劇場公開日 2019年6月28日

  • 予告編を見る

「オヨヨ〜」COLD WAR あの歌、2つの心 everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オヨヨ〜

2019年7月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

戦後のポーランドで、伝承民謡の歌劇団が一から結成されるも、豊富な資金を得るために政治利用されていきます。そんな中、自由を求めてフランスに逃亡した音楽家と、彼を追いかける劇団員の、十数年余りの恋愛模様が描かれています。

いわゆる本命の人以外一切目に入らないというような誠実さはあまりありませんが、そこまでするんだという本気度はすごいです。自由に男に会いに行くため、愛する男に自由を与えるためなら、偽装結婚もなんのその。国境を越えて女に会うためなら自由も音楽も捨てられる。安定した生活を求めてぇ〜とかいうよく聞く価値観なんて、2人からは、はぁ?と叱られそうです。恋愛中の方は、真剣度が試されます。

ポーランド民謡が、仏語ジャズバージョンに様変わりすると、同じ歌でありながら随分印象が変わって興味深かったです。

小悪魔で大胆なヒロインが魅力的でした。

どうやって居場所を知ったのかなど、細かい説明はありません。行間は相当広いです。美しい画を撮ることに心血注いだ感じがします。音楽も良かったです。脳裏に亀裂の入るような歌声も結構ありました。

どうしてそんなに惹かれるのか…。もしかしたら当人達にも分からないものなのかも知れませんが、観客として特別感情移入することはなかったです。

監督の両親からインスパイアされた話とのこと。
ままならぬ恋愛は、どの時代も冷めることを知らず、冷戦すら引き裂くことのできない境地へと昇華していきました。

everglaze