劇場公開日 2019年2月22日

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「埼玉は偉大なるイナカ…それを証明」翔んで埼玉 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0埼玉は偉大なるイナカ…それを証明

2019年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

寝られる

2019年に入って初めて見る映画にこれを選んだ。
年間20本ほどは劇場で映画を見てきたが、昨年暮れ以来劇場に足を運ぶ気がしなかったのだ。
話題の映画なので、チェックしたいと思って平日昼間、午後4時開映で鑑賞。
配給元のおひざ元「丸の内TOEI」はかなりの入り。映画の日で料金が1100円というのも有利に働いたんだろう。

さて、映画のほうは絶賛されている割に全体に安っぽくお手軽に作られている。
従って映画としての深みはなく、笑いもそれほど過激とも思えない。
二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、中尾彬らの芝居は決して悪くないし、作品の趣旨に沿って「大熱演」している。
過去の「伝説」を現代に生きる埼玉県人家族のドライブの途中に織り込むスタイルも、作品としては成功している、と思う。
ただ原作および、魔夜峰央が持つあの毒はかなり薄味だろう。

東京を頂点としながら、それに隷属する神奈川、そして排除される千葉と埼玉の争い。さらに外周に位置する群馬、栃木、茨城という各地域の特徴を拾って笑いを取る手法はいいが、そのあたり各地域に配慮するあまり薄味なのだ。
ディスりを一県に特化した「おまえはまだグンマを知らない」に比べると弱い。
原作漫画は大昔のものだが、映像作品としては、この映画は「おまえは…」のフォロワーでしかないだろう。
それでも全国公開、ヒットにつなげたのはさすがのフジテレビの企画力か。

現状、埼玉県人とそれに縁がある人へのくすぐり効果があったのは、興収トップを記録したことで証明されたわけで、関係者にとっては、企画と制作サイドの読みがあたったわけでご同慶の至りである。その点は評価する。

評者は38年首都圏に生活するが、今住んでいる東京、次に長い千葉、群馬(首都圏ではないが 笑)、神奈川に住んだことはあっても、埼玉には縁がなかった。
だから今一つ親近感が持てない。

でも結局、住むなら東京ですよ。
これ以上、便利で整備されたところはないもん…。

町谷東光