「本編が粗筋を超えられず。」7号室 テークさんの映画レビュー(感想・評価)
本編が粗筋を超えられず。
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二人の男と一つの部屋。
それぞれが見られたくない物を部屋に隠し、それを表に(内々に)出さなければならない状況に追い込まれた事から巻き起こる人間模様。
一見舞台的であり、100分という尺からクラシカルなコメディなのではないかという推察のもとに鑑賞した。何よりも粗筋を読んで期待値は上がる一方だったので、本編鑑賞後の期待はずれ感も大きなものとなってしまった。
個人的に、今作に於ける大事なポイントは二つ。
一つ目は、シチュエーションを出来るだけ早く整えること。二つ目は、二人の男のうちどちらかに観客を感情移入させること。正直、そのどちらも果たされぬままに作品が進んでしまった印象だった。
どちらの男にも感情移入出来ないまま、あの様な設定で物語が進んでしまうと、ただ二人の男が身勝手な理由で組んず解れつしているだけに映ってしまい、展開に対する期待値や興味の持続も産まれない。
個人的には、半ば観客を置きに行くくらいのスピード感で先ずシチュエーションだけ作ってしまい、状況が出来上がった事によって二人の人間性が表出してくるといった構成にした方が良いかと思った。
惜しかったのは店長のキャラクター。
もっと健気な人間として描き、やった事だけを見れば悪者だが何故だか応援したくなってしまうキャラクターとして描けていれば……。
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