劇場公開日 2018年7月28日

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「現地の立場を考える」沖縄スパイ戦史 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5現地の立場を考える

2020年10月21日
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鑑賞方法:VOD

第二次世界大戦末期の沖縄を軸に、あまり本土(分かりやすく沖縄以外を本土と記載します)では知る余地が無い平均年齢16歳の少年兵による「護郷隊」や山下虎雄のマラリア事件、本土の軍人による虐殺事件等を語るドキュメンタリー。

「戦争の話であり、当時と同じ若い人達に観せるべき」と考えている人もいる様だが、何言ってんだかと反論したくなる。そこがテーマじゃなかろうに。
年齢層など関係無い。
皆が対象で特に本土に居る人間が知るべき話であり、今後の世界も考慮出来る話であるのだ。

また、右○だの左○だの考えずに観て頂きたい。
そのままの過去の事件として。

召集令状により稼ぎ手を奪われた女や子供達。
利用される人々。
当時の彼ら彼女らが日本軍に利用されて行く姿は純粋であり、現代にて淡々と語る姿には嘘が無い。

現地が語ら無ければ、実感が出来ない事はあるよね。
最近だと「福島原発のトリチウム水をどうするか?」とか。
「実際に東京電力のエリアである関東から海に流せばいいじゃないか?」等の案。関東圏どれくらいの人が関心ある?
深刻なのだよ。福島の現地から観れば。

同じ様に別件で沖縄は真面目に考えている。
今の沖縄は中国などの脅威などにより、日本の第一防衛線的役割を担わなければならなくなっている。
どうすれば良いのか。
沖縄スパイ戦史の二の舞にならない様にするには?と。

ウチらの土地が遠いからなどの理由にて、ソッポを向いていてはいかんと思った映画だった。

現地の立場を考える。
香港だってそう、クリミアだってそう、カシミア地区もそう、ウイグル自治区だってそう。
過去と今あるべき状況を知らなくては。

勉強になる映画です。

巫女雷男