劇場公開日 2018年7月7日

  • 予告編を見る

「血の量がゾウなみ」REVENGE リベンジ Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 血の量がゾウなみ

2025年10月13日
iPhoneアプリから投稿

レイプリベンジ系の物語は最近落ち着いたが、78年の「発情アニマル」のリメイク作が世に放たれてから確実に増えた様に思える。本作もそれに当てはまる物語だが、"本家"よりもヒロインが孕まされるシーンは少なく、上手くどぎつくならない様にされている為、そのシーンの不快感はそれ程無い様に思える。コラリー・ファルジャ監督が女性という事も影響していると思うが、長編ニ作目となる、「サブスタンス」で脚光を浴びる前からあの作風は生きていたのだと思わされるシーンが非常に多い。
本作において最も胸糞悪いのは、何と言っても男3人。女性に対する謎の優越感、欲のままに考える自己中心的な言動や行動、また、「サブスタンス」でも描かれた"口元のアップで食べ物を汚く食べる"というだらしなく不潔な男の描写が何ともキツい!

それからの後半パートの復讐描写に非常にスカッとする思いである。俳優陣の痛そうな演技に拍手喝采である。
「ホステル」のイーライ・ロス、「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレスらが唸る、痛覚刺激シーンのオンパレードで、鑑賞後に眉間のシワが残りそうな位である。
特に痛そうなのは犯した張本人がガラスの破片を踏んだ後、大きな破片を足裏から引っこ抜くシーンは激痛そのものである。“謝ったからって許さない!"と言わんばかりの仕打ちに遭うのである。

ここから後半は怒涛の如く血が噴き出る展開となり、豪華でどこか奇抜な部屋にどくどくと人間の血液量を超える量の血が噴き出る。そんなに出ないだろと何度思ったことか。このシーンは「サブスタンス」にもしっかりと受け継がれている為、これが監督らしさなのだろう。その辺のリベンジスリラーと侮るなかれ。かなりの傑作である。

クラ
PR U-NEXTで本編を観る