「冷戦を背景とした美しくも切ない愛の賛歌」COLD WAR あの歌、2つの心 エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
冷戦を背景とした美しくも切ない愛の賛歌
観終わって「冷戦」というシンプルかつストレートなタイトルが沁みた。スパイや軍隊が登場するわけでなく、主人公たちはアーティストであるがゆえに東西を行き来する機会もあるのだが、つねに東西の壁が、そして何より東側にある彼らの祖国「ポーランド」が存在し続けた。
1949年、ポーランドは自国の宣伝塔とすべく音楽舞踏団の設立を目指す。そのオーディションで、団の音楽ディレクターとなるピアニストのヴィクトルは歌手志望の女性ズーラと出会い、愛しあった。
その後の15年…東ドイツ、パリ、ユーゴスラビア、ポーランド…東側と西側…別れと再会の輪廻…長い歳月を極力きざんで感情を入れさせまいとするクールな構成ながら、激しく切なくなった。愛って時間じゃないかと思った。
モノクロの映像も音楽も歌も限りなく美しかった。これはオススメしたくなる秀作だ。
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