というジャンルはないんだろうが、高畑勲のかぐや姫の物語と通じるようなかなり個性的なアート作品である。ストーリーはグリム童話の一つとのことだが、確かにこの内容は小さいお友達にはキツいかも知れない。そもそもの原因の父親と悪魔との契約であっても、はっきりと悪魔は娘が欲しいとは言っていないしね。あれは騙しだろうと思うと、今の詐欺事件に通じる部分なのかな?
まぁでもそこからの父親の欲に塗れた行動は寓話とは言えなかなかリアリティがあり、迫真である。それをこういうアニメーションで表現するという技術と方法は素晴らしいと思う。素晴らしいと言えば、かなり大きい音で聴覚効果を表現している点。画以外は、かなりリアリティを追求していると強く感じた。
そしてリアリティと言えば、排泄行為や、出産行為、そして母乳の迸らせ方等々、通常はこういうシーンはあまり日本では演出しないものだが、こういうところにフランスの表現の深さを感じ取れる。
クライマックスでの、三人が蝶となって飛び出すシーンは、自分なりの解釈とすればもうこの三人は以前の段階で亡くなっていて、その魂が三人を巡り合わせたという事だと思うのだが、飛躍しすぎかな?それ位、ラストの幻想的なオチは突拍子もなかったが・・・
まぁ、寓話なのだから目くじら立てず、理不尽にも手を斧で切られるというショッキングな出来事からのドラマティックさを叙情感をもって没入すればよいと思う。
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