「シーツを被った霊の彷徨」A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
シーツを被った霊の彷徨
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WOWOWシネマ「W座からの招待状」で鑑賞。
かなり退屈な映画やなぁ、と…。セリフも殆ど無し。ルーニー・マーラは半分経過したくらいに姿を消してしまった…。あとはシーツを被って、目のところだけくりぬいた夫の幽霊が、地縛霊のように妻が去った家に留まり、辛い悲しみに打ちひしがれながら、その場所の変遷を見つめていく…。
欠伸を噛み殺しながら観ていると、ビルから飛び降りて(幽霊の自殺とはこれまた斬新だなぁ、と思いました)その場所の歴史を俯瞰し始めたところから、一気に目が覚めて、画面に引き付けられました。面白い試みと視点だなと思いました。時間も空間も超越して、人間の生活に土地を絡めながら、人生の意味と自分が生きた痕跡についての考察を深めていく―。
あのメモには何が書いてあったのか?
夫の問いに対する妻の回答だろうか?
はたまた、愛の言葉だろうか?
しかし、それは些末なことなのかも…。
内容云々より、成仏したということが、重要なのかも?
未練が浄化され、己を昇華させた…。
自分がいなくなっても、世界は回る―。
切ないけれど、きっと自分が生きていた証はどこかにある。
それが例え、かなりミクロなものであっても…。
それが例え、大事なもので無くても…。
そう信じたいなと思いました。
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