「悪魔にすら愛想尽かされる美」大人のためのグリム童話 手をなくした少女 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔にすら愛想尽かされる美
日本風のアニメに慣れた目には
ちょっと単純な絵に見えてしまうけど
その絵からしっかり細かな感情が
ちゃんと伝わって来てなかなか切ない〜。
人間の根源的な醜さと、
それを跳ね返してしまう程の
悪魔にすら愛想尽かされる精神の美しさと
強い愛が交互に表現され、
時にエロチックで、時に少々グロい表現もあり、
とても内容の濃い、まさしく「大人のためのグリム童話」
ハリウッド系や日本のアニメとは全く違う世界を
ぜひ、観て欲しいと思いますね〜〜。
で、月に8本ほど映画館に通う中途半端な映画好き的には
墨絵の様な柔らかな輪郭、例えるなら鳥獣戯画
(蛙と兎が相撲をとってる教科書に載ってたヤツ)が
動き出した様な絵に、水彩画っぽい優しい色の四角が
その人物を象徴して浮かび上がる。
先日亡くなった高畑勲氏が以前に、
あるヨーロッパのアニメ、墨絵が動きだした様な作品を観て
それに影響されて
「ホーホケキョウーとなりの山田くん」を作った!
と聞いたが、まさにそのヨーロッパアニメの系譜を継ぐ作品。
元になった原作のグリム童話では、
紆余曲折の末「めでたしめでたし」なのだそうですが
この映画自体は「めでたしめでたし」とは言い切れない〜
そこが観る人に委ねられている。
私は「真の楽園は結局そこなんだ〜」とちょっと切なく感じた。
大人にぜひおすすめです!
@もう一度観るなら?
「数年後に映画館で〜。
歳を取ったらどう感じるのか?その違い確かめたいわ」
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