劇場公開日 2018年12月28日

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「感じ方は人それぞれ。自由な心に問いかけられる、命懸けのワガママ。」こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5感じ方は人それぞれ。自由な心に問いかけられる、命懸けのワガママ。

2019年2月10日
PCから投稿

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【賛否両論チェック】
賛:身体が不自由だからこそ、自分の今の気持ちに正直に生きている主人公の姿や、そんな主人公を支え続けたボランティア達の姿に、思わず感動させられる。
否:主人公のキャラクターは、どうしても好き嫌いが分かれそうなところ。Hなビデオのシーンもあり(笑)。

 正直なところ、物語の主人公の人柄は、賛否というか好き嫌いというか、そういったものが分かれそうなところです。自分では出来ないことを、ボランティアに口うるさくワガママを言ってばかりの主人公。そう感じてしまった人には、正直あまり感動出来ないかも知れません。
 しかし一方で、そんな主人公のワガママを観ていくうちに、それが何も包み隠さない、命懸けの素直な気持ちだということに共感出来ると、物語の見方は180度変わってきます。主人公自身が言うように、「1日1日が勝負」の中で、今の自分の気持ちに正直に生きるということ。そんな当たり前のようで難しいことを、正面から伝えてくれるような生き様に、思わず感動させられてしまいます。
 そしてそんな主人公を温かく見守りながら、時にケンカして、それでも傍に居続けたボランティアの方々の姿も、また感慨深いものがあります。劇中で高畑充希さん演じる美咲が言い放つ、
「鹿野ボラ、ナメないで下さい。」
というセリフがカッコよかったです(笑)。
 観る人によっていろんな感想がありそうな、そんな作品かも知れませんね。

映画コーディネーター・門倉カド