「「幸福とは何か」をシンプルに問う秀作」幸福なラザロ まっくん a.k.a. エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
「幸福とは何か」をシンプルに問う秀作
予告編の長閑なイメージからは想像できない辛口の寓話であった。
舞台は社会と隔絶したイタリアの小さな村。小作制度が廃止されてから久しいようだが、領主からそれを知らされず、賃金を得ることなく土地に縛られ、小作人として働き続ける村人たち。それでも純朴で働き者の青年ラザロの表情は幸せに見えた。そして村人たちも……
序盤から中盤の無垢な村の生活と終盤の殺伐とした都会の生活との対比が強烈なインパクトを放つ。何故か「浦島太郎」を思った。「幸福とは」というシンプルな問いを観る我々に突きつける秀作だ。
現代に生きる我々の中で「幸福な私」と言える人がどれだけいるだろう。
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