「カッコ良すぎ!」大人のためのグリム童話 手をなくした少女 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
カッコ良すぎ!
とりあえず、出だしは不慣れで荒々しい画風に辟易するかもしれない。しかし、その絵が徐々に効果的になっていき、作品すべてを彩る要素となることは間違いないので、シンプルしすぎる音と音楽にも負けないで、煌びやかな作品であることを信じて、鑑賞したい作品。
この作品は、クリプトキノグラフィーと呼ばれる手法を用いているらしい。これは「暗号」を意味するクリプトグラフィーと「映画」を意味するキノを組み合わせた監督のセバスチャン・ローデンバック自らによる造語だとか。あたかも唯一無二のように聞こえてしまうけれど、個人的には故人となってしまった日本アニメの巨匠の影響を強く感じた。似てるからどうのこうの言うつもりはないが、よく分からない言葉がどうも気にくわなかっただけ。内容はかぐや姫より面白かったと思うし、こっちの方が好みだし─。
ひとりでほとんどの作画をしたらしいが、それによる粗も感じるし味わいも感じるし、苦労も感じられて、とにかく絵に不思議と引き込まれてしまった。絵の質は高いとは思えないけれど、芸術性は非常に高い。と言うと我ながら胡散臭い表現だと思ってしまうけれど、印象派の絵をどう思っているのか─その感覚がこの作品に対する評価に大きな影響を与えるような気がするということ。
個性的な絵とか線が長時間にわたって自由に動き続けることって、それだけでも凄いと個人的には思ってしまうのだが─。
エンディングのメロディーも非常に良かったので、凄く好感を持ったし、何よりもカッコいい作品だと思った。
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