「『プロフェッショナル』の話」劇場版 SHIROBAKO ちゃんすみさんの映画レビュー(感想・評価)
『プロフェッショナル』の話
リアタイでテレビアニメ版を観ていた以来のSHIROBAKOで、大変感動しました。
テレビアニメ版では描けなかった、「プロとしての道を歩み始めた5人」だからこその葛藤や悩み、そしてプロのクリエイターとしての意地や美学を、アニメーションを作る人間ならではの、幅広い表現手法で描ききった素晴らしい作品だと思います。
自社の落ち度でもないのに容易く受ける打撃
元請けからの馬鹿にしたような扱い、
世間の評価、
変わっていく環境。
その中でコアになるものがムサニのスタッフさんたちそれぞれにあって、なんだかんだでみんなで寄せ集まって、各々力をつけたみんなでもう一度、アニメを作る。
原動力は「アニメが好きだから」。だけどそれだけじゃダメで、ほかになにを乗っけたらいいのか?なにをしたらいいのか?
宮森はその問いに「とりあえずやってみよう」で動いてみて
壁にぶつかった時に、プロデューサーとして、
『クオリティ』で結果を出すと答えを出したわけで。
わたしは宮森のすべてが、そしてムサニの仕事ぶりの誠実さが素晴らしいな、と思いました。
われわれ社会人は、就いた職に憧れていようとなかろうと、そしてどんな業種職種であれ、何かを作りあげる『プロフェッショナル』として働いています。
プロは成果物が一定のクオリティであることは当たり前で、その上で、時に忌憚のない意見や納得のいかない手前勝手なクライアントの都合でボコボコにされます。
でも仕事だからしょうがない。
とりあえずやってみよう。作ってみよう。足搔けるだけ足掻いて、前よりももっと良いものを作って、それからのことはそれから考える。
こういう瞬間は、きっとどんな業種にもあることでしょう。
SHIROBAKOは、アニメ業界という一例を通した、『プロフェッショナル』の姿勢の話なんだ、と思いました。
ふんだんに使われた多種多彩な演出や、作画、カメラワーク、歌、演技、CG、シナリオなど、劇場版SHIROBAKOを構成していた全てが、プロ意地でできているんだと思うと同じ『プロフェッショナル』として胸か熱くなりました。
そして宮森の心の内をロロとミムジーに喋らせているシーンが随所にありましたが、唯一宮森の表情を一切見せないラストの演出がとってもとってもアニメ屋の感情表現という感じがして好きです。
浅学なもので、お仕事アニメとカテゴライズされ、こんなにも美学を感じる作品をわたしは知りません。
あと、余韻に浸りながらじわじわ感動したのが本筋とは少しだけ外れたエピソードだった『杉Gのアニメ教室(うろ覚え)』のところなんですが
どんな場面でも手を抜かない5人の働きぶりに『プロの気概』を感じてしまいたまらないですね。早く偉くなって七福神を作ってくれ。
ここからふざけた感想
途中途中挟まるみゃーもりの妄想(特にアニメを作りましょミュージカル)は、本当にガンギマってんな〜〜と思ってニコニコした
初対面の女同士で飲み倒して愚痴会するシーンの全てに身に覚えがあって最高
畳の仕掛けのカットやば〜って思ったし、落ちたらちゃんとアニメーション業界の地獄が待ってるのおもろかった
宮森のカーチェイスがあれば文句なしだった
(ほんとは星5なんだけど4.5にしちゃったのはそこに凄い期待をしてたから。テレビアニメ版の1話だったかのカーチェイスがすごく好きなんですわ)
SIVAは本編丸々観たいからお願いだからムビチケと円盤を買わせてくれ
特典でもらったムサニ&SIVAマグネットは冷蔵庫にでも貼って折に触れて感動を思い出したいと思う
最後の最後までドーナツキメてなかったの凄い心配だったからドーナツキメてくれてほんと安心した
以上
タイミングあればまた見に行きます