「池井戸作品拒否症者のボヤキ」七つの会議 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
池井戸作品拒否症者のボヤキ
ごめんなさい。話としては悪くないし、映画としての出来は間違いなく良いと思うけど、隠蔽内容に白けてしまった時点でアウトでした。技術的な部分も、もう少し真面目に考えて欲しい。
以上
追記
映画で見たことが原作通りだとしたら。社会派を名乗るのであれば、もう少し真面目に取材して欲しい。
航空機には数多くの部品が組みつけられています。座席だけじゃ無い。空調機器、配管、電子・電気機器、隔壁、室内の内張り、床、オーバーヘッドコンソールなどなど。それらの部品は航空機の製造現場で機体に取り付けられ、取り付けに使用されるボルト・ナット・スクリュー等は、おそらく数万点に及ぶ。航空機のメーカーは、これらのボルト等に独自の技術基準を設け、自らが設計し、自らが調達しているはずです。TKDが強度偽装したボルトは「座席の取り付けボルト」でしたが、それ、あり得ません。座席の取り付けボルトは、航空機メーカーが自分でどこかに発注し、直接納品を受けるはず。そもそもこの会社、営業が色んな事やり過ぎです。営業の仕事は物を売ること。部品の調達は購買部門ってのがあるでしょう。また航空機の座席は軽量化のためにアルミのフレームを使います。取り付けボルトがチタンで引っ張り強度が230kNとか、あきらかに、あきらかに、笑っちゃうくらいのオーバースペック。ボルトが強すぎてフレームが、逆に簡単に千切れます。
取材が足りないどころか、ほぼ、やってないでしょ、って思う。
主要登場人物の、役者さんの演技は良かったので★3つってことで。野村萬斎と香川照之の対決は、見ごたえありました。
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追記(2/5)
ちょっと考えてみたんでですが、仮に、「アリー」のガガの歌唱部分だけを、歌唱力ゼロの「俺」が吹き替えたとしたら。その歌に熱狂する聴衆を描くシーンは、コメディにしかならない。へたっぴな歌に熱狂する観客なんて、現実には居ないから。見る人を感動させるには、その対象に相応のリアリティは不可欠だと思います。大人が見る映画には、大人を納得させられるだけの。子供が見る映画には、それなりの。
リアリティの欠如した変てこな会社の中で繰り広げられる、表情筋収縮限界競争(顔芸大会)が、質の悪いコメディに見えてくる後半戦。「会社と社会正義の相反に、サラリーマンはどう向き合い何をすべきか」と言う、池井戸お得意の主題に難癖をつけるつもりは無いけど、飽きつつあるのも事実です。
ポチさんへ
私、野村萬斎は好きなんです!のぼうの城は彼以外じゃ映画になってないでしょうし。ただ、同じ調子で現代劇は、ポチさんの言われる通りに違和感アリアリでしたね。芝居がでか過ぎるw
コメント、ありがとうございました!
シャンタルさんへ
コメント、ありがとうございました!
映画も小説も、所詮は創作物。特に、この類の映画に「リアリティの追求」など、もともと期待してません。営業パートは「さもありなん」で見れたのですが、自分自身が身を置いている製造業領域に入った途端、「リアリティの欠片も無くなった」ことへのボヤキです。
座席のリコールになりそうな偽装ネタを創造してみろと言われれば、「出所不明の再生アルミを使ったフレームでコストダウンして強度不足」とか、「もともと、高張力鋼板を使っていた部品を鈍ら鋼板に変えてコストダウンし強度不足」等々。普通のエンジニアなら、幾らでも思いつくのに、なんでまた、あんなネタにしたのかと。TVで見た「下町ロケット」でも感じたのですが、技術を扱うネタは池井戸氏のドメインでは無いと思います。それらも理解した上で、エンタメとして楽しめれば良かったのですが、白けてしまって楽しめませんでした。
それと「今の日本はそんなもの」と感じさせてしまう、最後の独白には異論ありです。明らかに、各種業界のトレンドを無視した発言です。不正の根絶は不可能だと言う事は理解していますが、例のクレーム隠しと同類同様の製品不正をなくそうと言う、官民一体の諸努力も、池井戸氏は勉強すべきだと言いたい。「変わろうとして頑張っている」のが、「今の日本」です。
巫女雷男さんへ
コメントありがとうございます!
試験機が島津?そこ、気づきませんでした!巫女雷男さんこそ、さすがです。と言うか、私達、映画の見方を間違えてるかもしれませんね、笑
いずれにしても、ツッコミ所は違えども、製造業のエンジニアが見たら、総ツッコミを受けそうな内容でした。隠蔽した危険性の技術的な妥当性は、物語の核心だと思います。も少し、どうにかならんもんかと…