「鏡像であり、陰と陽、虚構と現実」ブラック・クランズマン チャンプ23さんの映画レビュー(感想・評価)
鏡像であり、陰と陽、虚構と現実
スパイクリーの世界に向けたメッセージが伝わる内容だった。
黒人側が白人側騙してざまぁ。みたいなくだらない媚びた反差別映画でなく、白人側は"kkk"、黒人側は"ブラックパンサー党"、ちゃんと黒人側にも武装を焚き付ける人がいて、おまえらと同じように白人を差別してるんじゃない?タイトルのkkkはブラック側にも内包しているぞとばかり。
主人公のロンは黒人でありながら終始フラットで自立した人、一部の過激派がもたらす"思想"でなく、"行為"に対して、きちんと"知性"で、口で、法によって対処する。
肌じゃなくて、他を犯す"行為"が悪だ。
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そして時折ぞっとするようなこちらの世界に向けての画面構成。
はじめの演説時の間にいくつも現れる無表情な顔。後半で語られる黒人燃やし事件の写真を持ってあからさまにこちらに向かい整列する面々。
最後のながーい廊下スライドからの現実叩きつけ.
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コメディタッチで見やすく、なんなら笑わせるくらいのエンタメに仕上げて、最後にはガツンとパンチくらわせるメッセージ.
映画、エンタメという虚構は終わり、現実に向けて行くという素晴らしい流れ
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