COLD WAR あの歌、2つの心のレビュー・感想・評価
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冷戦下での逃亡は生半可な気持ちでできるものではない。そのことを自覚...
冷戦下での逃亡は生半可な気持ちでできるものではない。そのことを自覚し、自重するズーラがかっこよかった。望むことは彼と共にあること。手段を選ばない様も魅力的だ。
これを見れば、恋人に何か打ち明けることも、2人離ればなれになることも怖くないと思えるだろう。
それでも続く想いだけを大切に。
そんな風に思わせてくれる映画だった。
ちょうど良い長さの音楽映画
劇中音楽が、はじめ民謡で段々とショーアップされて政治や社交に利用されるようになっていく。音楽が精製されてポップになるのに反比例して二人の人生が行き詰まってくる過程が、映像と音楽の両方でしっかり描かれていて、引き込まれました。
哀の話。映像、音、話、全てがタイトな演出
映画・#COLDWARあの歌2つの心
出演・#ヨアンナクーリグ#トマシュコット
監督・脚本#パヴェウパヴリコフスキ
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映像★★★★★全編モノクロ&構図の美しさ
音楽★★★★★全てを歌に込めて、無音も見事
演出★★★★★約90分、無駄がない感情に絞り、時代がみえる
エンタメ★☆☆☆☆激渋ww
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こってりした演出の映像が多い中、
映像から音からセリフから全て削ぎ落としたタイトな、大人の演出、、めっちゃカッコいい👍🏻
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めちゃくちゃ寝不足&tiredな状態でしたが、、
本編はじまると全く眠気なし!!
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一瞬も見逃せない、絵画を連続してるような画面だった。構図、人物の配置・角度、背景との距離感、その画面に入ってくる歩行者や乗り物の角度、止まる位置なんかも、いちいち心地いい!!って身体が感じた。
やはり"モノクロの映像"が余計な要素を取り除いたんだろうな。
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音、無音というか静寂によって歌を際立たせるというのはもちろん、より画面の情感を豊かにして、2人の存在した時代そのものが聞こえてくるようでした。
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演出のテンポ。めちゃくちゃテンポ良く進んじゃって、90分ないんだよね!
でいて、画面は基本的に歌うか2人が大体抱き合ってるだけ、ほとんどセリフすらない。
2人は引き裂かれ続けてる話なのに!だよ??引き裂かれてる話なのに、大体のシーンは抱き合ってるんだよ??
すごいのは、なのに、背景はすごい哀しみの時代の話が満ち満ちてる。ほとんど語らないことで、語る。
どれだけでもお涙頂戴シーンは作れるのに、2人の関係性だけに絞ってる。。上品。上品な造り。
冷戦の混乱の中、恋に落ちた男女が時代に翻弄されながらも愛を貫き通す姿を哀切に描く秀作
第二次世界大戦後のポーランドがメイン舞台。
民族舞踏団で出会ったズーラとヴィクトルが当時の政治情勢に翻弄されながらも、お互いへの思いを忘れず、時を重ねて行く。(随所で披露される民族音楽、舞踏も見応えがある)
奔放なズーラが酸いも甘いも経験した成熟した女性に成長し、大舞台で「二つの心」を歌い上げるシーンは圧巻である。
ラストシーンも非常に印象的。
あの後、二人はどこへ向かったのだろうか。
鑑賞後、深い余韻に浸れる秀作である。
大人の恋愛映画
もっと社会問題色の強い映画かと思っていたら、純然たる恋愛映画だった。
祖国ポーランドで出会い、恋に落ちた歌手のズーラとピアニストのヴィクトル。ヴィクトルはパリに亡命し、思い切れなかったズーラはポーランドに残る。
冷戦下の各国で、再開する度に愛を甦らせながらも、思うままに生き思うままに歌いたいズーラと、資本主義社会の中に居場所を得たいヴィクトルは、すれ違い、別れを繰り返す。
求められるまま、各国に受け入れられる形へ変えられ切り売りされるズーラの音楽が、東西の狭間で揺れ動き、分断されるポーランドの辛苦に重なるようで切ない。
プツリと途切れ、時間経過を全く省いて、いきなり数年後から再開される構造が独特で、最初のうち少し混乱した。
モノクロの映像と、それを彩る様々な音楽がひたすら美しく、目と耳には大変贅沢だった。
ただ、恋愛体質が薄いせいか、物語の主軸となる二人の愛の心情に、殆ど感情移入できず。
離れている間の互いの人生や心情も、大方察せられるものの、多分意図的に描くことをせずにいるので、すれ違いのもどかしさが募るばかりで、スッキリできない。
結末も、あー、その決着を選んじゃうのか…と、些か微妙な気持ちに…。
文学上の恋愛なんて、そんなものなのかも知れないですけど。
ポーランド
ポーランドが絡んでくると、心を揺さぶられる自分
「家へかえろう」など…
2人の大人が純粋な子供のように激しく求め合う
純粋過ぎて愕然とする場面も…
それでも愛を貫き通し
そのためなら手段を選ばず、周りを犠牲にし、自分達も犠牲になる…
そして圧巻の美しい映像
それに劣らない2人のラブストーリー
ヨーロッパはパラレルワールドだった。
モノクロ映像であることが効果的でした。映画は想像のメディアである(見る側に想像させてくれる余地・機会を与えてくれる)ことを改めて実感できたからです。セーヌ川を見下ろすノートルダム聖堂の薔薇窓のカットなどは、1枚のリトグラフを鑑賞するような気分でした。もう2度と撮れないシーンかと思うと一層・・・
余談ですが、50年代のパリのシーンではウディ・アレンの「ミッドナイトインパリ」を思い出さずには入られませんでした。(←こちらはタイムスリップものでしたが)本作品は、同時代でありながら、国境を接していながら、東欧と西欧、当時実に段差のあるパラレルワールドでありました。勉強不足ですが、スターリンの成してしまった粛清の数々はある意味ヒトラーより罪深いとも言われますよね。(比較して優劣をつけること自体不謹慎ですが)
繰り返し流れるテーマ曲の歌詞と歌唱力には心が洗われました。私事ですが、この平和ボケした現代の東アジアの片隅の国で、もう二十歳になろうという娘のボーイフレンドを(スペックだけ聞いて)「気に入らない!」と拗ねてしまった母親である自分の偏狭さに改めて気付いたからです。そして、環境は違っても、多くの人がかけられる(本人にとっては)奇跡の恋の魔法を終生持ち続けたロマンスを描くことこそ映画の永遠のテーマですね。そこに冷戦というもう1本のヨコ糸が通って紡がれた、大変美しいタブローでした。
オヨヨ〜
戦後のポーランドで、伝承民謡の歌劇団が一から結成されるも、豊富な資金を得るために政治利用されていきます。そんな中、自由を求めてフランスに逃亡した音楽家と、彼を追いかける劇団員の、十数年余りの恋愛模様が描かれています。
いわゆる本命の人以外一切目に入らないというような誠実さはあまりありませんが、そこまでするんだという本気度はすごいです。自由に男に会いに行くため、愛する男に自由を与えるためなら、偽装結婚もなんのその。国境を越えて女に会うためなら自由も音楽も捨てられる。安定した生活を求めてぇ〜とかいうよく聞く価値観なんて、2人からは、はぁ?と叱られそうです。恋愛中の方は、真剣度が試されます。
ポーランド民謡が、仏語ジャズバージョンに様変わりすると、同じ歌でありながら随分印象が変わって興味深かったです。
小悪魔で大胆なヒロインが魅力的でした。
どうやって居場所を知ったのかなど、細かい説明はありません。行間は相当広いです。美しい画を撮ることに心血注いだ感じがします。音楽も良かったです。脳裏に亀裂の入るような歌声も結構ありました。
どうしてそんなに惹かれるのか…。もしかしたら当人達にも分からないものなのかも知れませんが、観客として特別感情移入することはなかったです。
監督の両親からインスパイアされた話とのこと。
ままならぬ恋愛は、どの時代も冷めることを知らず、冷戦すら引き裂くことのできない境地へと昇華していきました。
運命的なものは
21世紀には、何のことだかわからなくなっているのかなぁ?
主演の二人が素晴らしい。
歌と踊り、恋愛の悲劇、最後は心中物の道行きのようです。無駄のない脚本と演技が、説明や語りを不要にしていました。
悲劇が際立つのは冷戦、抑圧体制の故ですが、
お隣の分断国家を見ると、冷戦が時代遅れになっていないのが、残念です。
表現しないことの意味。行間の意味
本作対して、語り足りない、不十分、何がいいたいか分からないというレビューを見るたびに、分からないのは貴方の感性が貧弱なだけではないのか?と言いたくなる。
語りすぎる、表現過多映画が当たり前になってしまった現代という時代に悲しみを覚える。そんなきっかけを与えてくれる作品。
ポーランドの曽根崎もの。
中盤までは心地いい。
モノクロの映像も、男と女の機微を映したようなその時代の音楽も。
ただし、どんどんどんどん苦しくなる。
男と女の世界が狭まっていく。
自由を愛を手にいれたはずなのに、新しい世界に適応できない。追い詰められていく。
怖い、怖い、怖い。
分断の時代に追い詰められた。
でも、浮かび上がるのは器用には立ち回れない弱い弱い人間の実像だ。
追い詰められて追い詰められて、こちらまで息が苦しい。
『曽根崎心中』を思い出した。
ちょっとこまったちゃんなヒロインが魅力的。
実話とききまして。。。
えっ ・てことはなに 最後のオチまで実話なんすかオヨヨイ… などと疑いましたがこれがホントなんだそうです。
時代背景や無機質な表情やモノクロからついつい辛さや切なさを想起させ… るかと思いきや、
なに、この、強烈で強力でドラマチックなネタは!! なんなら愉快さまで感じさせます。
ネタバレは避けて、自分が印象に残ったのは、ベルリンが分裂したてホヤホヤの頃は 東西の行き来がまだわりと容易だったこと、しかしそれが段々と、というか急速に厳しくなっていったんだな、というのがわかる描写が随所にあったことです。
それにしてもこの主演の女優さん、かっこよかったです。 個人的に、ほかの誰かに似てる気がしてずっとそれが誰だか全然思いつかないんですけど。。。 うーん、まあ、でも、それも無粋かもしれないのでずっとわからないままでもいいかな 笑
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悲しきオヨヨ。
前作の「イーダ」が良かったので、期待していたのですが、単なるメロドラマに終始していました。歴史に翻弄されるポーランド民族の悲哀には共感したのですが、何故今更、こんな手垢のついたテーマの映画を撮る気になったのか不思議です。冷戦下、悲惨な末路を辿る一組の男女の物語。これ、どう見ても陳腐ですよね。この監督、今回の作品に関しては、なんだか、才能の無駄遣いをしてしまったように思えてなりません。うーん、残念です。
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