「韓国映画らしさの詰まった秀作」1987、ある闘いの真実 しいらさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国映画らしさの詰まった秀作
韓国現代史の民主化闘争ものの一本として興味深く観た。『タクシー運転手』が話題を集めた後の公開はタイミングが良かったと思う。平日昼間なのに観客席はかなり埋まり、集中して観ていることが雰囲気でわかった。たたみかけるようなテンポで手際よく話を運び、サスペンスで引っ張ったり情に訴えたり、エンタメとしても上々の出来。主演級やおなじみの脇役が何人も出てくる俳優陣も魅力的。韓国映画のレベルの高さをあらためて感じたが、正直に言えば、韓国映画の中でこの作品が飛び抜けているとも思わなかった。同じジャンルであれば『弁護人』のほうが心に残ったし、衝撃でいえば『新感染 ファイナルエクスプレス』のほうが遥かに大きかった。とはいえ、この作品が語るべき内容とそれをそつなく表現する技術の両方を備えた秀作であるのは間違いないと思う。
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