存在のない子供たちのレビュー・感想・評価
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涙なしには語れない
中東レバノンの幼児虐待、人身売買、児童労働、難民、不法移民、不法就労、
不当搾取を鋭利に描く社会派ドラマです。
■「両親を訴える―僕を産んだ罪で。」
両親を告訴するという衝撃的なオープニングから心を鷲づかみ。
■小さな男の子のたくましい姿に泣ける
中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、
自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。
学校へ通うこともなく、物心ついた頃から兄妹たちと路上で物を売るなど、
朝から晩まで両親に働かされている。
そして家を出てから1人で生きていこうとするゼインのたくましい姿に
心を打たれます。
■子供が赤ちゃんの面倒をみるなんて・・(´;ω;`)
しかも他人の赤ちゃん。お世話になった人の赤ちゃんではあるけれど。
自分が生きていくのにも必死なのに、赤ちゃんまで。。。
自分と同じ状況の赤ちゃんを放っておけなかったのかも。
小さな身体で赤ちゃんを抱っこしながら歩く姿を見て泣けてくる。
■赤ちゃんに癒される
とっても可愛い赤ちゃんヨナス♥
めちゃくちゃ可愛いくって無邪気な表情を見ると
この笑顔を守ってあげたいと本気で思います。
■実話ではないけど、キャストは近い境遇の人が演じている!
主人公を始め出演者のほとんどは、演じる役柄によく似た境遇にある
演技未経験者が集められました。
すごくないですか?ド素人なんです。なのにこの素晴らしい演技は?!
ゼインくんも妹役のサハルちゃんもシリア難民。
ラヒルを演じた女性は、戦乱のエリトリアからエチオピアに逃れ、
働き口を求めてレバノン入国した不法入国者。
ヨナスちゃんは、レバノンで出会ったナイジェリア移民の男性と
ケニア移民の女性の間に生まれた子。
■監督も弁護士役で登場
監督は女性で、後半に弁護士役で出演しています。
■平和ボケしていたことに気づかされる
こういう作品を観ると、日本がどれだけ恵まれているのか分かります。
だってこの映画は2018年制作です。古いお話じゃない、つい最近の映画。
世界に目を向けなければならない・・と思った。
映画でこんなに泣いたのは久しぶり。
感動の涙じゃなくて・・とにかく悲しくて、心が痛いです。
私は過去にセーブザチルドレンに寄付をしたことがありますが
平和な世界になるように私たちがやれることを、もっと考えたいです。
多くの人にこの映画を知ってもらいたいと思いました。
ミスリードですかね
育ちの悪いクソガキが旅に出る、癇癪を起こして逮捕され、悪いのは親が原因だ!という胸クソ悪い映画。
多くの方は子供環境についての評価が多いです、悪い結末にはなってますが貧困家庭では幼い娘が裕福な家庭へ嫁ぐことは良いことだと思います、日本では農家に嫁ぐ境遇と似ている気がします、中には姑から労働力として扱われ不遇扱いをされたりと良くは無いが生きることはできると思います。
ゼインは学校へ行くこと、労働することもできるが神様(イスラム教?)次第だと父親は言う。もしかすると親は学がなく学校へ行くことで貧困から抜けれる可能性を分かっていないかもしれないが周りの境遇を自分に置き換えたり、親を訴えるほど頭が良い少年が自ら望まないのが引っかかる。
タイトルからすると黒人女性のラヒルの違法就労や赤ん坊のことをフォーカスしたいのだろうけどゼインのクセが強すぎて話が入ってこない、どうしても主役をゼインとしてみてしまうので難民の子供について掘り下げれてないなーと思った。
「僕を生んだ罪で、両親を訴えたい」
主人公の少年の天才的な演技と、まるでドキュメンタリー映像と思わせる様な手法でドンドン引き込まれていく。
育ちの環境は、後々の人生に大きな影響を与えるが、子どもは自分の育つ環境を自ら選ぶことができない。
本来、社会の仕組みの中で、子どもたちの育ちの環境を保障するべきだが、移民、貧困の中で出生届けすら無く、貧困から抜け出すための多子家族の中で、親からの愛情が無い中で子どもたちは育っていく。
果たして日本はどうだろうか?
7人に1人の相対的貧困家庭、年間の虐待相談対応件数は19万件。
親と暮らす事ができない子どもたちは45000人。
その多くは児童養護施設で生活している。
子どもたちの育ちの環境を保障する社会には程遠い。
この映画を通じて日本の社会で身近に出来ることは何か、改めて考える機会になった。
印象に残る映画
レバノンが舞台?なのかな。貧困層の居住区なんだろうけど、まず町並みとか生活環境に目を奪われた。
予告無しで観始めたけど、あらすじを読んでから観た方がわかりやすいかも。
世界的には人身売買というのが実は社会問題になっていて、遠く離れた国ではこれは日常事なのかとも思えてしまった。
今と過去が交錯する展開だけど、混乱はしなかった。
今も似たような事が起きている
日本にいると難民問題は少し遠いものに感じるが、この映画を通して前よりも関心を持つようになった。
それぞれ俳優達の演技がうまいが、現実似たような境遇の人達ということを知り驚いた。
同じ背景を持つ人がキャスティングされた他人事ではない現実
中東の貧困層の厳しい現実がとてもリアルに描かれている。
主人公のゼインの演技は、演じてるというより彼のそのものの人生を映している感じ。
役では作ることのできないリアルなキャスティングがこの映画の完成度の高さだと思う。
内容は重たいけど、ミニオンが出てきたり、高層マンションがあったり、ゼインたちの生活は今のこの時代に本当にある現実だと思うと、他人事では無い。
(ゼイン役のゼインが今家族とノルウェーで暮らしていると知って嬉しい。)
最後のゼインの笑顔、すっごくよかった!
ゼインかっこいいしどんな大人になるんだろう…
ーーーまぁ〜ほんっとに、育てられないなら産むなとしか言えない。
幼い頃から周りを支える立場の環境
両親への願いが
これ以上子供を産まないで
だなんて
自分が体験した苦しみを、連鎖しせないために
自分への愛ではなく、この先の犠牲者を想って吐いた言葉が辛い
血の繋がっていない乳飲み児の世話をしても
愛情のベクトルは我が子へ向いてしまう現実
少年の目や表情から
生きる希望が感じられなくなり
それでも、生きていかなければならない状況
最後のID発行の時の笑顔
すごい演技力でした。
子供が事態の収拾を苦慮するって…
推定年齢 12歳の濁った目に正気が無い男の子。
序盤では、法廷に原告側として立ち被告人は両親
訴える罪は『ぼくを産んだ罪』👨🏻⚖️
産まれた時から七転八倒する状況に陥ってたら、
敷かれたレールが 稼ぎ柱or研鑽を積む で違えばこうも早熟するのですか。損得鑑定で割り切って生きる為に何でもする。
咎める大人も居ない。
妹の生理を逸早く気づき処置を施し、生理が来た事で妹の身体が孕むことのできる身体として好色な目で見られる事も知っていた。
妹は11歳で身籠って暴力で殺されてしまった。
こんなに心を痛めた映画は無かったです。
印象に 苦しい、辛いも入れて欲しい。
性欲しかない両親に産まれた子供の不幸💙
学校に行くこと。
ご飯を3食食べられる事。
自分の家があること。
親に愛されている事。
無戸籍になって一生自分の存在がない状態で生きなければいけない。
子供は親を選べない。
しかし、中東での異国のお話だと思ってはいけない。
日本でも約1万人の無戸籍の子供がいるというのを決して忘れてはいけない。
恐ろしい中東の現実を…
目の当たりにする、まるでドキュメンタリーの様なリアリティ。出生証明書がない少年ゼイン。学校にも行けず、行こうとしても両親に断られ、路上で働く。子供を生むだけ生んで、労働させ、女子は売り払う。まさに毒親。周囲も彼らを気にしないし、よくある風景といった感じ。エチオピアからの不法移民親子も、いつ追放されるかという恐怖と隣り合わせで必死に働き暮らしている。貧困があまりにも過酷すぎる。両親を訴えるというゼインの選択は両親が悪いという単純なものではなく、社会全体への問題提起。ゼインの演技は素晴らしいし、あの表情、目は自身厳しい環境で育ってきた者にしか表現できないと思う。妹のサハルが死んで、悲しんだ両親が、また子供を生んでサハルと名付けようとする姿、行動こそ、代わりは生めばよいという、子供を代替品としかみていない、何とも悲しい現実だ。日本でも毎日新聞が無戸籍の子供のニュースを展開していた気がするが、遠い国だけの話ではない。
変わることができる人とは
主人公(12歳くらい)のゼインがこれ以上ないほど苦しみを味わい、それでも自分の意思を発することを諦めなかったことでミラクルが起こったこの映画。
薬を売ったり時には自分の親と同じような事をヨナスにもしてしまう。
しかしこの子はきっと将来、親と同じような大人にはならないだろう。
彼の、現状をなんとかしようとする行動力とクレバーさが文化や習慣から抜け出すことのできない大人たちとの違いだったのではないか。
劇中一度も笑うことのなかったゼイン。ラストシーンでスクリーンいっぱいの満面の笑みに、希望と心配を同時に感じる最後だった。
知ってる
その後をどう描くのかと思って鑑賞したので、ただ過酷な状況、映像を観せられてるだけでした。
あらすじとかほとんど読まないとこんなことはありますな。
改めて突きつけられても他国の人へ直接自分には何も出来ないが、知って生きていくのと知らないで生きていくのは違うはず。
そうでも思わないとやってられない。
世界でこんな事が起こりながら呑気に本気でこちらの世界を生きていく。
みんな必死
非常に手際の良い語り口と、とてつもなく重い問題提起。
主人公・ゼインの置かれた環境、というか非合法な雰囲気を伝える導入、
貧しさゆえに凶暴ながら、本質的に優しさも持った彼のキャラクター描写、
テンポよく映像で見せていく序盤が過ぎたころ、すっかり物語に引き込まれてしまった。
そんで見せられる貧困。
もう心が抉られるような辛さで、ヨナスの可愛さがまた辛いっていう。
ちょっと「火垂るの墓」を連想するような構図で、
そうか、日本にもこういう現実はあったんだと。
国がどうとか社会システムがどうとか言う前にね、子供は宝ですよ。
親はもちろんだけど、親が機能しなかった場合のセーフティーネットか何かで
とにかく子供に辛い思いをさせない社会(家庭)ってのがのちの繁栄につながると思うんだけどなあ。
演技が特に素晴らしい
内容は勿論、役者たちの演技が本当に素晴らしい。
映画だから演技をしているはずなのに、そんな素振りは全く感じない。本当にそこに暮らしている住人たちをカメラで録っているかのようだった。赤ちゃんでさえ泣くタイミングなどが完璧だった。
台詞にも演出にも無理がなくて本当に自然だった。
特に、最後の法廷での主人公の台詞に胸が詰まって言葉がでなくなる。
ただ呟いたような感じで言葉を発しているのに、すごく心に響く。
普段邦画をよく観る人に、世界にはこういう映画もあるんだと知ってほしい。
日本の映画界もこういう映画をつくってほしい。
日本の役者さんたちもこういう演技をしてほしい。
と切実に感じた。
この映画は必見です
とても良かったです。
演技なの?っていうぐらい主役ゼインの演技がたまりません。
とても凶暴だけど、内にはとても優しい心を持っていて。
でなければ、あんなに赤ん坊も懐かないでしょう。
書きたい事は沢山あるので、言いたいことをひとつだけ。
この映画は必見です。
あとラストも秀逸です。あっ、ふたつ言っちゃった。
レバノンの哀しい現実
観るのがとても辛い映画だった。誕生日がはっきりしない12歳だろうゼインは学校にも行けず働いて、妹の初潮の面倒までみる。何故?母親に知られると嫁がされるから。まだ11歳なのに、、、反発したゼインは家を出るけれど、もっと過酷な状況になる。助けてくれた女性もエチオピアからの不法滞在で、赤ちゃんを抱えて必死で生きている。それでもゼインを助けるのだから、これまた辛い。彼女も赤ちゃんヨナスの世話をゼインに頼んで仕事に行けるからお互い助け合っているのだけれど。
ゼインとヨナスが2人だけで何日一緒にいたんだろう、、、どうしていいか分からず困っただろうに。ゼインの置かれた状況を思うと心が張り裂けそうになる。
ヨナスの足を縛ったり、クスリを砕いて水に混ぜて売ったりと、両親と同じ事をしてなんとか生き延びる。あんなに憎んでいる親と結局同じ事をするしかない状況が観ていてとても辛い。
出生届を取りに戻ったゼインは(そんなものはないのだけれど)妹が死んだ事を知って、結婚した男を刺して逮捕されるのだけど、刑務所の中の方がまともな暮らしが出来ていることが悲しい。きちんと食事はできるし、寝る場所もある。刑務所の中のほうがマシって、なんなんだ!あまりにも悲しすぎる。
いちばんつらいのはラジオへの生電話。両親を訴えた裁判でも言った言葉、子供を産まないで!育てられないなら産まないで!子供がわかる事を何故この両親はわからないんだろう。苦しい生活の中で11歳の娘を売るように結婚させ、死なせているのにその状況の中で妊娠するって、、、理解し難い。でも子供を産むように言われて育ったと両親が裁判の中でいっていた。これは宗教的な事もあるんだろうか。
負の連鎖、貧しい中で親も身分証がなくまともに働けない。子供も当然身分がない。ずっとずっとどん底のまま。そんな人たちが大勢いる中東の現実。あまりにも辛い辛すぎる。
最後の身分証の写真を撮るためのゼインの一瞬の笑顔だけがせめてもの救い。とても、とても辛い映画だけど、小学生には無理だろうが中学生以上には観て欲しい映画。
僕を生んだことを訴えます
レバノンの貧民街で暮らす少年が主人公で、親は誕生日も覚えておらず、12歳程度らしい。
11歳の妹を可愛がっていたが、売られていき、頭にきた主人公は家を飛び出す。
放浪していたがエチオピアからの違法移民の女性と知り合い、幼い息子とともに暮らすことに。
しかしこの女性が捕まり帰ってこなくなったため、主人公は途方に暮れ・・・。
貧しさの中でも必死に生きようとする主人公が痛々しく、裁判所で「僕を生んだ両親を告訴します」と言うシーンは衝撃的。
観るべき作品
これは私が今まで観た映画でTOP5に入るだろう。シンドラーのリストという映画史上最も重要な歴史映画で有名な作品がありますがこれに匹敵する映画だと思います。
主役を演じた男の子も天才です、余計なセリフなど無く、目だけで感情を表現出来ていて鳥肌が立ちました。最後まで本当に重い内容でしたが、ラストのカメラに向かって微笑んだ少年に目頭が熱くなり心から幸せになって欲しいと願いました。観るべき作品です。
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