1987、ある闘いの真実のレビュー・感想・評価
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軍事政権に楯突いた人達を美談の側面だけで構成するとこうなる
それぞれの立場で信念を貫き通した男達の話。良かった、予想の3倍くらい。ただし、政治的なところには、ある程度目をつぶるのが条件だけど。タクシードライバーより、こっちの方が好き。
まず映画として良く出来てると思いました。展開速いし、皆んな何かを抱えていて共感出来るし、女子は可愛いし、画も良い。地上を写しながらカメラが上空に登って行く絵に雪が舞い込むシーンとか痺れる。
ラストシーンは「夢破れた人達が作ったバリケード」のレ・ミゼラブルのオマージュですね。望みを叶えた若者達を捉える絵は印象的でした。
しかし。。。
韓国って男優さんの数、少なくないですか?何度も思ったから。また、あんたなの?って。新聞社の太っちょの部長さん。見た目はアレだが、カッコ良かったです。
過去の話とはいえ、政治の闇を映画にできる自由が素晴らしい!
どんな国でも過去に汚点はある!そしてそれを国家権力でもみ消したい気持ちも、分からないでもない!でもそれは民主主義ではないし、人権と真実を無視した映画に興奮と感動は生まれない!
映画の下で、警察の拷問を隠蔽しようと、あの手この手で工作しようとするが、それを知る人々の良心でどんどん罪がバレていく様が痛快!
日本の政治状況も混沌としていて、不正がもみ消されることがまかり通る世の中になりつつあるが、せめて沖縄の返還時の闇や、戦後の学生運動の実話など、過去の反省を映画化するくらいはできるはずだ!
まあ自民党一党支配が続く、事実上の独裁体制なので、過去の政局も明るみに出せないのだろうが、今の日本人はそういう映画を求めていることを知って欲しい!
ユヘジン
知らなかった韓国事情
ソウルオリンピック
ソウルオリンピック開催のわずか1年前の韓国が、言論の自由が全く与えられていない軍事政権だったということにただただ絶句してしまいました。
「共産主義者」という言葉ひとつで、国家全体が普通の人々を迫害する。逆に社会主義の国でも全く同じ迫害が起きていました。国家が「敵」を利用して国民を煽る時は、自分達も迫害される可能性があると用心した方が良いですね。
昨年韓国国民が朴槿恵元大統領を辞任に追い込んだニュースに触れた時に「日本とは全然違うなあ」と思ったのですが、国民が国家によって直接殺された過去があったからこその行動だったのだと納得しました。国家は信用できないというのが前提にあるのでしょう。お上が法律を犯しても咎められない日本が隣国から学ぶべきことがあることをこれからも考え続けていきたいと思います。
真実を武器に
真実を伝えることで国民の意思が広がり、運動の広がりによって時代が大きく変わる様を描いた作品。
登場人物は多いけれどそれぞれの役どころが混ざることなく案外すんなり入ってきた。
他人事では済まされない事を身をもって知ってしまったヨニの終盤の姿が好き。
30年前の出来事というのは驚きだけど、光州事件の流れで何となく納得。
教会の取材記者に外国人が多くいたことに胸が熱くなった。
エンドロールの映像には圧倒された。
この時代の韓国政治に無知なので、国側やパク所長の思惑と主張ももう少し知りたかった。
ただ独裁を続けたいだけなのか?
特にパク所長には彼なりの正義もありそうだったのでそこを掘り下げた描写も欲しかったかも。
脱北した身であそこまで登りつめるのも並大抵のことではないだろうに。クルミを揉む仕草とグラサン姿が好き。
生々しい真実に圧倒される。歴史に刻まれた悲しき事件。
【賛否両論チェック】
賛:実際に起きた事件を基に、大切なものを守るため、権力に立ち向かい続けた人々の姿が、切なくも如実に描かれていくのが印象的。
否:拷問のシーン等がかなり生々しいので、苦手な人には向かない。
まだそう昔ではない1987年に起きた、恐ろしくも哀しい事件。それを引き金に、韓国へ民主化の波が一気に押し寄せていく様が、緊迫感の中で生々しく描かれていきます。
理不尽な拷問死を絶対的な権力で隠ぺいしようとする当局に対し、信念を貫いて抵抗したチェ検事を始め、あらゆる手段で記事にしたユンや、命を賭けて戦った革命家のジョンナム、彼らに協力した看守のビョンヨン、そして暴動に巻き込まれながら、大切な人の存在に気がついていくヨニと、一連の事件を通して様々な人々の戦いが浮き彫りになっていくのが印象に残ります。
決して軽々しく観られる作品ではありませんが、今日在る人々の権利を守るために戦った、名もなき先人達の姿に考えさせられる、そんなお話です。
映画観たいがとまりません
「タクシー運転手」に衝撃をうけ、「弁護人」をネットで登録して観る。さらに知りたくなってこの映画を観に行く。軍事政権の中で、一人のいのちの大切さ、理不尽さや悔しさや辛さへ共感し、立ち上がる、行動する、助け合う人々。市井の人々の力強さ。今、この映画をみられてよかった。地に足をつけ、人間信じて生活していこう。
※恥ずかしながら、この映画を観て「弁護人」での?がわかりました。3本観ていろいろつうながった。まだまだ観たい、読みたい、知りたい。
※映画館に来ていた人がたくさんいてびっくり!うれしい!
軍事政権の恐ろしさを描いた傑作
31年前、全 斗煥(チョン・ドゥファン)時代の韓国。
軍事政権であり、大統領の威を借りた警察・公安は「反共」の名の下、北朝鮮からのスパイを探すために、強引かつ無法な捜査を行っており、理不尽な暴力、冤罪、誤認逮捕と、拷問がまかり通っていた。
あるとき無実の大学生が、警察に拷問の果てに殺されたが、証拠隠滅のため警察は無理矢理火葬にしようと動く。
法律を守って親に会わせ、解剖してからしか火葬を認めない、と頑として譲らない検事部長を皮切りに、新聞記者、刑務所看守、大学生など、様々な人々の怒りと真実を求める気持ちが連なっていき……
独裁、汚職、軍事暴走、隠蔽にまみれた全 斗煥政権を代表する事件のひとつで、韓国の民主化運動をより激しいものにした。
と、実際にあった事件をベースにしたフィクション。
看守の姪だけは架空のキャラクターらしいですが、それ以外はほぼ実在の人物をそのまま当てはめたとのこと。
(※看守はモデルになった人はいるが、複数の人間たちの行動を一人に集約させているらしいです)
一般市民の怒りが、膨れ上がっていく過程を丁寧に描いていました。
観ていて興奮が高まっていく、実に濃厚な映画です。
1980年の光州事件を題材にした「タクシー運転手 約束は海を越えて』と同じく、1987年の全 斗煥体制がひっくり返って民主的直接選挙に変わる直前。
あの時代の韓国を批判し、歴史を見直そうという動きには感心しました。
まだまだこの時代、金の鉱脈がごとく、掘ればいくらでも証言を元にした実話系ドラマが作れそうですね。
真実にまさる衝撃なし
エンタメ性もある見事な構成!
1987年の大規模な韓国の民主化運動のきっかけとなったソウル大生の拷問死事件を中心に描かれた実話映画。
反共警察、検察、新聞記者を中心に、民主化運動家や看守がからんで物語が進んでいく。とても重いテーマを扱いながらも、エンターテイメント映画として成立させていたのは見事!
事件前後の概要を知っている立場で言えば、看守の姪が知り合う大学生が催涙弾で亡くなったイ・ハニョルという脚本は唸るしかなかった。どうりで名前を言わないわけだ(韓国ではそれなりに名前が知られているだろうから)。でも、事件のことを知らない世代にもわかるように丁寧に話を組み立てていたのではないか。
川縁で息子の死を悼む父親の姿と、最後にバスの上から見る民衆の姿に涙してしまった。さらにそれを見て拳を振り上げる看守の姪の姿にも。
いろんな人に勧めたくなる映画がまた増えた。
この題材でエンターテイメントする韓国映画
人が人なら シンドラーのリスト みたいな重厚なテンションで撮りそうなこの題材を、エンターテイメント映画として撮った韓国映画界のスケールのでかさにまず驚く もしかすると自分が日本人という部外者の立場で見たからこそこの映画の持つ楽しさとか高揚感をすんなりと飲み込めたのかもしれないけど、大作映画をキチンと作り上げ、かつキチンと大ヒットさせる韓国映画界の実力の高さは凄い(スベったのは日本に情報が入ってこないだけかもしれないけど…)
全体としてはとてもとても大きな物語ではありながら、それを構成する一つ一つの小さな物語を丁寧に作り上げていて、最後にそれらの小さな物語が集まった先にある
俺たちは世界を動かすことができるんだ!
と言う高揚感が凄まじくて感動的
さらにはエンドロールで、この映画が事実に割と忠実に作られている事を知ると 韓国という国がかつて闘いの果てに手にしたもの の重みがズシリと見る側にのしかかる
ハジョンウとかキムテリのパートは 必ずしも重厚さ一辺倒ではない、人間み溢れる描写も楽しさも忘れずにいながら 大義 は見失わないバランス感覚も凄い
去年の韓国映画豊作っぷりは本当に凄かったけど、今年もやはり 韓国映画ここにあり! と思わされる一本だった
しかしキムテリの可愛さは尋常じゃない それだけで星半個追加してしまうぐらい
特に友達に廊下を引っ張られてるところとか天使のような愛らしさだった…(年が自分より一つ上だと知ってびっくりしたが)
悪役のおっさんが実は主人公!?
韓国の民主化運動を描いたもの。
軍事政権末期の韓国の情勢はあまり知らなかったので、勉強になった。日本のいちばん長い日、みたいな感じの映画。最近のやつでいうとシン・ゴジラっぽい。
軽い気持ちで観に行きましたが、なんていうか、めちゃくちゃ濃かった笑。
僕の好きな韓国映画は、ラーメンに例えると、濃厚ギトギトな横浜家系ラーメンです。
そしてこの映画も、家系ラーメンでした。ご馳走様でした!特に、悪役のボスのおっさんが良かった。レイバンのグラサンが出た瞬間、これだな、、、と。これを待っていた。てゆーか、このおっさんが実は主人公だったのでは?最も画面に長く映っていた気がする。
エンドロールに、民主化運動のデモの様子を撮った実際の写真が流されるのですが、ジャーナリズムの在り方を教えられた気がしました。写真の力はすごい。
自由を得る為には、多くの犠牲を払う必要がある
過去の話とはいえ、政治の闇を映画にできる自由が素晴らしい!
どんな国でも過去に汚点はある!そしてそれを国家権力でもみ消したい気持ちも、分からないでもない!でもそれは民主主義ではないし、人権と真実を無視した映画に興奮と感動は生まれない!
映画の下で、警察の拷問を隠蔽しようと、あの手この手で工作しようとするが、それを知る人々の良心でどんどん罪がバレていく様が痛快!
日本の政治状況も混沌としていて、不正がもみ消されることがまかり通る世の中になりつつあるが、せめて沖縄の返還時の闇や、戦後の学生運動の実話など、過去の反省を映画化するくらいはできるはずだ!
まあ自民党一党支配が続く、事実上の独裁体制なので、過去の政局も明るみに出せないのだろうが、今の日本人はそういう映画を求めていることを知って欲しい!
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