劇場公開日 2018年9月8日

「見事な映画だ」1987、ある闘いの真実 KIDO LOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見事な映画だ

2020年7月2日
PCから投稿

私は革命などというものは住民が起こすものだとは思っていない。新興ビジネスが起こすものであると思っている。今のままの体勢でいるよりも違う体制になった方が儲かるビジネスが古いビジネス体制を壊すのが革命だ。従って私の感覚から言うとこれはプロパガンダ映画ということになる。そして見事によくできたプロパガンダ映画だ。ラストの締めくくりがそういう締めくくり方になっているのでどうしても第1感想はそういうことになる。韓国はかつてこういう国だったらそして今はこういう素晴らしい国になった・・・みたいな。
だが心に残っているもの反芻してみた時、これは消して単なるプロパガンダ映画ではないことも感じられる。登場人物の視点が最初は検事、次に一般の女の子、革命分子、そして体制派の人間という風に次々にスイッチされていく。そのひとつひとつがとても良く描けていて群像劇として大成功していると思う。 描いているもののスケールが大きい話は 往々にして大雑把で人間ドラマが描けていないものになってしまうがこれは違った。 一人ひとりの人間の抱えるドラマや こだわりが小さなものであり それがリアルで 見ている者の心を動かしたと思う。それは全体カラー現れるもうひとつの印象であった。この映画は 革命とかプロパガンダではなく、腐った組織を改革しようとした人々の物語だという。
この映画は俳優たちの演技に迫力があった。日本映画じゃ無理だろう。とても羨ましいことだ。

タンバラライ