ジュリアンのレビュー・感想・評価
全82件中、1~20件目を表示
共同親権の落とし穴
家庭内暴力の問題を「シャイニング」のようなホラー演出で描いたのが新鮮だ。あのような常軌を逸した狂気が家庭にあるとしたら相当に恐ろしいことだ。親権をめぐる裁判で幕を開け、母親と父親どちらに問題があるのか、最初のうちはわからない。しかし、除々に父の行動がおかしくなり、次第に狂気に変わってゆく。
フランスでは離婚が成立した場合、共同で親権を持つ共同親権になるケースが多いそうだ。これは共同親権の盲点をついた作品だろう。狂気に堕ちた父にも親権があるため、子供は定期的に父と過ごさせばならない。しかし、裁判所が父の本性を見抜くことは困難だろう。そもそも人の本性を簡単に見抜ければそんな人間と結婚しないだろう。
ジュリアン役のトーマス・ジオリアも好演。これが映画デビュー作だが、憂いを秘めた目が良い。これから経験を積んでもっと良い役者になってほしい。
血は一滴も出ないが、ある意味ホラーやサスペンスより恐ろしいリアリティがある
レーティング「G」ではあるが、血は出なくとも見方によってはホラー以上に恐ろしい。ここで描かれた事件を法制度や社会問題からじっくり検証することも欠かせないし、世の中に埋もれている同様の悲鳴に関して、観客に多くを気づかせてくれる作品でもある。
と同時に、ヒューマンドラマ、サスペンスとしても見応えは十分だ。まさかこれほどの展開に発展していくとは誰も思わないだろう。子を守らねばという妻の気持ちも痛いほどわかるし、かといって夫の「どうにかして子供と会いたい」という気持ちもある程度は理解できる。だが夫の態度が急にぶっきらぼうになる瞬間、胸に刃を突きつけられたみたいにこちらも息が止まりそうになる。そして気づく。もっと恐ろしいのは、こんなことが以前にも起きていたであろうこと。母子はずっとこの恐怖に怯えながら、しかし法の保護を受けられずに生きてきたということだ。かくも様々な思いを喚起させる秀作である。
トラウマがある人は観ない方が良い
何気なく観始めたが強烈な映画やった。父親のあんなの愛情でもなんでもなくただの独占欲。傲慢で自己中心的で、周りの人たちもまともに相手してたら壊れちゃうよね。まともな話が通じず、一方的に怒鳴り散らしたりネチネチいう人、日常生活でもいるけどこういう人が夫だったら…考えただけで恐ろしい。
最後の20分はほんま胃がキリキリした。おばあちゃん、通報してくれてありがとう。
ジュリアン役の男の子名演。本当にみていて痛々しかった。
ほんま恐怖で誰かを支配しようとするなんて傲慢でしかない。親失格。
ジュリアン役の顔での表現力が凄っ
あんな熊みたいな男がブチ切れたりしたらどうにもならないやん!(あんなガタイってマ・ドンソクくらいやで)
その怖さの演出は中々でしたね。
あと後半のピンポン連打からのドア蹴りまくって銃撃ちまくって家に突入するのは怖かったっすねー
あと全体的に変な緊張感あって良かったですね。
コメディだと思い見たら
怖かった。離婚した夫婦で夫は最低のDV野郎。子供のジュリアンを中心進むけど序盤からあれ?見ていく内にコメディでないと気づく。後半から別れた夫で共同親権のパワハラ、ストーカー行為が凄くなる。ドキュメンタリーを見ている様に。
ジュリアン役の子役が熱演、素晴らしい演技を超えている。音が映画を更に怖くしており、思ってもいない結末が訪れる。
あー怖かった。
ジュリアン役の子役がすごい。
ジュリアン役のトーマス君、嫌いなお父さんの車に乗ってる時の表情が秀逸。とても演技に見えない。本当に嫌がってるように見える。演じるにあたって、「シャイニング」のシェリー・デュバルみたいに監督に何十テイクもやらされて嫌がらせ受けてたりして。
私は親に恵まれたせいか、ジュリアンのような嫌な思いをしたことはないが、彼の表情を見ていてまるで自分が本当に嫌なお父さんと同乗してるような気分になった。この子役を起用しただけで100点満点でしょう。
そしてお父さんを演じたドゥニ・メノーシェ。一度見たら忘れられない灰汁の強いアクター。「理想郷」では善良な人間を演じたてけど、今回のようなDV野郎がほんとにはまり役だった。どう見ても見た目がやばそうだもんね。ただ、いくらなんでもあそこまでするとは思わなかったな。ラストは全然想像してなかったので結構衝撃的だった。
自分の気持ちばっかりで相手の気持ちを考えようとしない人間いるよなあ。子供や妻から嫌われてるのはなんでなのか、自分のどこに問題があるのか、じゃないんだよね、こういう人は。自分を嫌う向こうが悪いになってしまう。自分の感情に手いっぱいで相手を思いやる余裕もない。
私だって確かに若い時はこんな時期もあった、二十代前半なんか特に。元嫁の新居に一方的に押しかけて、自分は変わったんだといって感極まって泣き出すとこなんか、ほんと若い時の自分見てるみたいでほんと無様だよなあ。さすがにこの年なってやってちゃあいかんでしょう。結局人間的に成長できずに年だけ食ってしまったみたいな。まあ、車の中で子供を脅した時点でアウトだったけどね。
離婚後の単独親権は先進国では珍しい方で日本も家父長制の名残でそうなってたのが、今回共同親権の法改正が審議されている。確かに離婚後も良好な関係が維持できるんなら共同親権はアリだけど、本作のようなDV夫から逃げてる人にしたら今回の改正案は恐怖でしかない。当然面会交流権も拒否しづらくなるし、非監護者も親権を有するわけだから自分たちの居場所とかを知らせておかなければならない。危険な人間から逃げるすべがなくなる不安が大きいようだ。あと、親権者の同意が必要な医療処置なんかも受けにくくなるだろうし。
法改正するのはいいけど、そういった共同親権のリスクも考えての法適用ができるように審議を尽くしてもらいたいもんだ。すべては子供の利益のために。
意外と普通に進んでいった
序盤の様子や解説にある「ラストの展開」みたいなのから、母側にも何か問題があり、その間で苦しんでバランスを取っているのかなぁ?とか勝手に思ってしまった。そのほかの家族にも色々な事が・・・とか。そしたら、人物の掘り下げもあまりなく、そのままシンプルに進んで、あっけなく終わった感じ。ただ単に怖いなーで終わってしまう感じ。変に期待しすぎたかな。
どちらかが嘘をついている
そこを明確にせずに、共同親権?
怖い怖い。
最初の家庭裁判所?のシーン、長い長い。
大柄な旦那の目が鋭くて絶対危険だとわかるのに、誰も何もできない歯痒さ。
子供から引き離され、身内に除け者にされるDV父。
しかしそれまでの経緯は描かれていない。
良い時もあったんだろうが、そこは全く触れてない。
最初からあいつ呼ばわりだったから。
結局追い詰められた父の狂気がテーマ?
タイトルとはちょっと違った。
物足りないと思ったのは、それぞれの人格についての説明というか、描写が少な過ぎて、ジュリアンにしても普段どんな子なのか全く見えない。
父親の両親との関係性とか。
学校をサボる困ったちゃんのお姉ちゃんも、終わってみれば特に何もないし。
もう少し「日常」も見たかった。
面白いと思ったのはシートベルトの警告音。
何度か出てくるが、面白い使い方だなぁ、と。
シンプルに良かった。
楽しそうな場面なんてほぼ無くてずっと緊張感あるストーリー。
とりわけ派手な演出も無く淡々としてる映画は途中で退屈になる事も多いがこの作品はしっかり最後まで観れました。
フランス語が妙にマッチして全体の雰囲気をプラスしてくれました。
程よいサスペンス加減も素晴らしい!
【”ママを殴らないで・・”アンガーコントロールが出来ない男を父に持った少年の苦悩。ラスト10分は最早、ホラー映画です・・。妻や子供に手を上げる男は、家庭を持つ資格はない!と改めて思った作品でもある。】
ー アントワーヌ(ドゥニ・メノーシュ)と妻ミリアムの離婚調停の場で読み上げられる、息子ジュリアンと娘ジョゼフィーヌの証言。ジュリアンの共同親権を求めて、言葉少なに父親の存在の必要性を求めるアントワーヌ。
今作で、恐ろしき父を演じるドゥニ・メノーシュの顔と体格が怖い。
(今作の恐ろしさは、ドゥニ・メノーシュの一切笑わない演技が齎していると言っても過言ではないであろう。とにかく顔が怖い。「イングロリアス・バスターズ」の冒頭、ナチスのクリストフ・ヴァルツにユダヤ人を匿っていないか、ネチネチと問い詰められるお父さんの姿の欠片もありません・・。)
ついでに言えば、この離婚調停での遣り取りも、相当に雑である。キチンと、子供達の証言に一歩立ち入って調べるべきアントワーヌの嘘を、見抜けない裁判官。
あれだけ、状況証拠があれば、アントワーヌに接近禁止令を出してもおかしくはないのに・・。ー
◆感想
・子供と妻に、自分の思うように会えない苛立ちを募らせていく、アントワーヌが怖すぎる。そして、描かれないが、離婚の前に彼が妻や娘に行っていた暴力行為も容易に想像ができる。
でなければ、ジュリアンが自分の父を”あの男”とは、呼ばないだろう。
・直ぐに激高するアントワーヌの態度に立腹し、家から追い出す実の両親。
私は、そんな男に育てた両親の罪は大きいと思う。小さい頃から、父の趣味の猟銃撃ちに同行させたりして、甘やかして育てて来たのではないか。
・ジュリアンが、母と姉を守るために、アントワーヌから離れ、隠れ住んでいる家を見つけられないようにする健気な姿が何とも悲しい。
<ラスト、10分のアントワーヌがジュリアンと母ミリアムの家を突き止め、執拗に玄関のベルを狂的に鳴らし、最後はライフルをドアに打ち込んで入り込んで来るシーンは、最早ホラーである。
隣人のおばさんが、警察に連絡し(そりゃ、そうだろう・・。ライフルをガンガン撃っているのだから・・。)何とか、難を逃れた時には、どっと力が抜ける・・。
ジュリアンが、相当なトラウマを跳ね除け、女性や子供に暴力を振るわないキチンとした男に育ってくれよ・・、と願ってしまった作品である。>
■自らの幼き子供を躾と称して殺害した男と、なすすべもなく従った女が、近年逮捕された事は記憶に新しい。
日本の刑法としては、相当に重い量刑が男には課されたが、私は極刑にすべきであったと思う。 親殺しの罪が重く、実の子を殺しても量刑が軽い日本の法制度が、古いのである。
司法は、現状の社会情勢にあった法制度に徐々に移行して行って欲しいものである。
歯を食いしばって震えに耐えるジュリアン
(歌詞のリンクアドレスを書いてしまったためレビューが削除されてしまったので短く再録。コメント&共感下さった皆さんごめんなさい)
スザンヌ・ヴェガの「ルカ」は、ラジオでいつも急にかかるので怖い。
心の準備がないところに突然流れるので心臓に悪い。
父親の顔を見まいとして震えながら涙をこらえるジュリアン。
助手席に座らせられて、あまりにも苦しい車の中でのシーン。息が詰まって窒息しそうな場面でした。
・・・・・・・・・・・・
この映画「ジュリアン」、何のために作られたのだろうか、
現状の凄まじさを告発するため。あるいは社会が改まるための教育の映画でもあるだろう。
でも、それらに先んじて、消えていったたくさんの子供たちのために“墓標”として献げられた作品であると僕は思った。
タイトルなし
主人公の男の子の演技が違和感。細かいニュアンスが表現できない、人物像が安定してない。
また、伏線あんのかなと気にしたシーンも特に伏線ではない。要所要所でストレスがあった。
私の読解力不足もあったか???
息子の話じゃなくてつきまといの元旦那のDVの話
フランス映画。ジュリアンは11歳の中学生男子
離婚した両親のうち父親とは会いたくないと主張するジュリアン。 暴力が原因みたい。
離婚調停からスタート
父親は2週間に1度の面会を要求
まだジュリアン出てこないお姉ちゃん は彼氏に夢中
ジュリアンやっと出てきた
裁判所は面会を認めたみたい
打ち解けない父子
元々の問題は夫婦間か
お姉ちゃんは妊娠検査薬陽性ぽい
息子に会いたいじゃなくて嫁に会うのが目的か
親父はやっぱりカッとなる性格だった
いっぱい食わせたジュリアン
でも大人には勝てないか
クマ男の泣き落としこわい
お姉ちゃんの彼氏気持ち悪いな。 変な三つ編み
お姉ちゃんが歌を歌ってる間に
夫婦対決 なんだか嫌な予感
フランスでも中指立てるのね。妹に救われた
散弾銃!
絶体絶命危機一髪
向かいのおばあちゃんの玄関のドアで幕
BGMなし
お姉さんのくだり回収せず
タイトルなし
グザビエ・ルグラン監督の長編デビュー作
第74回ベネチア国際映画祭
最優秀監督賞受賞
.
離婚した妻と夫アントワーヌ
息子ジュリアンの親権を巡り法廷で争う
夫婦どちらにも言い分はある
.
迎えに来た父
反抗的な息子
(…お父さんがちょっと可哀想な気も😣)
表情がかわる
息子の問いかけに無言の父
(…離婚の原因はこ~ゆ~とこかな?)
突然キレる
だんだん感情が抑えられなくなる
(…怖い…)
.
.
報道で同じような話を見聞きする。
何が原因でそうなるのかもっと掘り下げてほしい気がした。
ただ逃げ隠れするだけでは解決しない。
原因がわからないと守るものも守れない。
トラウマからの負の連鎖も怖い
DVDのパッケージに書いてあった、「ラスト10分に衝撃の展開!」み...
DVDのパッケージに書いてあった、「ラスト10分に衝撃の展開!」みたいな触れ込みの文言はどうかと思ったけど、見て良かった作品。
全82件中、1~20件目を表示