A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのレビュー・感想・評価
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視点と雰囲気が良かった
時間の流れ
タイトル通りの、そして予想外の壮大な幽霊物語。シーツ被った(そしてなぜか目に穴があいている)幽霊が遺していってしまった妻を見守り、そしてそのまま壮大な時間の流れに残され、ひたすらに流され流され流されて、そして最後の最後でその果てしない時間の円環は儚くも美しく閉じる。
途中でえっこの物語もう終わるんですか、と思ったがそこからの壮大さが凄かった。
台詞も殆どないし(しかし一番重要とも言えることは饒舌に喋らせる)、背景は全く分からないが、とにかくひたすら観てしまった。分かるとか分からないを超えた何かを感じた。
ルーニー・マーラがパイをひたすら食べ続けるシーンはこっちも苦しかった。
幽霊、当然全く表情がないのだが、目に穴があいているのと立ち回りだけであんなに情感豊かになるのね...。
ラブストーリー?
なんなんだこれは!?
個人的には面白いけど、人に勧めるかというと、どうかな。瞑想とかスピリチュアルなものに興味ある人には、良いのかも。静かで動きのない長いカットが多いので眠くはなるけど、興味深い。「2001年宇宙の旅」の終盤、ボウマン船長の年老いた自分との邂逅シーンのような眺めが、全編に渡って続く。
何故か角が丸く切れた 4:3くらいの箱から撮った画。ブラウン管テレビのイメージなのかな?
全編とても静かで、環境音や風の音、雨の音、家鳴りなどをBGMに、昔懐かしいシーツに目の位置に穴が空いた幽霊が、だまって元いた家をさまよい歩きます。
最初は最愛の妻を見つめるだけでしたが…。
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」以来のケイシー・アフレックが良かった。印象そのままで、素朴な感じが良いですね。ま、ほとんどシーツ被ってましたが。ルーニーマーラは、「LION」以来。夫を弔った日に、知り合いが置いて行ったパイを、5分くらいひたすら食べ続けるシーンがあるのですが、悲しすぎて食べるしかない必死な感じが、素晴らしい演技でした。
でも、最後にあの紙何が書いてあるのか気になって気になって、仕方ない! 究極のラブストーリーだと思いたいけど、おーい、どうなんだー!?
愛と執着と幽霊と人間
米国テキサス州の片田舎。
郊外の小さな一軒家に住む若い夫(ケイシー・アフレック)と妻(ルーニー・マーラ)。
夫は、まだ芽が出ていない音楽家。
ふたりが暮らす家では、突然大きな音がするなどの不可思議な現象が起きていたが、幸せな日々を送っていた。
そんなある日、夫が自宅前で自動車事故に遭い、他界してしまう・・・
といったところからはじまる物語。
その後、他界した夫が霊安所の冷たい寝台から白いシーツもろともムックと起き上がり、自宅へ戻ってくる。
彼自身、死んだことがわかっているのかいないか、それはわからないが、ただもう一度、愛しいひとと一緒にいたい、妻と心を肌を交わしたいと願っているが、それは妻に届かない・・・と展開していきます。
で、こういう展開だと、ははぁん、どこかで妻が気づいて、再び愛おしかった日々の記憶が蘇り・・・というようになるだろうなぁ、なんておもっていたけれど、そんなことにはならない。
もう、ほんとにそんな安易な展開にはならない。
なので、ストーリー的には、ここいらあたりでギブアップするひとも出るだろうし、それ以前に、ワンシーンワンシーンが長い(ひとによっては、なんと無駄な描写かと思うほど長い)ので、開始早々、5分くらいでギブアップするひとも多いことと思います。
けれども、そんな長い長いカットは、生きていることの証のようなカットで、普段、わたしたちがおこなっていることに他ならず、この長い長いカットがないと後半の演出が活きてこないのです。
映画はその後、妻はゴーストとなった夫に気づくこともなく、家を出ていきます。
夫は家から出ていけない。
日本的な幽霊だと、宙を飛んでいけばいいんじゃない、とも思うが、なにしろ霊安所から「歩いて」戻ったのだから、自動車に乗った妻についても行けないし、妻がどこへ行ったなどは見当もつかない。
そういうわけで、夫は家にいるしかなくなってしまい、愛する人が戻ってくるのをひたすら、ただひたすら待つだけになる・・・
と、まぁ、なんともはや、切ない物語。
けれど、時は、時間は、ゴーストの夫を取り残したままま過ぎ去っていく・・・
住む人は変わり、家自体も変わってしまう。
しかし、途中、夫のゴーストは別のゴーストの姿を家の中でみてしまう。
そのゴーストが言うには、「誰かを待っている。でも、それが誰かも忘れた」と。
その別のゴーストは、家が解体されるときに、一緒に消えてしまう・・・
このシーン、結構、驚きました。
けれど、考えるに、それは、「執着」が何かによって消し去られてしまったから。
ここに至って、この映画の主題が出てきます。
さて、その後・・・
ここからはストーリーは書きません。
ビックリするような展開です。
時間は、さらにさらに早く流れていきます。
前半の長い長いカットが活かされます。
長い長い時間の旅、長い長い自分の思いだけを閉じ込めた旅の終わりにゴーストが見つけるもの。
それは画面には明らかに示されませんが、それは妻からの愛と感謝と別れの言葉だったのでしょう。
その言葉は、観るひとが「感じて」くれればよいのだと、監督のデヴィッド・ロウリーは言っているのだ思いました。
監督と主演ふたりは『セインツ 約束の果て』でも組んでいますが、今回も滋味深い味を出しています。
とても好みの映画でした。
ただし、終盤、この映画の枠組みの(ような)観念について話すシーンがあるのですが、ちょっと、説明しすぎな感があったことを付け加えておきます。
色んな、誰かのゴーストストーリー
若い夫婦に訪れた悲劇。
不慮の事故により、夫を亡くした妻と
愛する妻を残して、この世を去った夫
妻を演じる ルーニー・マーラの食事をする
シーンがとても素晴らしかった。
本編94分と短いながらも、時間の描き方や
妻を想う夫の気持ちの移り変わりが
素敵な作品でした。
ところどころ、少し長く感じてしまう
シーンもあったので、好き嫌いが
別れる作品かと思います。
終始、静かな
難解…。 正直全く理解出来なかった…。どうゆうこと? ベートーベン...
無題
BGMが無い、セリフ少なめ、淡々と話が進む。
こういう状態で寝ないように頑張ってもきついわけで。
見る前にブラックのコーヒーやらエスタロンモカやら、待ち時間の間に目を休めておくとか、準備をしておかないと寝てしまうので注意。
魂は次元に宿る。
起、起、起、起…唐突に結と思わせてやっぱり起、予想通りの結
2018年 No1
オバケのQ太郎はこうして生まれた
不慮の事故で死んだ旦那がオバケのQ太郎となり、地縛霊化する物語でした。
向かいの家にもオバケのQ太郎が居たのは笑った。しかも、離れてるのに話せてるし。
エンディングで妻が柱の傷穴に差し込んだメモを読んで成仏したみたいだったが、何が書かれていたのか気になりました。
きっと、『I love you forever』だったんだろう。
誰しもが免れない死
無限
地縛霊の御話。
若い夫婦が幸せに暮らしていたが、旦那が不慮の事故にて死亡。ゴーストになって奥さんを見守る話なのだが、、、。
日本で例えると地縛霊の御話です。
(以下ゴーストの名称は地縛霊と記載。背後霊では無く地縛霊だからね。)
病院から暮らしていた家に戻り、その土地と無期限な時を過ごす。
終始物静かで淡々とし、地縛霊目線映画の為、ホラーとは違う&尚且つ異質な一線を引いている映画として観なければ、かなりつまらない映画なのは確か。
布を被ったおっさんは怖くもないし、まぁポルターガイスト現象は起こすが、子供が駄々をこねる様なもの。
金もかかっていない。
奥さんも離れ、土地&家主も変わり、変わり行く人間の世界に地縛霊がとった後半の行動は面白かった。
(行動っていっても、勝手に周りの世界が変わるだけだが。。。)
霊界の世界なのであり得るっちゃあり得る。かな?
観た後は切なさしか残りません。。。
「生きている人間の世界に居続けても、何の得にもならないんだよ」と地縛霊に観せてやりたい映画でした。
文字通り「幽霊」の、そして儚い「魂」の物語
ケイシー・アフレックとルーニー・マーラが演じる夫婦のラブ・ストーリーであり、題名通り幽霊の物語だ。
交通事故で亡くなった夫が病院のシーツをまとった幽霊となり一人残された妻を見守る。幽霊は「家」に宿るものなのか、やがて妻が引っ越し、新たな住人が来ては去るが、彼は「家」にとどまる。
やがて「家」が取り壊されビルが建っても彼はそこに居続ける。どうやら幽霊は「土地」に宿るもののようだ。
そして感動的な最終章へ。「あの瞬間」から我々見る者もその結末を予知しながらエンディングに向かっていく。感情が高まる粋な展開だと思う。
隣で観ている嫁さんを思いながら感動するのも悪くないが、そういう意味では観る人を選ぶ作品なのかもしれない。
魂はゴーストとなって生き続ける
これは、ハロウィンの日に観るのにピッタリの映画だった
主人公は、あるゴーストで、この映画は、そのゴーストが観た世界を描いている
田舎町にある小さな一軒家で暮らしはじめた夫婦
ところが、夫(ケイシー・アフレック)が、交通事故で亡くなってしまい、それ以来、夫はゴーストとなって妻(ルーニー・マーラ)を見守り始める
この映画は、そんな夫が亡くなってから、ゴーストととして、新たな人生を歩み始める姿が描かれる
人が死ぬ時、肉体が死んでも、魂は生き残るという
それならば、その魂にも感情があるはず
この映画の主人公ゴーストも、初めのうちは、自分の制御できない感情に苦しめられる
悲しみに暮れる妻に、何もしてあげられない悔しさ
新しい人生を歩み始める妻への嫉妬
それまでの幸せだった時を忘れ、ゴーストになってしまった苦しみに怒り狂い、それはポルターガイストとなって現れる
けれどそのうち、ゴーストは様々な人々の様々な人生を見て「どうにもならない人生」について、学ぶようになる
これは、「あるゴーストの人生」を描いた作品だった
私たちが死んだあと、魂にはゴーストとしての新たな人生が始まり
そして、私たちがそうであるように、ゴーストも人生のゴールに向かって歩み続ける
そのゴーストの視点で描かれたこの作品は、多くを語らず、叙情的で詩的な雰囲気たっぷりの作品だった
その、とても静かで清らかな空気感が好きだなぁと思った
最初の方は悲しくて、ボロボロ泣きながら観てた
演じているルーニー・マーラも、ケイシー・アフレックも、とても良かった
私たちが「何のためのに生きるのか」と考えるように
ゴーストもまた「何のために死んだのか」を考えるのでは
そんなことを思った作品だった
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